大好きな橘玲さんの新刊新書が出ました。
新刊といっても2006年に出された「臆病者のための株入門」の改訂版です。
著者は、もともと国際金融小説「マネーロンダリング」で作家デビューした経済通。
自身で株をはじめとする金融商品の取引をしてきた実践家でもあります。
新・臆病者のための株入門
橘玲著 文藝春秋・文春新書 1100円
同書では、株価はどうして上がるのか?からアセットアロケーション、トーシロ投資法までシロウトでも分かるように解説していきます。
圧巻は、第6章の「経済学的にもっとも正しい投資法」。
CAPMやベータ値など難解と言われるファイナンス理論を専門用語なしに分かりやすく説明しています。
ここを読むだけでも同書の価値はあります。
この改訂版では、最終章に「臆病者のためのNISA活用術」が追加されています。
「老後を短くすればいい」「月3万円で1億6300万円」「余裕資金はすべてNISAに」成長枠投資は無視してよい」・・・タチバナ節が炸裂しています。
著者は、株式投資はギャンブル(リスク)であるという前提で、インデックス投資が王道であると主張します。
最近流行のオルカンやS&Pへの投資が当てはまるのでしょう。
ただ、個人的には、米国大統領選挙や米国市場バブル、世界的な地政学上のリスクなどを考えると、ちょっと心配です。
あくまで余裕資金で、大暴落してもダメージが少ないレベルでの投資が必要だと思います。
基本は、「臆病者」のスタンスが必須です。