6月1日(土)。はやいもので今日からもう6月です。今月はコンサートを21回聴くので1年のうちで一番キツイ月になりそうです 体調管理に気を付けながらこの難関を乗り切りたいと思います
昨夕、東京オペラシティコンサートホールで、バッハ・コレギウム・ジャパンの第102回定期演奏会を聴きました。プログラムは①J.S.バッハ「プレリュードとフーガ・ハ長調」BWV531、②同「おお、神の子羊、罪もなく」BWV618、③同「いざ来ませ、造り主なる神、聖なる霊」BWV667(以上、オルガン独奏:鈴木優人)、④パッヘルベル「キリストは死の縄目につながれたり」、⑤J.S.バッハ「キリストは死の縄目につながれたり」BWV4、⑥同カンタータ第172番「高らかに響け、歌よ」BWV172、⑦同カンタータ第31番「天は笑い、地は歓呼せん!」BWV31です
キャストは、ハナ・ブラシコヴァ(ソプラノ)、青木洋也(カウンターテナー)、櫻田亮(テノール)、ドミニク・ヴェルナー(バス)です
いつもロビーでプログラムを買ってボリュームたっぷりの解説を必死で読んでいますが、表紙がリニューアルされていました これまでは地味な感じでしたが、新しいプログラムは白地にオレンジと黒の文字を配したスッキリしたものになっています B.C.Jのカンタータ・シリーズが始まった当初はこんな感じのデザインだったような気がします。そうだとすれば、カンタータ全曲演奏会がひと通り終わって原点帰りしたのかも知れません
会場に入ると、ちょうど舞台の真上辺りの位置の天上の三角窓(天窓)が開いていて空が見えます その下で、鈴木優人がバッハのオルガン曲3曲を演奏します。最初の「プレリュードとフーガ」の冒頭は鍵盤は使わず、足でペダルを踏んで音の伽藍を打ち建てていくもので、まるでオルガンのファンファーレのような祝祭的な音楽です。新鮮でした
カンタータ「キリストは死の縄に縛められ」は同じ聖書や詩編のテキストを使いながら、パッヘルベルとバッハとでは、まったく曲の様相が異なります。パッヘルベルと言えば「カノン」で有名ですが、バッハの一番上の兄ヨハン・クリストフ・バッハはパッヘルベルに師事していたといいますから、大バッハもパッヘルベルの影響を受けていると言えるでしょう パッヘルベルの時に弦楽器+チェンバロ+ファゴット(=8人)とコーラス8人の計16人だったのが、バッハになると弦楽器+チェンバロ+管楽器(=12人)+コーラス16人の計28人に拡大しています 天窓はいつの間にか閉じられていました
休憩後第1曲目のカンタータ第172番「高らかに響け、歌よ」は、まさに表題通り喜びに満ちた曲で、冒頭から左手を腰にあてて片手でトランペットを吹くマドゥフら3人が大活躍します オケはさらに拡大して総勢52人となっています
最後のカンタータ第31番「天は笑い、地は歓喜せん!」は祝祭感覚溢れる曲想です この曲ではソプラノのアリアに付けた三宮正満のオーボエが冴えわたっていました
歌手陣では、何と言ってもソプラノのハナ・ブラシコヴァのノンヴィブラートの美しい声が印象に残りますカウンターテナーの青木洋也、テノールの櫻田亮、バスのドミニク・ヴェルナーも期待通りの素晴らしい歌声を聴かせてくれました
そして言うまでもなく、B.C.Jといえばソリストを含めたコーラス陣です。古楽器演奏集団の素晴らしい演奏と相まって、透明で美しい歌声で聴衆を魅了しました