人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

モーツアルトの「交響曲第35番”ハフナー”」とオペラ・アリア集(日本語版)を聴く~東響

2013年08月12日 07時00分18秒 | 日記

12日(月)。昨日午後3時からミューザ川崎で「フェスタサマーミューザ」フィナーレ・コンサートを聴きました プログラムは①モーツアルト「交響曲第35番二長調K.385”ハフナー”」、②同「オペラ・アリア名曲集」です。演奏は秋山和慶指揮東京交響楽団、ソプラノ=半田美和子、メゾ・ソプラノ=小川明子、テノール=経種廉彦(いだねやすひこ)、バリトン=大山大輔です

 

          

 

本番に先立って午前11時半から公開リハーサル(ゲネプロ)がありました。私は先日と同じ2階のセンターブロック5列14番席を確保しました。うだるような暑さの外からコンサートホールに入って舞台上のオーケストラを見ると何故か元気になります

1階席と2階のセンターブロックを中心に聴衆が入っています。5分前に着席すると、すでにオケの面々が自由な服装で各自練習中でした コンマスはベージュのワンピースが似合う大谷康子さん。拍手に迎えられて指揮者の秋山和慶さんがオレンジ色のポロシャツで登場し、会場に向かって「おはようございます」とあいさつ、さっそくリハーサルに入ります

最初にハフナー交響曲の第1楽章から入ります。ゲネプロなのでほとんど止めないで通して演奏、繰り返しの部分で止めて第2楽章に入ります。アンダンテのこの楽章では、何度か途中で止めて繰り返し演奏を求めていました アレグロ楽章より、ゆったりしたアンダンテ楽章の方に神経を使っているようです。第3楽章メヌエットはサラッとおさらいし、第4楽章プレストでは途中何度か止めて繰り返し演奏しました

次いで歌劇「フィガロの結婚」序曲を軽快に演奏、歌手陣を入れて「フィガロの結婚」のアリアをひと通りおさらいしました。女性陣は本番と同じ衣装で、男性陣は普段着で望みます。バリトンの大山大輔が進行役も兼ねています

12時20分から12時35分まで休憩をとり、後半は歌劇「魔笛」と「ドン・ジョバンニ」のアリアをおさらいしました。歌手陣は絶好調です

1時22分にリハーサルが終了。ビル内のコーヒー店でカフェラテを飲んで2時半に会場に戻りました ロビーの端に「フェスタサマーミューザ」に登場した指揮者陣のサイン色紙が飾られていました

 

          

 

さて本番です。自席は1階C8列30番、センターブロック右端から3つ入った席、会場は舞台の左右とP席がガラガラですが、他は結構埋まっています

舞台に登場したオケの面々を見ると、男性陣は黒の長袖Yシャツ、女性陣はコンマスの大谷康子さんと一部の女性を除き黒のパンツルックです。どうせならパンツルックで統一した方が断然カッコいいと思います

交響曲第35番ニ長調K.385”ハフナー”は、ザルツブルクの富豪ハフナー家の息子ジークムントⅡ世が貴族に叙せられたことを祝って作曲されたものです そのため祝祭的で明るく弾むような曲です。秋山和慶の指揮は、いつでも明快です。これほど飾りのない、それでいて表現すべきことは過不足なく表現している指揮者も珍しいのではないでしょうか 私が長い間、東京交響楽団の定期会員になっているのも、この人の指揮で聴きたいという理由が大きいのです。実に気持ちのいい指揮ぶりです

          

          

                   (これは昨年のです)

 

休憩後はモーツアルトの序曲とアリア集です。進行役の大山が登場して

「きょうは中山梯一、鈴木敬介の日本語訳詞によるオペラのアリアを聴いていただきます。それでは本日の出演者をご紹介します

とあいさつ、第4回藤沢オペラコンクール第1位のソプラノ半田美和子、第4回日本歌曲コンクール第1位のメゾ・ソプラノ小川明子、イタリア声楽コンコルソ金賞受賞のテノール経種(いだね)康彦を紹介、最後に大山が自己紹介をしました

「フィガロの結婚」序曲は軽快です。短い序曲の中に3時間に及ぶオペラのエッセンスが凝縮されています「さあ、これから楽しいオペラが始まるぞ」というワクワク感に満ちています

次いでフィガロの中からアリアを4人の歌手が交替で歌います 最初にマルチェリーナ(小川)とスザンナ(半田)による「お先へどうぞ」が面白可笑しく、フィガロ(大山)による 「もう飛ぶまいぞ、この蝶々」が軽快に、ケルビーノ(小川)による「恋とはどんなものかしら」が初々しく、伯爵夫人(半田)による「楽しい日々はどこへ」がしみじみと歌われ、伯爵夫人(小川)とスザンナ(半田)による「手紙の二重唱」が軽やかに、最後にフィガロ(大山)による「まなこを開け」が力強く歌われました 「手紙の二重唱」で感心したのは、伯爵夫人の歌う言葉をスザンナが手紙に書き取るシーンで、半田スザンナは、イタリア語では横書きのところを、日本語の歌なので平仮名を書くように縦に文字を書いていたところです。細かい演出をしているな、と感心しました

次いで「魔笛」に移りましたが、大山は「昼間のコンサートなので夜の女王は登場しません」と言って会場を湧かせました。最初にタミーノ(経種)による「麗しいお姿」がロマンティックに、パミーナ(半田)とパパゲーノ(大山)による「恋を知るほどの男には」が高貴に、パミーナ(半田)による「愛の喜びは露と消え」が哀しく、パパゲーノ(大山)とパパゲーナ(半田)による「フィナーレ」が賑やかに楽しく歌われました 最後は誰が誰を歌っているのか定かではありませんでしたが、このフィナーレは素晴らしい音楽です。フィガロのフィナーレもそうですが、ワクワクするオペラの最後を飾るのに相応しい音楽です

フィナーレで、世を儚んで首を吊ろうとするパパゲーノが「3つ数えるうちにだれか助けて」と言い、パンフフルートを吹いて「1」、「2」と数えても何の反応もないので、チャルメラのメロディを吹いて「2.5」と言うと会場は大爆笑でした

最後は「ドン・ジョバンニ」です。曲の紹介をするとき、大山が何かを落としました。「ドン・ジョバンニは世界中で2065人もの女性を落としましたが、私はカフスを落としました」とシャレを言って笑いを取り、「これで2065人を超えることができるかな・・・・」とか何とかブツブツ言っていました

最初にツェルリーナ(半田)とドン・ジョバンニ(大山)による「手を取り合って」が魅惑に満ちて、ドンナ・エルヴェラ(小川)による「さあ、この裏切り者を避けて」が力強く、ドンナ・アンナ(半田)、ドンナ・エルヴェラ(小川)、ドン・オッタヴィオ(経種)、ドン・ジョバンニ(大山)の四重唱による「お気の毒な方、この人の不貞の心を」が見事なアンサンブルで歌われました

そして、大山ドン・ジョバンニが「みんながワインで酔いしれる盛大な宴を用意しろ」を超早口言葉で歌って拍手喝さいを受け、さきほど落としたカフスを拾い上げて走って舞台を去りました 「これから10人口説き落としてカタログに2066人目以降を書き加えるぞ」という宣言です。それで息が切れるのではないかとの大方の心配をよそに、大山ジョバンン二は休む間もなく、マンドリンの伴奏に乗せて「セレナーデ」をロマンティックに歌い上げました。このマンドリンの素晴らしかったこと 聴衆は二人に大きな拍手を送りました

次いでドン・オッタヴィオ(経種)による「恋人を慰めて」が切々と歌われ、最後に全員が登場してフィナーレを歌い上げました

今年のフェスタサマーミューザがモーツアルトで終わったのは良かった 来年も是非聴きに行きたいです。とくにゲネプロ付のコンサートは良い企画だと思うので来年も続けてほしいと思います

 

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