人件費が医業利益率を圧迫との分析
福祉医療機構レポート
厚生政策情報センター 2015年8月12日(水) 配信
■医療法人の経営状況について(平成20年度―平成25年度)(8/7)《福祉医療機構》
独立行政法人 福祉医療機構(WAM)は8月7日、2008年度から2013年度における「医療法人の経営状況」に関するリサーチレポート(p1参照)(p2~p11参照)を発表した。融資先の決算書にもとづいて経年分析をしている。
その結果、本業からの利益を得る力を示す「医業収益対医業利益率(医業利益率 %=医業利益/医業収益×100)」は、2013年度に3.1%と、調査期間6年間で最低となり、厳しい経営環境が浮かび上がった。この調査の対象となった医療法人数は、1,119~1,544(p3参照)。
医業利益率は、2008年度4.1%、2009年度4.8%、2010年度5.0%と上昇傾向にあったものの、それ以降は、2011年度4.6%、2012年度4.0%、2013年度3.1%と下落している。リサーチレポートの著者で、WAMの経営サポートセンター・リサーチグループの浅野俊主査は、人件費率と労働分配率の上昇を主な要因にあげ、「人件費が医業利益率を圧迫している」と分析(p3参照)した。それを示す詳細な数値データも明示されている(p3参照)。
ほかにも今回のリサーチレポートは、「黒字法人・赤字法人別にみた経営状況」(p4~p7参照)、「法人の赤字転落要因の分析」(p7~p8参照)、「医業収益増加率別にみた経営状況」(p8~p10参照)について詳述している。
資料1 P1~P11(1.3M)
気づいて、子の異変
遅い起床・元気なし・腹痛
自殺、長期休み明け増加
朝日新聞 2015年8月12日(水) 配信
夏休みなど長期休暇が明ける前後に、子どもの自殺が増加する傾向が、内閣府の調査で裏付けられた。いじめ対策や子どもの支援に関わってきた人たちは、「子どもの異変に敏感になって」と呼びかけている。
「実感通りの数字だ。休み明けに多くの子どもが自殺している現実を知ってほしい」。いじめ問題に取り組むNPO法人「ジェントルハートプロジェクト」理事の小森美登里さん(58)=横浜市=はそう話した。
1998年の夏休み中に、長女の香澄さん(当時15)がいじめを苦に自殺。教員や保護者への講演に取り組んできた。子どもの命を守るために「最も大事」と強調するのが夏休みだ。
「いじめに苦しむ子どもは、学校が始まる日を指折り数えて追い詰められている」。いじめが解消していると期待して登校したが変わらず、その落胆が自殺につながっていると見る。
「子どもは親に悩みを話しにくいため、学校の役割が大きい」と小森さんは言う。先生がいじめに気づいたら、被害者に会って「あなたをこうして守る」と伝え、その子が納得したら、具体的な行動を取るべきだという。
小森さんは娘が苦しんでいると気づき、必死に支えようとしたが、自殺するとは思ってもみなかった。「いじめが心を深く傷つけ、生きる力まで奪うと気づいていなかった。命に関わるという認識が大切です」
どうしたら、異変に気づけるのか。不登校の子らの居場所を川崎市で運営するNPO法人「フリースペースたまりば」の西野博之理事長(55)は「日常からアンテナを立てていないと、子どものSOSに気づきにくい」と指摘する。
起床が遅くなったり、元気がないように見えたりしても、大人は「怠けているだけ」などと見過ごしがちだ。
だがいじめや勉強の重圧など悩みを抱えている場合もある。腹痛などの身体症状もあったら要注意。問いただすのではなく寄り添って気持ちを打ち明けやすいようにしてほしいという。
西野さんは「学校は命を削ってまで行くところではない。本当につらい時はちょっと休むことも考えて」とアドバイスする。
(太田泉生)
■全国共通の子ども向けの電話相談
○24時間子供SOSダイヤル
0570・0・78310(通話料が必要、保護者も可)
○チャイルドライン
0120・99・7777(月~土曜の午後4~9時、通話無料、18歳まで)
パチンコやマージャンなどを売りの介護施設はダメ
“カジノ型”デイサービス施設を規制へ (神戸市)
神戸新聞 2015年8月12日(水) 配信
神戸市は11日、パチンコやマージャンなどの遊技を常態的に提供するデイサービス施設の指定を認めない方針を発表した。介護保険法の趣旨を逸脱するサービスと判断したといい、9月市議会に関連条例の一部改正案を提出する。
神戸市内のデイサービス施設は、2015年3月時点で461カ所あり、00年の制度導入時と比べて約8倍に増えている。
サービスの多様化も進み、機能訓練などの一環でパチンコやマージャン、トランプなどを楽しめる“カジノ型”も登場。他都市では、利用時間の大半を遊技に割く施設が出てきており、同市は「自立した日常生活を営む」という介護保険法の考え方に反するとして規制を決めた。
対象は、著しく長時間にわたる遊技の提供▽依存性が強まる恐れがある疑似通貨などの使用▽賭博、風俗営業を連想させる広告―が確認された施設で、指定の不認可や取り消しができるようにする。
同市によると、“カジノ型”施設に対する規制は、指定権限を持つ全国の都道府県、政令市、中核市で初めて。久元喜造市長は「遊技には高齢者の頭脳や体を活性化するというメリットもあるが、不適当なサービスは利用者負担の増加にもつながる」と説明した。