人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

ジェラール・フィリップ主演「危険な関係」「夜ごとの美女」を観る ~ セロニアス・モンク、アート・ブレイキー&ジャズメッセンジャーズのJAZZが全編に流れる

2018年11月20日 07時19分06秒 | 日記

20日(火)。わが家に来てから今日で1509日目を迎え、英国の欧州連合からの離脱をめぐり、英与党内で政府方針への反発からメイ首相の交代論が出ていることについて メイ首相は、「いまリーダーを代えても、交渉は楽にはならない。交渉が遅れ、EU離脱の遅れや失敗の恐れが出てくる」と語り牽制した というニュースを見てメイ首相の本音を代弁するモコタロです

 

     

     言うメイと思えど 今日の寒さかな  メイデー メイデー! 乱気流に巻き込まれる~

 

         

 

昨日、夕食に「カレーライス」と「生野菜サラダ」を作りました リンゴをたくさんもらったので、カレーに摺り下ろして煮込みました。娘の感想は「めっちゃ美味しい」でした

 

     

 

         

 

昨日から池袋の新文芸坐で「ジェラール・フィリップ特集」の上映が始まりました 昨日「危険な関係」と「夜ごとの美女」の2本立てを観ました

 

     

 

「危険な関係」はロジェ・ヴァディム監督・脚本による1959年フランス映画(白黒・106分。4Kデジタル・リマスター版)です

 外交官夫妻のバルモン(ジェラール・フィリップ)とジュリエット(ジャンヌ・モロー)はパリの社交界でも目立つ存在だった しかし、実際の二人は互いの情事の成果を報告し合う奇妙な夫婦関係を続けていた ジュリエットは、愛人だったアメリカ人のコートが18歳のセシル(ジャンヌ・ヴァレリー)と婚約したことを知り、嫉妬からバルモンにセシルを誘惑するように持ち掛ける セシルを追って冬のメジェーヴまで来たバルモンは、そこで貞淑な人妻マリアンヌ(アネット・ヴァディム)と出逢い、本気になってしまう。それは悲劇の始まりだった

 

     

 

夫婦揃ってインモラルな生活を続けていて、それぞれが公認しているというとんでもない映画ですが、最後に行き着く先は見えています それよりも、この映画の魅力は音楽です

セシルが恋人のダンスニーの部屋を訪ねて会話をしている時に流れるのはチャイコフスキー「大序曲1812年」です 徐々に徐々に気分が高まっていく曲想はそのシーンにピッタリです

また、ダンスパーティーのシーンを中心に全編を通して流れるのはセロ二アス・モンクのピアノと、アート・ブレイキー&ジャズメッセンジャーズによるジャズです とくに「危険な関係のブルース」は一度聴いたら忘れられない疾走感が堪りません

 

         

 

「夜ごとの美女」はルネ・クレール監督・脚本・脚色・台詞による1952年フランス映画(白黒・86分)です

田舎の貧しい音楽教師のクロード(ジェラール・フィリップ)は毎日を憂うつに暮らしていた そんな彼は「夜会の絵」に誘われるようにして夢の世界へ入っていく 夢の中の1900年の世界では、彼はオペラ座の指揮者となり、ピアノの教え子の母親に似た貴婦人に愛される 1830年の世界では兵士としてアルジェリアに赴き、カフェのレジ係りに似たアラビアの姫に愛される かと思うと、フランス革命の志士となり隣のガレージの娘シュザンヌ(マガリ・ヴァンドイユ)とそっくりな貴族の娘と駆け落ちの約束をする しかし、良い夢は続かず、ギロチンに掛けられる夢を見るようになり、眠りたくない状況に追い込まれる 友人たちのお陰で、やっとのことで悪夢から覚めたクロードのもとに、オペラ座から彼の作曲したオペラの採用通知が届く ガレージの娘の愛にも気づき クロードは夢よりも楽しい現実に狂喜する

 

     

 

この作品はミュージカル映画です 役者が歌ったりピアノで演奏されたりと 全編に音楽が溢れています    ただしクラシック音楽ではなく、ジョルジュ・ヴァン・パリスが作曲した曲ばかりですが、とても楽しい音楽でした

この映画では、主人公が夢の中で過去にタイム・スリップしますが、その昔、テレビ番組に「タイム・トンネル」という番組がありましたね 現代人がタイム・トンネルに入ると次の瞬間、過去のある時代にワープしているというSF番組でした 毎回、主人公が過去の歴史的な大事件に巻き込まれますが、そのつど「自分が手を出して 歴史を変えてはいけないのだ」と自制するシーンが印象的でした

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東京藝大「シューベルティアーデ~アナ・チュマチェンコを迎えて」を聴く~シューベルト「弦楽五重奏曲」「ヴァイオリンとピアノのためのソナタ」ほか / 東京春祭「さまよえるオランダ人」のチケットを取る

2018年11月19日 07時23分42秒 | 日記

19日(月)。昨日の朝日朝刊第1面のコラム「折々のことば」(鷲田清一氏)が 林達夫氏の評論集「歴史の暮方」の中から次の言葉を紹介していました

「『既知』の領域が拡大するにともなって、『未知』の領域が狭まってゆくどころか、逆にかえってそれは正比例的に拡大する」

これを読んで、なるほどその通りだな、クラシック音楽にも当てはまるな、と思いました 自分自身の経験を例にとると、クラシック音楽を聴き始めた頃は、メンデルスゾーンという作曲家は、「夏の夜の夢」とか「ヴァイオリン協奏曲」とか「交響曲第4番”イタリア”」ぐらいしか知らなかったので、彼はてっきりイタリア人だと思っていました それが16歳の時に作曲した「弦楽八重奏曲」を聴いてから、俄然メンデルスゾーンが好きになり、彼のことを調べるようになり 室内楽を中心に聴くようになったのです 「ピアノ三重奏曲」「ピアノ四重奏曲」「弦楽四重奏曲」「ピアノ協奏曲」・・・・と聴いていくうちに、まだ聴いたことのない名曲が数多くあることに気が付いたのです メンデルスゾーンに限らず、オーケストラの定期演奏会では自分の知らない作曲家や作品が演奏されることが少なくありません こうしたことから「知っている曲よりも知らない曲の方が多いと思った方がよい。自分の無知を自覚して、謙虚に音楽を聴こう」と思っています

ということで、わが家に来てから今日で1508日目を迎え、トランプ政権の内幕を記した「FEAR  恐怖の男」の著者、ボブ・ウッドワード氏が日本経済新聞の取材に応じ、「政府は善悪の判断を見失う機能不全状態で 大統領は現実外れの持論で政策のギャンブルをしている。ホワイトハウスは新しいカジノ(賭博場)だ」と警告した というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     ニクソン大統領を辞任に追いやった記者が言うことは説得力がある 米国はヤバい!

 

         

 

N響から会員特典CDと来年のカレンダーが届きました CDはファビオ・ルイージがN響を振ったブラームス「交響曲第4番ホ短調作品98」で、2017年4月21日にNHKホールで開かれた第1859回定期公演のライブ録音です 私はこの時ホールで聴いていたので、CDを聴きながら当時のことを思い出していました

 

     

 

     

 

一方、カレンダーはいずれの月も楽器の写真をあしらったデザインになっています

 

     

 

来年は年の途中で平成から新しい年号に変わることに伴って祝日・休日の追加が予想されることから、赤いシールが添付されていました カレンダー業界も大変ですね

 

     

 

         

 

昨日は東京・春・音楽祭2019のワーグナー・シリーズVol.10「さまよえるオランダ人」の先行発売日だったので、4月5日のチケットを取りました 1階右サイドのA席です。確か昨年も同じような席でした このシリーズは毎年聴いていますが、毎年、年間マイ・ベストテンの上位に入っています

 

     

     

 

         

 

昨日、上野の東京藝大奏楽堂で「シューベルティアーデ~アナ・チュマチェンコを迎えて」公演を聴きました 「シューベルティアーデ」とは19世紀初めのウィーンで、シューベルトの友人たちが自宅のサロンで彼の音楽を聴くために開いていたコンサートです。アナ・チュマチェンコはミュンヘン音楽演劇大学教授でヴァイオリニストです プログラムはシューベルト①ヴァイオリンとピアノのためのソナタ  ト短調D408、②ヴァイオリンと弦楽のためのロンド  イ長調D438 、③弦楽五重奏曲ハ長調D956です


     


全席自由です。1階16列12番、左ブロック右通路側を押さえました 会場はほぼ満席と言って良いでしょう。よく入りました

1曲目は「ヴァイオリンとピアノのためのソナタ  ト短調D408」です この曲はフランツ・シューベルト(1797-1828)が19歳の時、1816年に書いた3曲のヴァイオリン・ソナタのうち3番目の作品です 自筆譜には「ソナタ」とあるのですが、没後の出版譜には「ソナチネ」とあり、これが広まりました 第1楽章「アレグロ・ジュスト」、第2楽章「アンダンテ」、第3楽章「メヌエット」、第4楽章「アレグロ・モデラート」の4楽章から成ります

ヴァイオリンのアナ・チュマチェンコとピアノの占部由美子が登場し、さっそく第1楽章に入ります ほの暗いト短調のこの楽章を聴くとモーツアルト的なだ、と思います 第3楽章は明るく心地よいリズムです。第4楽章はシューベルトらしい美しいメロディーに溢れています 心地よい演奏でした

2曲目は「ヴァイオリンと弦楽のためのロンド  イ長調D438」です この曲は上の作品と同じ1816年6月に作曲されました。「アダージョ~アレグロ・ジュスト」という流れの曲です 演奏は、ソロ・ヴァイオリン=玉井菜摘、ヴァイオリン=漆原朝子、山崎貴子、ヴィオラ=川崎和憲、チェロ=河野文昭、コントラバス=中村元優です

シューベルトらしく、曲想が目まぐるしく変化していきますが、玉井菜摘のヴァイオリンは美しく、千変万化、自由自在にシューベルトの魅力を表出していきます まさに玉井菜摘オン・ステージといったところです


     


プログラム後半は「弦楽五重奏曲ハ長調D956」です この曲は1828年9月頃に作曲されました。それまでの弦楽五重奏曲は、モーツアルトに代表されるようにヴァイオリン2、ヴィオラ2、チェロ1という編成でしたが、シューベルトのこの作品はヴァイオリン2、ヴィオラ1、チェロ2という編成になっているのが特徴です

第1楽章「アレグロ・マ・ノン・トロッポ」、第2楽章「アダージョ」、第3楽章「スケルツォ:プレスト」、第4楽章「アレグレット」の4楽章から成ります

左からアナ・チュマチェンコ、玉井菜摘、中木健二、河野文昭、川崎和憲という並びで、さっそく演奏に入ります 全楽章を聴いて、一番印象に残ったのは長大な第2楽章「アダージョ」の冒頭、チュマチェンコのヴァイオリンと中木健二のチェロとの対話です 玉井、河野、川崎のアンサンブルに乗せて ヴァイオリンが語り掛け、チェロがピッツィカートで応えるシーンは感動的でした その後は、チュマチェンコを中心に目まぐるしく変化する音楽が展開します 最後の第4楽章「アレグレット」では、チュマチェンコは足で拍子をとって演奏していました

この作品は公開演奏の記録がないようで、楽譜出版はシューベルトの死後、1853年でした 31歳の短い生涯の中で、シューベルトは最晩年の傑作「弦楽五重奏曲」を公開初演できたのだろうか・・・・と思いながら5人の演奏者に拍手を送りました

 

     

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ロッシーニ「小荘厳ミサ曲」を聴く ~ 園田隆一郎 ✕ 吉澤淳・朝倉麻里亜・上ノ坊航也・川田直輝 ✕ 東京藝大声楽科合唱団 ✕ 藝大フィルハーモニア管弦楽団による渾身の演奏

2018年11月18日 07時25分51秒 | 日記

18日(日)。わが家に来てから今日で1507日目を迎え、サウジアラビア人記者ジャマル・カショギ氏が、トルコのイスタンブールにあるサウジアラビア総領事館で殺害された事件で、ワシントン・ポスト紙は16日、米中央情報局(CIA)が「サウジのムハンマド皇太子が殺害を命じた」と結論付けたと報じた というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

                実行役の5人は死刑を求刑されているけど 殺害命令を出した張本人はどうなるの? 

 

         

 

今朝の朝食は四角いスイカです ウソですけど 本当はスイカに似せた食パンです。種はチョコレートなので全体的に甘いです。娘は時々このような変な食物を買ってきてインスタ映えを狙っています

 

     

 

         

 

昨日、上野の東京藝術大学奏楽堂で藝大定期第389回演奏会「ロッシーニ 小荘厳ミサ曲」を聴きました 出演はソプラノ=吉澤淳、アルト=朝倉麻里亜、テノール=上ノ坊航也、バス=川田直輝(いずれも藝大大学院生)、管弦楽=藝大フィルハーモニア管弦楽団、合唱=東京藝大音楽学部声楽科学生、指揮=東京藝大指揮科出身の園田隆一郎です

 

     

 

全自由席です。1階12列25番、右ブロック左通路側を押さえました。会場は7~8割の入りでしょうか

藝大音楽学部声楽科の学生、総勢165人がステージ後方にスタンバイします 向かって左サイドに女声115人、右サイドに男声50人です。弦楽器と同様、声楽も女子学生が圧倒的に多いようです

オケは左から第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、その後ろにコントラバスといういつもの編成。コンマスは植村太郎です

「小荘厳ミサ曲」は、ジョアッキーノ・ロッシーニ(1792-1868)が晩年の1863年に、彼のパトロンだったフランス銀行頭取ピエ=ヴィル伯爵の邸宅が新築され、その礼拝堂で演奏するミサ曲の依頼を受けて作曲されたものです 曲名に「小」が付くのは、4人のソリスト、8人の合唱、2台のピアノ、1台のハルモニウムの伴奏で演奏できる小編成だったからとのこと ロッシーニはその後、1866年に管弦楽伴奏版を作りました。この日の演奏はその版に基づくものです

この曲は次の12曲から成ります

1.キリエ(四重唱と合唱)

2.グローリア(四重唱と合唱)

3.グラティアス(アルト、テノール、バスの三重唱)

4.ドミネ・デウス(テノール独唱)

5.クイ・トリス(ソプラノ、アルトの二重唱)

6.クオニアム(バス独唱)

7.クム・サンクト・スピリトゥ(四重唱と合唱)

8.クレド(四重唱と合唱~ソプラノ独唱~四重唱と合唱)

9.宗教的前奏曲(器楽曲、ハルモニウム※)

     ※Wikipediaによると、ハルモニウムとはフリーリードを用いて足で空気を送って発音する鍵盤楽器です。今回の演奏ではパイプオルガンを使用しています。

10.サンクトゥス(四重唱と合唱~無伴奏の合唱と重唱)

11.オー・サルタリス・ホスティア(ソプラノ独唱)

12.アニュス・デイ(アルトと合唱)

 

     

 

独唱者は4人とも素晴らしい歌唱力でした その筆頭に挙げたいのはテノールを歌った修士2年生の上ノ坊航也(うえのぼう  こうや)です。明るく軽いテノールで声に伸びがあります 「ドミネ・デウス」における独唱をはじめ無理なく自然体で歌う姿が印象的でした 同じく修士2年在学中の川田直輝は、恵まれた体格を生かした迫力あるバスで、存在感抜群でした アルトを歌った同じく修士2年の朝倉麻里亜は「アニュス・デイ」におけるソロをはじめ潤いのある歌声を聴かせてくれました ソプラノを歌った吉澤淳(よしざわ  まこと)は修士4年生ですが、「オー・サルタリス・ホスティア」における独唱をはじめ、透明感のある美しい歌声を聴かせてくれました 4人とも近い将来が楽しみです

声楽科の学生165人による混声四部合唱は素晴らしく、とくに「クレド」における合唱は迫力に満ち、「サンクトゥス」における無伴奏による合唱は感動的でした

藝大フィルハーモニア管弦楽団は、園田隆一郎のタクトの下、歌手と合唱に寄り添いしっかりとサポートをしていました

演出で良かったのは、「宗教的前奏曲」の演奏に入り管楽器とオルガンにより前奏曲が演奏されると、ステージと客席の照明が落とされ、2階正面のパイプオルガン席と指揮者だけに照明が当てられてオルガンの独奏が奏でられたことです 長田真美(賛助出演)によるオルガン独奏は素晴らしかったです 「宗教曲」と言えば「教会」を想い、「教会」と言えば「パイプオルガン」をイメージします その意味で、視覚的にも聴覚的にもオルガンにスポットライトを当てた演出は素晴らしいアイディアだと思いました

この日の演奏は、今年没後150年を迎えたロッシーニの「小荘厳ミサ曲」を”オペラ的”でなく、あくまでも”宗教曲”として真正面から取り組んだ好演奏でした

 

     

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METライブビューイングでサン=サーンス「サムソンとデリラ」を観る ~ 現在望みうる最高のデリラ=エリーナ・ガランチャに鳴りやまない拍手とブラボー / 都響2019年度定期会員Bシリーズを申し込む

2018年11月17日 08時47分15秒 | 日記

17日(土)。昨夕、現役時代の同僚のS氏、E氏、元の職場の現役社員T君、K君と5人で行きつけの西新橋・K亭で呑みました S氏、E氏との不定期開催の同窓会みたいなものですが、前回が6月22日だったので5か月ぶりです 

 職場の話を聞いて、少ない人員で仕事を回さなければならないので相変わらず大変そうだなと思いました 我々OBに出来ることは、せいぜい たまに彼らの話に耳を傾けることぐらいしかありません 彼らの給料が上がることを祈るばかりです さんざん呑んで食べた後、新橋のカラオケで歌いました 歌いながら「おいらも随分ヘタになったなぁ」と思いました こういうと以前は上手かったように聞こえそうですが

ということで、わが家に来てから今日で1506日目を迎え、サイバーセキュリティ基本法改正案を担当する桜田義孝五輪相が「パソコンを打つことはない」と国会で発言したことに対し、英ガーディアン紙は見出しで「システムエラー」と皮肉った というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

      任命した安倍首相は適材適所の布陣と胸を張ってたけど 不適材不適所だったな

 

  昨日は娘も私も外食だったので、夕食作りはお休みしました  

 

         

 

昨日は東京都交響楽団の2019-2020シーズン会員券の一般発売開始日だったので、Bシリーズ(サントリーホール)のA席を申し込みました 1階センターブロック後方の通路から2つ目です。このシリーズは全8公演のうち、マーラーが1曲(第6番)、ブルックナーが3曲(第4番、第7番、第9番)取り上げられているほか、ペンデレツキが自身のヴァイオリン協奏曲を振るプログラムも含まれています 都響の会員になるのは20数年ぶりのことです

 

     

 

         

 

昨日、新宿ピカデリーでMETライブビューイング2018‐2019シーズン、カミーユ・サン=サーンスの歌劇「サムソンとデリラ」を観ました これは今年10月20日に米ニューヨークのメトロポリタン歌劇場で上演されたオペラのライブ録画映像です キャストは、デリラ=エリーナ・ガランチャ、サムソン=ロベルト・アラーニャ、大祭司=ロラン・ナウリ、ヘブライの長老=ディミトリ・ベロセルスキー、ガザの太守アビメレク=イルヒン・アズィゾフ。管弦楽・合唱=メトロポリタン歌劇場管弦楽団・同合唱団、指揮=マーク・エルダー、演出=ダルコ・トレズニヤックです

 

     

 

舞台はパレスチナのガザ。ペリシテ人に支配されたヘブライ人が神に祈りを捧げている。神の啓示を受けたヘブライの若者で怪力のサムソンが、今こそ立ち上がるべしとヘブライ人たちを鼓舞する サムソンは、ヘブライの神を侮辱したとしてペリシテの太守アビメレクを刺し殺す。ペリシテ人たちは山に去り、ヘブライ人たちは喜ぶ とその時、神殿の扉が開く。ペリシテ人の美女デリラが出現する デリラは「春は目覚めて」を歌い、サムソンは彼女の美貌に惚れる。(以上第1幕)

ソレクの谷。デリラは自分の家の前でサムソンを待つ。デリラは「恋よ!弱い私に力を貸して」とサムソンの愛を信じる。ペリシテの神ダゴンの大祭司が登場し、サムソンを捕らえよと命じると、デリラは、自分が彼を誘惑すると宣言する。そこへやってきたサムソンはデリラの魅力に勝てず、愛していると告白する デリラは喜び、愛の言葉を口にしながらアリア「あなたの声に私の心は開く」を歌う さらに愛の証としてサムソンの怪力の秘密を探ろうとするが、彼はそれには答えない デリラの家の兵士が取り囲み、サムソンは捕らえられる。(以上第2幕)

ガザの牢獄。続いてダゴンの神殿。怪力の源である髪を切られ、盲目にされたサムソンは神に背いたことを後悔する ペリシテ人たちは勝利のバッカナール(酒宴の踊り)を踊る。サムソンはデリラにも侮辱される。自責の念にかられたサムソンは再び神に祈る。すると、柱が揺らぎ始める。ダゴンの神殿は崩れ去りみな下敷きになる。(以上第3幕)

 

     

 

主役のサムソンを演じるアラーニャとデリラを演じるガランチャは2009‐2010ライブビューイングのビゼー「カルメン」でドン・ホセとカルメンを演じた名コンビです まさに黄金のコンビ復活といったところです

イギリス出身で現在ハレ管弦楽団の音楽監督を務めているマーク・エルダーは幕間のインタビューで、METで「サムソンとデリラ」を振るのは今回が2度めで、前回の時はプラシド・ドミンゴがサムソンを歌ったと語っていました。それだけに思い入れのある作品のようです

エルダーがオーケストラピットに入り、前奏曲的な音楽が静かに始まりますが、この時のコントラバスの重低音がズッシリと心に刻まれます エルダーが語る通り、METのオケは柔軟性があり一人一人の奏者が実力者揃いです

デリラを歌ったエリーナ・ガランチャは1976年ラトヴィア生まれのメゾ・ソプラノですが、ますます円熟味が出てきて絶頂期を迎えているように見えます 第1幕終盤でサムソンを誘惑するアリア「春は目覚めて」、第2幕冒頭で歌うアリア「恋よ!弱い私に力を貸して」、第2幕第3場でサムソンから愛を告白され悦びを歌うアリア「あなたの声に私の心は開く」・・・・どれをとってもメゾの魅力にあふれた美しい歌唱です。「春は目覚めて」をこれほどゆったりしたテンポで歌うのを聴いたのは初めてです。こんな風に歌われたらサムソンでなくともすっかり魅了され、彼女の虜になってしまうでしょう また、サムソンとの二重唱、あるいは大祭司との二重唱などを歌う時、カメラがガランチャの顔をアップで映し出しますが、ものすごい目力です デリラに成り切って相手に対峙していることが目を見れば分かります

サムソンを歌ったロベルト・アラーニャは1963年パリ生まれで、今やMETを代表するテノールです METライブビューイングだけでも数多くの作品に登場しています。プロ根性に溢れた歌手で、ピーター・ゲルブ総裁の信認も篤いようです 今回のサムソンも抜群の安定感で歌い切りました

大祭司役のロラン・ナウリ(バスバリトン)も、ヘブライの長老役のディミトリ・ベロセルスキー(バス)も、ガザの太守役のアビメレク=イルヒン・アズィゾフ(バリトン)も、それぞれ魅力的でしたが、今回のオペラはタイトルロールの二人があまりにも突出していて、彼らの印象が薄くなってしまいました。運が悪かったですね

マーク・エルダー指揮メトロポリタン歌劇場管弦楽団は前述の通り、柔軟性のある素晴らしい演奏を展開し歌手陣を完璧にサポートしていました 今回特筆すべきはMET合唱指揮者D.パランボ率いる歌劇場合唱団のパフォーマンスです

第3幕でペリシテ人によって踊られるバッカナール(酒宴の踊り)は振付が素晴らしく、サン=サーンスの躍動感あふれる音楽に華を添えていました

衣裳担当ダダ・サリゲリによるデリラたちの衣装は絢爛豪華で、METならではだな、と思いました

ダルコ・トレズニヤックによる演出・舞台作りはダイナミックで、オーソドックスなスタイル(第1幕)、先進的なスタイル(第2幕)、それを混ぜ合わせたスタイル(第3幕)が見られ見ごたえのある舞台でした ただ、個人的には第3幕はもう少し大掛かりな動きがあっても良かったかな、と思いました

というのは、2001年のMET来日公演の演出を思い出したからです あの年は公演のうち次の3作品を3日連続で観ました。6月1日にヴェルディ「リゴレット」(ジェームズ・レヴァイン指揮、ラモン・ヴァルガス、ルース・アン・スウェンソン他)、2日にリヒャルト・シュトラウス「ばらの騎士」(アンドリュー・デイヴィス指揮、ルネ・フレミング、スーザン・グラハム他)、3日にサン=サーンス「サムソンとデリラ」(レヴァイン指揮、プラシド・ドミンゴ、オリガ・ボロディナ他)です この時「サムソンとデリラ」の舞台で一番印象に残っているのは、最後の神殿崩壊のシーンでした。舞台上のセットが真っ二つに割れ、倒れてくるのではないかと心配するほど迫力がありました 私は1階最後列で観ていましたが、小泉首相がすぐ上の2階中央席で観ていました あれから17年以上経ってしまったのか、と月日の流れの速さを感じます

 

     

 

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ジャナンドレア・ノセダ✕ナレク・アフナジャリャン✕N響でハイドン「チェロ協奏曲」、ラフマニノフ「交響的舞曲」他を聴く~N響11月B定期演奏会

2018年11月16日 07時41分17秒 | 日記

16日(金)。わが家に来てから今日で1505日目を迎え、大相撲九州場所5日目の15日、4連敗中の横綱稀勢の里が休場することになった というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

       モンゴル勢が活躍する相撲界で 貴重な日本人横綱だから 頑張ってほしかったなぁ

     

         

 

昨日、夕食に「豚小間ポークケチャップ」と「ブロッコリーのお浸し」を作りました 「豚小間~」は cookpad のレシピです。「ブロッコリーのお浸し」は料理本に載っていたので作りましたが、意外と美味しいです

 

     

 

         

 

昨夕、サントリーホールでNHK交響楽団の第1898回定期演奏会(Bプロ)を聴きました プログラムは①レスピーギ「リュートのための古風な舞曲とアリア  第1組曲」、②ハイドン「チェロ協奏曲第1番ハ長調」、③ラフマニノフ「交響的舞曲作品45」です ②のチェロ独奏はナレク・アフナジャリャン、指揮はジャナンドレア・ノセダです

ノセダは1964年ミラノ生まれ。BBCフィル、マリンスキー劇場の首席指揮者等を歴任し、現在ワシントン・ナショナル響の音楽監督を務めています

オケは左から第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、その後ろにコントラバスという編成です。中央にはチェンバロがスタンバイしています。コンマスはマロこと篠崎史紀氏です

1曲目はオットリーノ・レスピーギ(1879-1936)の「リュートのための古風な舞曲とアリア  第1組曲」です この曲は、イタリアの音楽学者オスカール・キレゾッティが19世紀末に編纂したリュート曲集から16世紀の4曲を選び、1917年に管弦楽に編曲した作品です 第1曲「オルランド伯爵」(シモーネ・モリナーロの1599年の作品)、第2曲「ガイヤルド舞曲」(ヴィンツェンツォ・ガリレーイの作)、第3曲「ヴィラネル」(作曲者不詳)、第4曲「パッサメッゾ舞曲と仮面舞踏会」(同)の4曲から成ります

かなり背の高いノセダが指揮台に上がり第1曲の演奏に入ります 彼はタクトを持ちません。最初の音が会場に響いた時、何と抑制された優しく柔らかな響きなんだろうと思いました その時 私が感じたのは「元は16世紀のリュートのための音楽です。当時の演奏会場は小さかったはずです。したがって、大きな音は出しません。皆さん、耳を傾けて16世紀の響きを感じ取ってください」というノセダのメッセージです   それは基本的に第4曲まで変わりません。オーボエとチェロの独奏が素晴らしかったです

2曲目はハイドン「チェロ協奏曲第1番ハ長調」です  この曲はフランツ・ヨーゼフ・ハイドン(1732‐1809)が1761~1765年頃に作曲したと考えられています   第1楽章「モデラート」、第2楽章「アダージョ」、第3楽章「終曲:アレグロ・モルト」の3楽章から成ります

1988年アルメニア生まれ、2011年のチャイコフスキー国際コンクールのチェロ部門優勝者ナレク・アフナジャリャンがノセダとともに登場し配置に着きます   チェロ協奏曲と言えば、このハイドンかドヴォルザークを思い浮かべるほど有名な曲ですが、ハイドンの作品は天真爛漫の明るさがあって好きです

ノセダの指揮で第1楽章に入りますが、アフナジャリャンの演奏には度肝を抜かれました 技巧的なパッセージも楽々と弾いているように見え、演奏を楽しんでいるようにさえ見えます この楽章終盤のカデンツァは唖然とするほど見事でした 第2楽章は一転、チェロの深みのある音色を生かした叙情的な演奏でした そして第3楽章は独奏チェロとオケのスピード感あふれる丁々発止のやり取りが楽しく聴けました ノセダはあくまでもチェロを主役として伴奏に徹し、終始控えめな演奏を心がけているように見えました

会場いっぱいの拍手に応え、アフナジャリャンはカタルーニャ民謡(カザルス編)「鳥の歌」をアンコールに演奏し聴衆のクールダウンを図りました この曲はバッハの「無伴奏チェロ組曲」を世に広めたパブロ・カザルス(当時94歳)が1971年10月24日に、ニューヨークの国連本部において「私の生まれた故郷カタルーニャでは、鳥はピース、ピースと鳴くのです」と言って演奏したことで有名になりました


     


プログラム後半はラフマニノフの「交響的舞曲作品45」です この曲はセルゲイ・ラフマニノフ(1873-1943)が1940年夏に作曲した作品です ミハイル・フォーキンの振付でバレエ化する意図で作曲されましたが、フォーキンが死去したため意図は実現せず、音楽だけが残りました 第1楽章「ノン・アレグロ」、第2楽章「アンダンテ・コン・モート(テンポ・ディ・ヴァルス)」、第3楽章「レント・アッサイ~アレグロ・ヴィヴァーチェ」の3楽章から成ります

さすがのノセダもラフマニノフはタクトを使用するようです 第1楽章は冒頭から行進曲のような舞曲が奏でられますが、中間部のオーボエ、クラリネット、そしてアルト・サクソフォンによるアンサンブルが印象的です 第2楽章はワルツですが、フランス風ではなくロシア風と言えばいいのか、ちょっと不気味な感じもします 第3楽章では、ベルリオーズの幻想交響曲でも使われた「怒りの日のテーマ」が随所に出てきます コーダの畳みかけは圧巻でした 全体を通じて感じたのは、前半の2曲では抑制された演奏に徹していたのが、後半のラフマニノフではそこから解放されたかのようにエネルギーを一気に爆発させていたということ。しかし、オケがどんなに大きな音になっても濁らず、クリアな演奏になっていたということです

会場いっぱいの拍手とブラボーにカーテンコールが繰り返され、最後に第1ヴァイオリンの宇根京子さんからノセダに花束が贈呈されました この日が今年の客員の最終日ということで、N響からノセダへのお礼と来年もよろしくという気持ちの表れでしょう ノセダの笑顔が忘れられません 次は首席客員指揮者として登場することを期待します

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東京フィル「北区『第九』演奏会」&東京ニューシティ管弦楽団「ニューイヤーコンサート」のチケットを取る / 中山七里著「作家刑事毒島」を読む~ミステリーの形を借りて出版業界の内幕を暴いた禁断の書

2018年11月15日 07時20分40秒 | 日記

15日(木)。昨日、新宿ピカデリーでMETライブビューイングのサン・サーンス「サムソンとデリラ」の座席指定を取りました 16日(金)午前10時上映の部です。いつも通り、後方の通路側を押さえました

 

     

 

ということで、わが家に来てから1504日目を迎え、トランプ米大統領のメラニア夫人のオフィスは13日、ホワイトハウスの国家安全保障担当の副補佐官について、「ホワイトハウスで働く栄誉に値しない」とし解任を求めた というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

      大統領夫人にもそんな権限があるとは初めて耳にしたよ  まさかフェイクじゃ?

 

         

 

昨日、夕食に「いり鶏」と「タラと白菜とシメジと人参のプチ鍋」を作りました 「いり鶏」は久しぶりに作りましたが、美味しくできました

 

     

 

         

 

チケットを2枚取りました 会場はいずれも自宅から一番近いコンサートホール「北とぴあ  さくらホール」です

1枚目は12月8日(土)午後3時からの「北区 第九演奏会」です 出演はソプラノ=盛田麻央、メゾソプラノ=相田麻純、テノール=与儀巧、バリトン=加来徹、管弦楽=東京フィル、合唱=北区第九合唱団、指揮=飯森範親です 実はこの日の同じ時間帯に東京芸術劇場で開かれる「音楽大学フェスティバル2018」の東京音大と東邦音大のコンサート・チケットを持っているのですが、今年は一度も「第九」を聴いていないので、こちらを聴くことにしました

 

     

 

2枚目は来年1月6日(日)午後2時から開かれる東京ニューシティ管弦楽団の「ニューイヤーコンサート」です ヨハン・シュトラウスやヨーゼフ・シュトラウスのワルツやポルカの演奏のほか、プッチーニのオペラのアリアなどが歌われます ソプラノ独唱は鵜木絵里、指揮は内藤彰です

 

     

 

         

 

中山七里著「作家刑事毒島」(幻冬舎文庫)を読み終わりました 中山七里の作品は文庫化されるたびに購入し、当ブログでご紹介してきました。念のため簡単な略歴をご紹介すると、中山氏は1961年岐阜県生まれ。「さよならドビュッシー」で第8回「このミステリーがすごい!」大賞を受賞し2010年にデビュー、「おやすみラフマニノフ」「いつまでもショパン」「どこかでベートーヴェン」などの作曲家シリーズ(?)を発表する一方で、「贖罪の奏鳴曲」「追想の夜想曲」「恩讐の鎮魂曲」などの楽曲シリーズ(?)を発表しています

 

     

 

この本は、先日 当ブログでご紹介した中山七里氏のエッセイ「中山七転八倒」の中に何度か出てきた、ミステリーの形を借りて出版業界の内実を暴いた”禁断の書”です  ミステリー作家・知念実希人氏が巻末の「解説」に書いているとおり、この本では「デビューできずに荒れる作家志望者、売れなくて鬱々とする新人作家、作家をゴミのように使い捨てる編集者、原作へのリスペクトが欠如した映像プロデューサーなど、出版業界の負の側面を凝縮したような人物たちにまつわる殺人事件」が起こります 知念氏は さらに「ある一部の人々にとっては、本作は心穏やかには読めないはずだ。そう、作家志望者、そして新人作家たちだ   きっと彼らは登場人物に自分の姿を投影し、毒島(ぶすじま)の吐く猛毒に苦しむことになるだろう。しかし、そんな人々にこそ、ぜひ本作を読んでもらいたい」と書いています

自信のない新人作家の方々は、この文章にほだされてホイホイと読まない方がいいと思います。引きこもりになること必至ですから

なぜ中山氏は「文学賞を受賞して2作目が書けない新人作家」や「売れないのは編集者のせいだ、と責任転嫁する作家たち」を 二度と立ち上がれないように毒舌は吐いてやっつけるのか、と言えば 中山氏自身が常に10本以上の連載を抱えて 栄養ドリンクをがぶ飲みし、徹夜をしながら毎月、原稿用紙約700枚以上を書き上げるほど超人的な作家生活を送っているからです 誰もが認める実力と、それを発揮する体力と、いつ執筆依頼が来なくなるか分からないという危機感がなければ不可能です。彼には新人作家のようにぼやいている暇はないのです

ところで、主人公の毒島の仕事場は神田神保町にあるという設定になっています 「ひときわ古びた外観の天ぷら屋の2階がそうだと聞かされた。店先には大型パネルが立てかけてあり、それによると以前は江戸川乱歩や井伏鱒二が行きつけにしていた店らしい」と書かれています この店は三省堂書店近くのスズラン通りにある天ぷら屋がモデルに違いありません 中山氏も立ち寄って天丼でも食べたでしょうか

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「ファントム・スレッド」 ~ 1950年代のファッション界を巡る異常な恋の物語、 「モリーズ・ゲーム」 ~ ポーカー・ゲームの女主宰者の成功と失敗 ー を観る:ギンレイホール

2018年11月14日 07時20分46秒 | 日記

14日(水)。わが家に来てから今日で1503日目を迎え、米戦略国際問題研究所は12日、北朝鮮が公表していないミサイル施設12か所を特定したとする報告書を発表した というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     これだから北朝鮮は信用できないんだよ ただ何があっても核は手放さないと思う

 

         

 

昨日、夕食に「舞茸と豚肉の卵炒め」と「白菜、椎茸、人参のスープ」を作りました 「舞茸~」は新聞の「料理メモ」を見て作りました。簡単で美味しいです

 

     

 

         

 

昨日、神楽坂のギンレイホールで「ファントム・スレッド」と「モリーズ・ゲーム」の2本立てを観ました

「ファントム・スレッド」はポール・トーマス・アンダーソン監督による2017年アメリカ映画(130分)です

舞台は1950年代のロンドン。英国ファッション界の中心に君臨し、社交界から脚光を浴びる天才的な仕立て屋レイノルズ(ダニエル・デイ=ルイス)は、ある日 立ち寄ったレストランで若いウェイトレスのアルマ(ヴィッキー・クリープス)を見初め、モデルとして迎え入れる 彼はアルマのモデルとしての”完璧な身体”を愛し、彼女をモデルに昼夜を問わず取り憑かれたようにドレスを作り続ける しかし、自分の気持ちを無視して無神経な態度を繰り返すレイノルズに不満を募らせたアルマは、ある日、朝食に毒茸を混ぜ込む レイノルズは体調不良になり、アルマは献身的に介抱する。アルマにとってその時だけが心安らぐ時間だった しかし、レイノルズは体調が回復するとまた自己中心的で無神経な態度が復活するので、アルマは再び毒茸料理を食べさせる アルマはこうすることによってレイノルズの愛を独占するようになる

 

     

 

「ファントム・スレッド」というのは、東ロンドンのお針子たちが、王族や貴族の衣装を長時間縫い続け、仕事場の外でも見えない糸を縫い続けたといいう逸話からきているそうです レイノルズはアルマを見て一瞬で恋に陥り、見えない糸に導かれて やがて結婚に至るわけですが、アルマにとってレイノルズは仕事中毒の神経質な年上男でした   それでも最高のドレスメーカーであるレイノルズを尊敬し愛する彼女は 彼の愛情を独占したい一心で、体調不良にはなるものの決して死には至らない毒茸を食べさせたのです 二人を結ぶ見えない糸は毒茸だったのかもしれません

この映画には、数多くのオートクチュールが出てきます 2017年度のアカデミー賞の衣装デザイン賞を受賞した作品だけあって、美しいドレスが次から次へと紹介されるので、女性には魅力がある映画だと思います

 

         

 

「モリーズ・ゲーム」はアーロン・ソーキン監督による2017年アメリカ映画(140分)です

頭脳明晰でモーグルの五輪候補だったモリ―(ジェシカ・チャステイン)は最終予選で怪我を負いアスリートの道を断念する ロースクール進学までの1年間の休暇中、ロサンゼルスにやってきた彼女は、ウェイトレスのバイトで知り合った人たちの繋がりから、セレブの集まるポーカー・ゲームの運営アシスタントを頼まれる その才覚で26歳にして自分のゲームルームを開設するまでに至ったモリ―だったが、10年後、FBIに逮捕されてしまう モリ―を担当する弁護士は彼女と打ち合わせをするうちに彼女の意外な素顔を知る そして彼女に判決が下る

 

     

 

モリ―を演じたジェシカ・チャステインと言えば、このブログでもご紹介した「女神の見えざる手」で花形ロビイストを演じて 強い印象を残した女優です 華やかな社交界で活躍するキャリア・ウーマン的な役柄がピッタリの女性です 法律のことは詳しくないのですが、アメリカでは、手数料を取らなければポーカー・ゲームを主宰しても違法にならないようです この映画でも、モリ―は客から手数料は取らずチップしか受け取りませんでした(最初のうちは)。ただ、その額がとんでもない金額なだけです

裁判で、ポーカー・ゲームの顧客リストを提出するように言われますが、モリ―は 顧客たちの家族や関係者への影響を慮り拒否します そして自らの有罪を認めるのですが、裁判長の判決がふるっています。「この裁判所の近くにウォール街がありますが、あそこでやられていることから比べれば、被告人の行為など大したことはありあません」として刑を大幅に減刑するのです。これを観たアメリカ人の反応が見たいものです

しかし、ギャンブルは怖いですね。この映画でも、大負けすると それを取り戻そうと借金して また勝負に挑んで すっからかんになる男が出てきますが、ギャンブルはそういう風に出来ているのです

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橋本忍著「複眼の映像 私と黒澤明」を読む~「七人の侍」と「新世界」 / 中山七里「作家刑事毒島」、アンソニー・ホロヴィッツ「カササギ殺人事件(上・下)」、柚月裕子「ウツボカズラの甘い息」他を買う

2018年11月13日 07時26分23秒 | 日記

13日(火)。わが家に来てから今日で1502日目を迎え、パリで開かれた第一次世界大戦の終結100周年記念式典に向かっていたトランプ米大統領の車列に、上半身裸の女性が近づいて護衛に取り押さえられる一幕があった というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

      その女性はセミの脱皮を真似しただけだと思うよ セミヌードとか言っちゃって

 

         

 

昨日、夕食に「ハッシュドビーフ」と「生野菜サラダ」を作りました   ハッシュドビーフにはやっぱりワインですね

 

     

 

         

 

目標達成のため本を5冊買いました 1冊目は中山七里著「作家刑事毒島」(幻冬舎文庫)です。これは先日ご紹介した中山氏の「中山七転八倒」の中に出てきた、出版業界をブラックユーモアに満ちた文章で綴った(一応)ミステリーです

 

     

 

2冊目と3冊目はアンソニー・ホロヴィッツ著「カササギ殺人事件(上・下)」(創元推理文庫)です これは新聞の書評欄で激賞されていて、一時入手困難だったミステリーです

 

     

 

     

 

4冊目は柚月裕子著「ウツボカズラの甘い息」(幻冬舎文庫)です 柚月裕子の作品は文庫化するたびにこのブログでご紹介してきましたが、期待を裏切らない本格ミステリー間違いなしです

 

     

 

5冊目は荻原浩著「ギブ・ミー・ア・チャンス」(文春文庫)です 荻原浩の作品はどれもがユーモアとペーソスに満ちています。これも例外ではなさそうです

 

     

 

いずれも読み終わり次第、このブログでご紹介していきます。スピードアップしないと目標達成が危ういので、精力的に読んでいきます

 

         

 

橋本忍著「複眼の映像 私と黒澤明」(文春文庫)を読み終わりました 橋本忍氏は大正7(1918)年、兵庫県神崎郡市川町生まれ。鉄道教習所を経て応召し 入隊中に結核にかかるが、療養中にシナリオに初めて接し、伊丹万作の唯一の脚本の弟子となる    昭和25年、「羅生門」を監督する黒澤明との共同脚本でデビュー   二人を核とした黒澤組は、小國英雄らが参加した脚本で「生きる」(27年)、「七人の侍」(29年)をはじめ、数々の名作を生み出した   48年には橋本プロダクションを設立し、「砂の器」「八甲田山」などの名作を世に送り出した。今年7月19日没

 

     

 

とにかく面白い本です 黒澤映画が好きな人にはたまらない映画製作に関するエピソード満載の本です 次から次へと面白い創作秘話が出てくるので、どれをご紹介しようかと迷うのですが、この本の中に一つだけ クラシック音楽が映画製作のキッカケとして出てくるエピソードがあるので、それをご紹介することにします それは、こんな文章で始まります

黒澤さんが読み終わったノートを机の上に置き、原稿用紙を前にしたまま私へ顔を向けていた。なにかが気になるらしく、両腕を組み、少し眉の根を寄せている

「今度のホンだけど・・・橋本君は、ドボルザークのニューワールドって、知ってる?」

「ええ、レコードも持ってますし、好きな曲だから時々聴いています

「その音楽のニューワールドを原作にしたいんだけど・・・この意味わかる?」

「分かります

私はズケッと一言で言い切った。黒澤さんは息をつめたまま私の顔を覗き込むようにしている

「それはこれから書く、ホンの質感・・・ホンを読む時に感じる高揚感ともいえる、音感に似たリズムでしょう

「そうだよ、そう、そう

「出だしは、第1楽章をそのままでいいし、第2楽章の黒人霊歌も、百姓達の苦悩には効果的に使える

黒澤さんが頷いた なんだかホッとした感じである

「それから軽快で、ひどく歯切れのいい第3楽章、これは前半のどこか調子のいいところだ 特にラスト、壮大なラスト・・・・最後の決戦ですよね。ラ-シ、ド、シ、ララ の、フレーズの繰り返しで、波のうねりのように、どこまでもどこまでも、巨大に盛り上がっていく第4楽章・・・・最後の決戦はこれ以外にないですよ

黒澤さんは大きく二、三度頷いた。心の底からの安堵が顔いっぱいの笑顔になって広がる

「よかった・・・じゃ、橋本君、この『七人の侍』は、ニュワールドを原作にしてやってみようよ

このようにして二人は、ドヴォルザークの「交響曲第9番ホ短調作品95『新世界より』」を映画の基本コンセプトとすることで意気投合し、世界の映画史に残る名作「七人の侍」を製作したのでした まさかドヴォルザークの「新世界より」が「七人の侍」に繋がっているとは夢にも思いませんでした

数々の名作を世に送り出した橋本氏は「エピローグ」の中で、「第2の黒澤明」を名乗るような後世の人たちへの警告を述べています

「切れのいい絵や、ちょっと気取ったコマシャクレタ絵は人目を引き目立つが、それはカメラマンの腕次第でもあり、画面の一部の現象だけでは黒澤明とはいえない 黒澤明の条件は、先ず優れた感覚と才能があり、高水準の映画脚本が書ける人であること。と同時に周辺に同じ高水準のライターが3、4名実在し、作品ごとにチームを組み、そのうちの一人もしくは二人と、同じ机の上で、同じシーンをどちらが上手か熾烈な競争をして書く、特殊な執筆方法で作り上げた、複眼の眼による完成度の高い共同脚本を現場に持ち込むのが基本条件である

「口で言えば簡単だが、これらのクリアは容易ではない しかし、困難や障害を乗り越える、共同著作者相互間の信頼感と連帯感さえ強靭なら、これの達成は可能である しかし、この基本的なものをなんとか克服したとしても、まだ足りないものがある。それは当の本人が『持ち唄』を持っているかどうかである 『持ち唄』はその人特有の語り口とか、話の抑揚みたいなもので、誰にでもある、その人自身が持って生まれた本性のようなものだ しかし、問題はその『持ち唄』が、黒澤明の『持ち唄』ほど、人を惹きつけ、魅了し、興奮させ、陶酔させるものがあるかどうかである

超一流の映画監督や脚本家になるには、極めて高いハードルをいくつもクリアしなければならないようです

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「メトロポリス・クラシックス」で梅田俊明 ✕ 東京都交響楽団により チャイコフスキー「交響曲第5番」、「白鳥の湖」&「くるみ割り人形」抜粋ほかを聴く ~ 私のコンサートの聴き方について

2018年11月12日 07時23分05秒 | 日記

12日(月)。わが家に来てから今日で1501日目を迎え、トランプ米大統領が フランスのベローで開催された第一次世界大戦における米兵の追悼式典への出席を 雨のためキャンセルしたことに対し批判の声が数多く上がっている というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     トランプにとって死者は 自分を支持してくれるわけじゃないから 無価値なんだろ

 

         

 

昨日、池袋の東京芸術劇場コンサートホールで「メトロポリス・クラシックス チャイコフスキー 華麗なる珠玉のメロディ」公演を聴きました この公演は公益財団法人メトロ文化財団の主催によるもので 抽選で2,000人が招待されました オール・チャイコフスキー・プログラムで①歌劇「エフゲニー・オネーギン」より「ポロネーズ」、②バレエ組曲「白鳥の湖」より「情景」「四羽の白鳥の踊り」、③バレエ組曲「くるみ割り人形」より「花のワルツ」、④交響曲第5番ホ短調作品64です 管弦楽は東京都交響楽団、指揮は梅田俊明です

 

     

 

事前に招待券を座席指定券に引き換えるのですが、正午から受付開始のところを12時45分頃に会場に着きました   私は比較的後方の通路側が希望なので、「通路側、通路側」と念じて受付に招待券を出すと、何と1階D列12番、かなり前方ですが左ブロック右通路側のチケットが手に入りました こういうのを念力というのか、根性というのか、最初から決まっていたに過ぎないとういうのか、とにかく通路側はラッキーでした 午後2時開演なので喫茶店で本を読んで過ごし、30分前に再度会場に行きました

会場は招待客でほぼ満席です

オケは左から第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、その後ろにコントラバスという編成。コンマスは山本知重氏です 第2ヴァイオリン首席・遠藤香奈子さんは降り番のようです 自席が前から4列目と、あまりにも前過ぎるので 管楽器奏者はほとんど見えません   実はこういう状態は私にとっては致命的です。これについては後で説明します

梅田俊明氏が登場、さっそく1曲目の歌劇「エフゲニー・オネーギン」より「ポロネーズ」の演奏に入ります   歌劇「エフゲニー・オネーギン」はピョートル・イリイチ・チャイコフスキー(1840‐1893)がロシアのプーシキンの小説をもとに1877年に完成させた作品です   若い貴族エフゲニー・オネーギンは、地主の娘タチアーナから恋心を打ち明けられますが、冷たくあしらいます 放浪の旅に出た彼が数年後に戻り、侯爵廷で開かれた舞踏会に出席すると、侯爵夫人となっていたタチアーナと再会することになります。彼は彼女への思いを告げますが、タチアーナは自らの立場を考え拒否します 「ポロネーズ」は、その舞踏会のシーンで流れる華麗で勇壮な音楽です

冒頭の金管によるファンファーレが素晴らしい それに次いで演奏される躍動感あふれるポロネーズがまた素晴らしい メロディーメーカー、チャイコフスキーの面目躍如といったところです

次にバレエ組曲「白鳥の湖」から有名な「情景」が演奏されます 「白鳥の湖」は1875年~76年に作曲されました。ストーリーは「悪魔によって白鳥に変えられたオデット姫と侍女たちは、夜の間だけ人間の姿にかえる。王子ジークフリートの純愛によってオデットは人間に戻るが、舞踏会で悪魔が邪魔に入り、愛を失ったオデットは湖に戻り、後を追ったジークフリートとともに死ぬ」というものです 「情景」はオデットが人間の姿に戻る様子を描いた音楽です 聴いていると ほんの数回しか観たことのないバレエのシーンが目に浮かんできました

次に同じ「白鳥の湖」から第2場で踊られる「四羽の白鳥の踊り」が演奏されます   これはオデットの侍女たちのうち 小さな白鳥に変えられた四人が連なって踊る様子を描いた音楽です   私は冒頭のファゴットの演奏が大好きで、何度聴いてもワクワクします  「四羽の白鳥の踊り」で思い出すことがあります。高校時代のことですから、今からン十年前のことです  多分、芸術鑑賞活動の一環として、どこかのバレエ団を招いて、高校の体育館で有名なバレエのシーンがいくつか踊られることになったのです   その時、この「四羽~」も踊られたのですが、テープの音楽に合わせて舞台袖から4人揃って出てくる時に タイミングが合わず、一度引っ込んでやり直しになったのです   この時、バレエ団でも失敗することがあるんだ~と思いました。もっと印象に残ったのは、高校の近くの小さな食堂に数多くのカツ丼の注文が入ったのですが、話を聞いたら、それはバレエ団の人たちの昼食だったのです この時、「へえ~ バレリーナもカツ丼を食べるんだ~」と驚きました 田舎の高校生は、てっきりバレエを踊る人たちは おフランス料理でも食べて生きているのだと思っていたのです   今となっては懐かしい思い出です

次に、バレエ組曲「くるみ割り人形」から「花のワルツ」が演奏されました 「くるみ割り人形」は1891年~92年に作曲されました。ストーリーは「クララがクリスマス・イヴに買ってもらったくるみ割り人形がこわれる。夢の中で人形は王子の姿に変わって、彼女を王女としてお菓子の国の魔法の宮殿に誘う」というものです 「花のワルツ」はお菓子の精たちが楽しい踊りを披露した後、みんなで手に手を取って踊るシーンで演奏される音楽です

冒頭のハープによる優しく流れるようなメロディーを聴くと、夢の世界へ連れていかれるような気持ちになります 続いて華麗なワルツが奏でられますが、ここでもメロディーメーカー、チャイコフスキーが前面に出ます

 

     


休憩後は「交響曲第5番ホ短調作品64」です この曲は1888年に完成した4つの楽章から成る作品です この曲の大きな特徴は第1楽章冒頭に現れる「運命の主題」がすべての楽章に様々な形で用いられ、全曲に統一性がもたらされていることです

第1楽章は冒頭、低弦を背景にクラリネットが「運命の主題」を重々しく奏でるところが印象的です 第2楽章は独奏ホルンが哀愁に満ちた旋律を奏でますが、このホルンが素晴らしい 第3楽章にスケルツォでなくワルツを持ってくるところは いかにもチャイコフスキーです 「花のワルツ」に負けないくらい魅力あふれるワルツです そして、第4楽章に入ると、第1楽章冒頭で重々しく響いていた「運命の主題」が、一転して「勝利のテーマ」に変貌します 同じ主題を使って「暗」から「明」へと転換させる手腕には驚きを隠せません

アンコールは「くるみ割り人形」から「トレパーク」でした

お気づきの方もいらっしゃると思いますが、演奏はどうだったかについて、上にほとんど書いていません はっきり言って、思うように書けないのです。それは座席の位置が原因です。冒頭に書いた通り、「座席があまりにも前過ぎると、管楽器奏者はほとんど見えない。実はこういう状態は私にとっては致命的」なのです

私のコンサートの聴き方は、出来るだけ多くの演奏者が視野に入る座席で、どの奏者からどの音が出ているかを目で確かめながら耳で聴くという方法を取っています(これは、多くの人がやっていることだと思いますが)。したがって、目を閉じて演奏を聴くことはまずありません 座席としては前方は避け、真ん中よりも後方の 出来るだけセンターブロックに近い席を確保することが多くなります   この日のように、せっかく通路側を取れたのに 前過ぎて管楽器奏者が見えないままで演奏を聴くと、音としては耳に入っていても、音楽としては全体像を把握できていないと感じ 不安になってくるのです

これは私だけの特殊な問題なのかも知れませんが、会場のどこで聴くかというのは誰にとっても重要な要素ではないかと思います

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ジョナサン・ノット✕神尾真由子✕東響でストラヴィンスキー「ヴァイオリン協奏曲」、ベートーヴェン「交響曲第4番」他を聴く~東響オペラシティシリーズ第107回演奏会

2018年11月11日 08時16分18秒 | 日記

11日(日)。わが家に来てから今日で記念すべき1500日目を迎え、トランプ米大統領は9日、米CNNテレビの記者のホワイトハウスへの入庁許可証を失効させたことに関連し「記者はホワイトハウスや大統領に敬意を払うべきだ」と述べた というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     トランプは自分が敬意に値する大統領だと思ってるらしいけど  うぬぼれじゃね?

 

         

 

昨日、東京オペラシティコンサートホールで東京交響楽団のオペラシティシリーズ第107回演奏会を聴きました プログラムは①モーツアルト「セレナード第13番ト長調K.525”アイネ・クライネ・ナハトムジーク”」、②ストラヴィンスキー「ヴァイオリン協奏曲二調」、③ベートーヴェン「交響曲第4番変ロ長調  作品60」です ②のヴァイオリン独奏は神尾真由子、指揮はジョナサン・ノットです

ジョナサン・ノットという指揮者はプログラミングに意味を持たせることで定評があります が、今回のプログラムを見て、これはどういう組み合わせだろうか❓と一瞬疑問が湧きました。2つの古典派の作品の間にストラヴィンスキーが挟まれています。それは奥田佳通氏によるプログラムノートを読んで疑問が氷解しました ストラヴィンスキーは時代によって作風を大きく変化させていますが、このヴァイオリン協奏曲は彼が、秩序や様式への回帰を目指した「新古典主義」に傾倒した時期に書かれた作品なのです したがって、この日のプログラミングのテーマは「古典」といういことになるわけです

 

     

 

この日は3日(土)の定期演奏会に次いでジョナサン・ノットがタクトを取るからなのか、ソリストの神尾真由子に魅力があるのか、プログラミングが良いせいなのか、会場はいつもより多くの聴衆で埋まっています

1曲目はモーツアルト「セレナード第13番ト長調K.525”アイネ・クライネ・ナハトムジーク”」です この曲はウォルフガング・アマデウス・モーツァルト(1756‐1791)が1787年8月10日に完成した作品です 「モーツアルトで知ってる曲を口ずさんでごらん」と言われて 多くの人が口ずさむのがこの曲の第1楽章のメロディーではないかと思うほど有名な曲ですが、どういう目的で、誰のために作曲されたのかはっきりしていません また、モーツアルト自身による作品目録にはメヌエット楽章が2つあり5楽章から構成されていたことが分かっています   しかし、モーツアルトの没後、自筆譜がドイツの音楽出版業者アンドレの手に渡った時には当初2番目に置かれていたメヌエット楽章のページはなく全4楽章だったといいます   謎に満ちた作品です。第1楽章「アレグロ」、第2楽章「ロマンツェ:アンダンテ」、第3楽章「メヌエット:アレグレット」、第4楽章「ロンド:アレグロ」の4楽章から成ります

古典派の作品の演奏ということを意識して、オケは弦楽器のみ総勢21名による小編成です ヴァイオリン・セクションを左右に分ける対向配置をとります。コンマスは水谷晃です

ノットが登場して早速演奏に入りますが、これほどの完璧な構成の作品は 演奏に特色を出すのが難しいようで、テンポ設定も音のバランスも極めてオーソドックスでした

蛇足ですが、当ブログでもいくつかの作品をご紹介した作家・伊坂幸太郎の小説に「アイネ クライネ ナハトムジーク」というのがありましたね

管打楽器が入り、弦楽器も増員されフル・オーケストラ態勢になります

2曲目はストラヴィンスキー「ヴァイオリン協奏曲二調」です この曲はイーゴリ・ストラヴィンスキー(1882‐1971)が、1931年にポーランド出身のヴァイオリニスト、サミュエル・ドゥシュキンのために作曲した作品です   第1楽章「トッカータ」、第2楽章「アリアⅠ」、第3楽章「アリアⅡ」、第4楽章「カプリッチョ」の4楽章から成ります   各楽章の冒頭は共通のモットー(短い楽句)が演奏されますが、とても強いインパクトがあります

マリンブルーの衣装を身にまとった神尾真由子がノットとともに登場しスタンバイします 神尾は2007年の第13回チャイコフスキー国際コンクールで優勝して以来、内外のオーケストラと多くの協演を果たしています

ノットのタクトで第1楽章が開始されます。印象としてはストラヴィンスキーの「ペトルーシュカ」のような賑やかで華やいだ感じを受けますが、響きは明快で様式美を感じます この曲で一番印象深いのは最後の第4楽章です。独奏ヴァイオリンが速いパッセージで様々に音色を変化させながら、オーケストラとの丁々発止のやり取りを展開します この楽章における神尾真由子とノット✕東響の協演はほとんど”饗宴”と言えるような楽しい演奏でした

カーテンコールが繰り返されましたが、神尾はアンコールには応えませんでした。見識です


     


プログラム後半はベートーヴェン「交響曲第4番変ロ長調  作品60」です この曲はルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン(1770-1827)が1806年の夏から秋にかけて作曲した作品です 第1楽章「アダージョ~アレグロ・ヴィヴァーチェ」、第2楽章「アダージョ」、第3楽章「アレグロ・モルト・エ・ヴィヴァーチェ」、第4楽章「アレグロ・マ・ノン・トロッポ」の4楽章から成ります

ノットのタクトで第1楽章がゆったりとしたテンポで開始されます アレグロに転換してからのノットは、切れ味の鋭い日本刀で青竹を一気に切り落とすような集中力に満ちた指揮を見せ、極めて速いテンポで東響の面々をグングン引っ張っていきます 弦楽セクションを見ていると、皆 必死になってついていく様子が窺えます 第2楽章はメロディーが美しい 第3楽章を経て、第4楽章に入ると再びノットはアクセルを踏み込みます きびきびした指揮でオケの楽員を駆り立てます。実にベートーヴェンらしいベートーヴェンです

ジョナサン・ノットというと、過去に「アンサンブル・アンテルコンタンポラン」の音楽監督を歴任しているところから、現代音楽の演奏が特に良いと言う人が少なくないようですが、私はベートーヴェンやブラームスが断然良いと思います

会場いっぱいの拍手とブラボーにカーテンコールが繰り返されます これだけの聴衆を集めるのは、やっぱりノット人気によるところが大きいのかな、と思いながら帰途に着きました

【追記】

文中、プログラムノートの執筆者名を「奥田佳通氏」と表記しましたが、「奥田佳道氏」の誤りでした。奥田様にお詫びを申し上げますとともに、ここに訂正させていただきます

コメント (3)
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