人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

有川浩著「キケン」を読む~理系大学生の青春を描く

2013年08月22日 07時05分24秒 | 日記

22日(木)。有川浩著「キケン」(新潮文庫)を読み終わりました 有川浩はこのブログでも紹介した「県庁おもてなし課」でお馴染みの女流小説家です

キケンとは城南電気工科大学のサークル「機械制御研究部」の略称です 部長・上野、副部長・大神の二人が仕切るキケン集団は、破壊的な行為からキケン=危険として周囲から畏れられています

部長の上野は小学生の時から花火の火薬を使って爆弾を作るなどとても危険な人物です その実態は「第1話:上野直也という男」で語られます。また、副部長の大神は大(魔)神的な存在で、実質的な部長です。この男が学園祭で知り合った女子大の学生と付き合って、最終的には振られる「第2話:副部長・大神宏明の悲劇」は、聞くも涙、話すも涙の物語です 心情的には大神にすごく同情します

第3話・第4話の「3倍にしろ!」は学園祭でラーメンの模擬店を出店するのですが、上野部長の命令は売り上げを去年の3倍にしろというもの 上野は、母親が喫茶店を経営している元山を責任者として指名します。元山を中心に1年生たちが売り上げではなく利益を3倍にするまでの涙ぐましい奮闘ぶりが書かれています

第5話「勝たんまでも負けん!」では、県主催の「ロボット相撲大会」に出場することになったキケンの活躍ぶりが書かれています 決勝戦で”負けない最後の手段”としてロボットを自爆させて、相手のロボットを吹き飛ばし周囲を唖然とさせます これはルール違反か・・・・・

最終話「落ち着け。俺たちは今、」は、数年後の元山が、妻と母校の学園祭を訪ねる話ですが、「あの頃主人公だった自分たちの役割は後輩たちがしっかりと受け継いでいる。現在の主人公は彼らだ」と思うと同時に、「すべては過去になったが自分たちの”機研”の思い出は誰も消せない宝物になったのだ」と認識を新たにします。302教室を除いた元山は、上野、大神たちの寄せ書きを目のあたりにして感激に浸ります。この場面は有川浩の真骨頂、思わず熱いものを感じます。理系大学生の青春を描いた「キケン」をお薦めします

 

          

 

  閑話休題  

 

昨日朝、整骨院で順番待ちをしている時にケータイが鳴ったので出ると、実家の妹からで、入院中の母親が急に呼吸を停止した、という連絡でした。会社に行く恰好そのままで病院に駆けつけましたが、間に合いませんでした。母を実家に連れ帰り、昨日は夜まで妹夫婦とともに葬儀屋さんと打ち合わせをし親戚はじめ関係者に連絡をしました。

帰りがちょうど雷雨の激しい時間帯にぶつかり、傘を持っていたのに役に立たず、びしょ濡れになりました。家に帰ったと思ったら娘から「近くの地下鉄の駅にいるが傘がないので迎えに来てほしい」というので再び、川と化した道路を歩いて迎えに行きました。

今日は再度、実家に行き明日夜の通夜と明後日の告別式の打ち合わせをします。このブログはお休みするかもしれません

 

コメント (4)
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