人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

百田尚樹著「モンスター」を読む~ラフマニノフ「ピアノ協奏曲第3番」も登場

2013年08月11日 07時01分02秒 | 日記

11日(日)。昨日は暑かったですね。都心で最低気温が29度とか言ってました 出来るだけ外に出ないようにしました。家でCDを聴きながら新聞や本を読んで過ごしましたが、ポゴレリッチのCDをショパンを中心に片っ端から聴きました。ポゴレリッチは強烈な個性ですね

 

          

 

          

 

          

 

          

 

          

          

百田尚樹著「モンスター」(幻冬舎文庫)を読み終わりました 百田尚樹は1956年、大阪生まれ。放送作家として「探偵!ナイトスクープ」などの番組で活躍後、2006年に「永遠の0(ゼロ)」で作家デビュー、大きな話題を呼びました

瀬戸内海に面した小さな田舎町で瀟洒なレストラン”オンディーヌ”を経営する絶世の美女・鈴原美帆は、他人には言えない秘密を抱えていた 彼女は幼いころ”ブルドッグのように醜い”と言われ、深く傷つきながら育ってきた。そんな彼女は幼稚園の時に憧れていた英介に、いつの日か再会し結ばれたいと思っていた しかし、醜い顔では英介は振り向いてくれない。そこで、彼女は二重瞼の手術を手始めに、鼻を、口を・・・・と整形手術を繰り返し、まったく別人の絶世の美女になります ”町一番の美人”を売り物に、かつて自分をけなしていた男たちを引き付け、次々と復讐を果たしていきます。最後に、英介も彼女の前に現われます。二人は結ばれるのか・・・・・・・

この本の中にクラシック音楽が1度だけ登場します。美帆のレストランに英介が訪ねてきた時のシーンです

その時、店内の音楽が変わった。私は音楽に耳を傾けるように目を閉じた。

「この曲ー好きな曲なんです」

「ラフマニノフですね」と英介は言った。「ピアノ協奏曲第3番」

私はうなずいた。

「ぼくも大好きな曲です」

「まあ!」

私は小さく声を上げたが、英介がこの曲を好きなことは知っていた。高校時代、この曲について友人に熱く語っていた英介の姿は、今も鮮明に覚えている

ここで著者が同じラフマニノフのピアノ協奏曲でも有名な「第2番」でなく「第3番」を選んだのは、次のような英介の回想があるからです

彼はかつてこう言った。

「この曲を聴いていると、青春の悲しさを感じるんだ。二度と戻らない、ある懐かしさを感じて胸が一杯になる」

 

          

 

浪費家の、もとい、小説家の中村うさぎさんが巻末に解説を書いています

「人間というものはさもしい生き物だ。外見よりも中身が大事、などと真顔で綺麗ごとを言う者ほど、美貌という餌を前にすると恥も外聞もなく食らいついてくる 私事で恐縮だが、昔から自他ともに認める面食いである私は、それを公言すると必ず「男を外見でしか判断しない軽薄で愚かな女」という批判や軽蔑を浴びたものだ。だが、本当に中身だけで相手を選んでいる人に、私はほとんど会ったことがない

これを読んでいて思ったのは、時々「美女と野獣」を絵にかいたようなカップルに出会うことがありますが(どうして、あんなブ男に絶世の美女がくっついているのか)、あれって、男が女を外見で選んでいるのに対して、女が男を内面で選んでいるのか?それとも、だまされたのか?ということです 

最近はプチ整形が流行っているようで、みんながみんな同じような顔になっていくような気がします。自分から進んで個性を喪失しているのではないかな

 

コメント
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