面白い本を見つけました。
日本の大企業100社の歴史を新書版で解説した一冊です。
「日本100大企業の系譜」
菊地浩之著 メディアファクトリー刊 900円+税
序章には、「10分で読める日本企業の歴史」というこで、明治時代からの企業史が理解できます。
四大財閥・・・三井、三菱、住友、安田という大きな括りから、さまざまに派生した企業が誕生したことを説明しています。
明治時代・・・外国に追いつき追い越せ
大正時代・・・戦争は儲かる
昭和初期・・・恐慌で始まり戦争で終わる
敗戦直後・・・財閥の解体
1950~1960年代 高度成長の到来でニッポン産業が復活
1970~1980年代 オイルショックからナンバー1へ
1980~1990年代 バブルとその崩壊
現在 合従連衡、業界再編の時代へ
また、本編では、100の企業の故事来歴が見開きページで紹介されます。
特に面白かったのが見出しのフレーズ。
著者の菊地さんは、なかなかのコピーライターです。
三菱東京UFJ銀行・・・三菱紳士、野武士三和を呑み込む
損保ジャパン・・・損保業界の暴れん坊
三井物産・・・「人の三井」の代表選手
丸紅、伊藤忠商事・・・意外にも兄弟会社
日立製作所・・・もとは鉱山機械の修理工場
NEC・・・我が国初の外資系企業
コマツ・・・コマツは創業者の名前ではなく地名
旭化成・・・ダボハゼ経営、見事に成功
キリンビール・・・名付け親は三菱の重役
武田薬品・・・傍流オーナーが放った逆転ホームラン
資生堂・・・海軍病院薬局長が志を立て創立
セブン&アイ・・・優秀すぎる子会社の矛盾を解決する統合
最近、業界本が書店で平積みになっています。
規模や業界内のポジショニング等も大事ですが、歴史という軸から見てみることもとても興味深いことだと思います。
大企業の歴史は、日本の経済史ということも出来ると思います。
もちろんその下には99%の中小企業、零細企業、個人企業があるのですが・・・。
環境変化の激しい今こそ、もう一度、日本の経済史を押さえてみることも面白いのではないでしょうか。
入門編としてはお奨めの、手ごろな一冊です。