人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

伊坂幸太郎著「オー!ファーザー」を読む~手旗信号も出てくる

2013年08月03日 07時00分50秒 | 日記

3日(土)。昨夕、X部長に「きょうコンサートの予定ないよね?」と言われ、その通りなので「な、ないけど」と答えると「軽く      どう?」と誘われました。仕事絡みで夕方飲み会が入るのに備えて、1か月先までの私のスケジュール表をX部長に渡してあるので、ウソがつけないのです。仕方ないのでタイムキーパー としてK君を巻き添えにして地下のRで飲みました

「もういい時間だな」と思っているところへテナントFのIさんと若者の2人連れがお店にやってきたので、X部長が「これ幸い」と彼らを仲間に引き入れました ということでRを出たのは8時を過ぎてしまいました。残り4人はもう1軒の焼鳥Oに向かいましたが、私は8日間のコンサート疲れがたまっていたので、K君に「もう帰るから、よろしく」と耳打ちしてフェイドアウトしました 1升瓶を丸々1本空けたから、もういいでしょう

 

  閑話休題  

 

伊坂幸太郎著「オー!ファーザー」(新潮社文庫)を読み終わりました 伊坂幸太郎は1971年、千葉県生まれ。95年、東北大学法学部を卒業。2000年「オーデュボンの祈り」で新潮ミステリー倶楽部賞を受賞しデビューしました 多くの小説を世に出していますが、このブログでも最近では「SOSの猿」「あるキング」などを取り上げてきました 彼の小説は軽妙洒脱で、しかも本格的なミステリ小説と言っても差し支えないほどに読者を唸らせます

高校生の由紀夫には4人の父親がいます。ギャンブル好きの鷹、元ホストで女好きの葵、大学教授で博学の悟、中学講師でスポーツ万能の勲の4人です。なぜ父親が4にいるかというと、由紀夫の母親が四つ股を掛けて結婚したからです 

この小説では由紀夫の母親は出張中という設定になっていて最後になるまで登場しません。彼女の留守中に限って起こるキッカイな事件が綴られていきます 知事選挙が絡んだ複雑な事件に、いつの間にか巻き込まれ、危なくなるたびに同居している4人のうちどれかの父親に救われる由紀夫です

この小説は元々2006年に宮城県の「河北新報」に連載されていた新聞小説だったを単行本化して、さらに今回文庫化したものです。したがって、連載小説の”お約束”で何ページかごとに事件の山がきて読者を飽きさせないストーリー展開になっています

可笑しいのは由紀夫が小学校4年生ぐらいの時に、母親に「ケータイ電話を買ってくれ」と頼んだ時に、母親に断られ、4人の父親に相談するのですが、彼らが出した結論は「手旗信号とかで代用しろよ」という時代錯誤的な回答だったのです ところが、手旗信号を習得したおかげで、後に危機から脱出することが出来るというストーリーになっています

手旗信号と言っても何のことやらわからない人が多いかも知れませんが、小説の解説を引用すれば、

「もともと船乗りが使っていた通信方法で、日本の海軍が日本用に改良したもの。片かな手旗信号は、片かなの書き順をそのまま旗で表現するやり方が主で、例えば、『イ』であれば、まず『/』という斜めの線を旗で表し、その後で、『|』と縦の線を描く。二つを続ければ、カタカナの『イ』に見える、と言う訳だ」

というものです。実は私も手旗信号が出来ます というのは、小学5~6年生の時、地元のボーイスカウトに入っていて、遠くの仲間との通信手段として手旗信号を使っていたのです 手旗信号の唯一の欠点は、相手も手旗信号が出来ないと会話が成り立たないということです。やっぱりケータイには勝てませんね

 

          

 

 伊坂作品は何を読んでも裏切りません この小説は540ページを超える大作ですが、面白さに時間が経つのを忘れます。推薦しておきます

コメント (2)
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