「能率」コンセプトにおける先端技術は、目的-手段のバランスをとるという関係の中では当然に「手段」に該当します。
最新の科学技術を導入することにより、目的を達成するための最高レベルの手段を用いるということです。
当然と言えば、当然の話です。
しかしながら、
1.最新技術にはコストがかかるということ、
2.手段が目的化しやすい・・・という課題があります。
スマートフォンでもipadでも結構なお値段、使いこなすことができなければ機会損失に繋がります。
能率の父と呼ばれた上野陽一(1883~1957)は、今から80年ほど前、米国製のオープンカーに乗り、動作研究・時間研究のためにドイツ製の高性能カメラを使っていました。
マーケティングで言えば、イノベーター、アーリーアダプター(初期購入者)であり、最も価格の高い時期での購入といえます。
上野の能率研究への情熱は、購入価格などは気にもとめなかったものと思われます。
東大卒業後に執筆した書籍がロングセラーになり、会社勤め、サラリーマン稼業を経験したことのない「飛んだ」能率学者ならではの買い物でした。
ちなみに、外車の方は故障がちで実用性には?ということでした。
小職自身もそうですが、大枚はたいてIT機器を購入。
当初、目的を達成するための手段として使い始めるわけですが、最新技術の素晴らしさに魅了され、いつしか道具で遊ぶことが目的となってしまいます。
「手段の目的化」現象です。
小職の友人も多くも、ipadで太陽系の動画を見る、スマートフォンの超オモシロゲームで遊ぶ・・・といったツボにはまっています(笑)。
当初、仕事を能率的に進めるため、最新の情報をゲットするため、情報整理を進めるため・・・といった目的が、いつのまにかすり替わってしまうのです。
それはそれで楽しいのてすが・・・、能率という観点からすると、「ムダ」判定が立ちます。
さわるだけで楽しいipadやスマートフォン、最近の時間消費の犯人は悩ましい存在です。
もっとも入学試験でカンニングに情報機器を使うということも困ったものですが・・・。