10日(土)。昨夕、仕事に打ち合わせでX部長と地下の0で40分、次いでN監査役を加えてRで40分飲みました。入居飲食店舗の両方で飲むこの配慮 涙がチョチョ切れます。自画自賛です 幸か不幸か、ビールを飲むと風邪による喉の痛みが消えてスイスイと入っていくので困りました そんな訳で今朝も喉の痛みは消えていません
閑話休題
道尾秀介著「月と蟹」(文春文庫)を読み終わりました 道尾秀介の作品はこのブログでも何冊かご紹介しました。あらためて紹介すると道尾秀介は1975年生まれ。2004年に「背の眼」でホラーサスペンス大賞を受賞し、デビューしました。その後、数々の推理小説を発表してきましたが、ついに2011年、この「月と蟹」で直木賞を受賞しました 彼の作品は、思わず引き込まれてしまう魅力に溢れています
舞台は海辺の町、小学生の慎一と春也はヤドカリを神様に見立てて願い事遊びを思い付き、遊ぶ ヤドカリを部屋のキーの上に固定し、下からあぶることによって、中のヤドカリを外に追い出す遊びだ。その儀式で、願い事をするとそれが叶うことを発見する。慎一は幼くして父親を亡くし、母親と祖父の3人で暮らしているが、母親が密かに付き合っている同級生・鳴海の父親を抹殺してほしいと祈る
少年期の微妙な心の変化が繊細な文章表現で書かれています。伊集院静氏が「解説」で次のように書いています
「道尾秀介の描く少年は、哀しみを抱いている。もっと正確に、いや私の直感であるが、”少年たちは哀しみを抱いていることに戸惑っている”」
これを読んであらためて気付いたのは、道尾秀介はほとんど少年を主人公にして小説を書いているということです 彼の小説を読んで裏切られたことはありません。お勧めします