2019年にスタートとした国の働き方改革法施行。
長時間労働の是正、同一労働同一賃金、生産性の向上・・・。
労組サイドからは「働かせ方改革」などと揶揄されていましたが、働き方改革法は戦後の労働法制の中で画期的なイノベーション。
人口減少、少子高齢化が進むニッポンの労働力をフル活用するための大改革です。
ただ、そこに襲い掛かったコロナ禍・・・。
働き方改革の動きにブレーキをかけてしまいました。
無理やりテレワークやワーケーション、在宅勤務などは進みましたが、残念ながら、働き方改革法のコンセプト実現までには至っていません。
こういう場合は、原点に立ち返るべきということで、働き方改革の旗手、小室淑恵さんの著書を読み返してみました。
小室淑恵さんはワーク・ライフバランス社の代表取締役社長。
1000社以上の会社、団体に働き方改革コンサルティングを行い、政府や経済産業省などの委員もされています。
働き方改革 生産性とモチベーションが上がる事例20社
小室淑恵著 毎日新聞出版 1600円+税
人口が増える「人口ボーナス」期は「男性・長時間・同質性」という働き方だったが、人口が減少していく「人口オーナス期」は「男女・効率よく・多様性」が求められると著者は指摘します。
目次
第1章 働き方改革が政府の大方針になるまで
第2章 の具体的手順
第3章 困難な環境での取り組み事例
第4章 働き方改革の全体設計 経営者の果たす役割
第5章 中央省庁、学校、自治体、中小企業でも働き方改革が加速
第6章 働き方改革を完走するには
働き方改革は、100社100通りでありケースバイケース。
ただし、働き方改革には、4つのステップがあるとします。
ステップ0 ゴールイメージの設定
ステップ1 現在の働き方を確認する
ステップ2 業務の課題を抽出
ステップ3 働き方改革を見直す
ステップ4 改革施策の実施→ステップ1に戻る
このサイクルをスパイラルアップさせるために、「朝メール・夜メール」「カエル会議」などの技法があります。
同書の圧巻は、第3章から始まる20の事例。
大企業のみならず、行政や警察、教育委員会などのリアル事例が紹介されています。
働き方改革コンサルティングは、業務改善や品質向上などと同じように経営者主導、社員の意識改革が必要不可欠です。
現場、職場では、抵抗勢力も登場し、働き方改革活動を妨げます。
人間、変化は嫌いですからね。
でも、コロナ禍、オミクロンの収束のアフターコロナの時代には、間違いなく、働き方改革活動を再起動させなければなりません。
すべての働く人たちを「幸せ」になるために。