「7・5・3」という言葉があります。
人事労務部門では、かなり前から使われていました。
入社3年以内に、中卒者は7割、高卒者は5割、大卒者は3割が会社を離職するという意味です。
時間と経費をかけて採用したにも関わらず、簡単に会社を辞める・・・人事労務担当者はガックリです。
バブル経済の一時期、大企業で大卒者一人採用するために500万円位の経費がかかると言われていました。
昨今の少子化の中では、当時と同額くらいの費用がかかっているのではないでしょうか。
マイナビ転職の広告。
すべての「働く」を、もっと開く
20歳代の若者たちに響くコピーです。
自分らしく働きたい、ワークライフバランス、自分の強みを活かしたい、家族を大切にしたい・・・。
Z世代の持つ価値観は、オジサン、オバサンにはちょっと理解できないところがあります。
「24時間、働けますか?」という栄養ドリンク剤の広告世代とは、真逆の立ち位置です。
若い部下に厳しく指導すると、パワハラだと言って辞職する・・・
やさしく接すると、この会社では自分の専門性やキャリアを切り拓けないから辞める・・・
経営者や管理監督者にとって、本当に難しい時代になりました。
対応策としては、大きく2点あると思います。
一つ目は、現場の管理監督者、先輩社員と若手社員のコミュニケーションを密にすること、しっかりと日々の観察を怠らないということ。
若手社員の希望や要望、中期的なキャリア開発の視点から、分かりやすいアドバイスや親切な支援を行っていくことが大切です。
コーチングやメンタリング、アサーションなどのテクニックもあるため、うまく活用すればいいと思います。
2つ目は、その会社の社会的な存在意義(パーパス)や経営理念を理解してもらうということです。
Z世代は、想像以上に社会的な課題や自分にとっての仕事の意味を大事にしています。
今の仕事を通じて、どう社会に貢献しているのか、どうお役だちしているのかを伝えていかなければなりません。
これは、採用試験の段階、内定の段階から、粘り強く伝えていかなければなりません。
マネジメントの父・ピーター・ドラッカー博士は言います。
「最初の就職はギャンブルだ!」
社会のことをあまり知らない学生が、会社や仕事を選ぶということは本当に難しいことだと思います。
いやなら辞めても良いと思うのですが、真正のブラック企業でメンタルや体調不良を招くようなリスクがない限り、最低でも3年、出来れば5年勤めあげれば一定のキャリアとして認められると思います。
その際、自分は今後どう働いていくのか?を節目でデザインし、自分のために能力開発、自己啓発していくことです。
自分への投資がポイントです。
これからの社会、会社を支える若者たちにエールを送ります。
がんばれ!Z世代