高額療養費見直し

2025年02月19日 09時06分00秒 | 社会・文化・政治・経済
  • 2025年2月17日

高額療養費制度 引き上げで自己負担どうなる?年収別に詳しく2025年8月から 2026-2027年も段階的に引き上げ

 

【2月17日更新】
治療が高額になった場合に、利用できる「高額療養費制度」は、社会のセーフティーネットですが、この制度にメスが入り、負担の上限額が引き上げることが決まりました。ただ、がん患者などで作る団体からは引き上げの見直しを求める声も挙がり、政府は、一部を修正し、長期的に治療を続ける患者はいまの金額のまま据え置くことを決めました。

高額療養費制度とは?

2025年度予算案の決定に向けた福岡厚生労働大臣と加藤財務大臣との折衝では、医療費が高額になった患者の自己負担を抑える「高額療養費制度」を見直し、2025年8月から、ひと月あたりの負担の上限額を引き上げることが決まりました。

「高額療養費制度」とは
高額な治療を受けた場合に、患者の負担が重くならないよう年齢や年収に応じて、ひと月あたりの医療費の自己負担に上限を設けているもの。

引き上げでどうなる?

12月25日の協議では、現役世代の保険料負担を軽減させるため、制度を見直して2025年8月から上限額を引き上げることが決まりました。

2025年8月からの負担上限額(70歳未満)

年収

ひと月当たり

上昇幅

住民税非課税

3万6300円 900円↑

~約370万円

6万600円 3000円↑

約370万円~

8万8200円程度 8000円余↑

約770万円~

18万8400円程度 2万円余り↑

約1160万円~

29万400円程度 4万円近く↑

具体的には、▼年収370万円から770万円の場合は、負担の上限額をいまより8000円余り引き上げて8万8200円程度に、▼年収770万円から1160万円の場合は、2万円余り引き上げて18万8400円程度に、▼年収1160万円以上の場合は4万円近く引き上げて29万400円程度にするなどとしています。

2027年8月からの負担上限額(70歳未満)

年収

ひと月当たり

住民税非課税

3万6300円

~約200万円

6万600円

約200万円~

6万9900円

約260万円~

7万9200円

約370万円~

8万8200円程度

約510万円~

11万3400円程度

約650万円~

13万8600円程度

約770万円~

18万8400円程度

約950万円~

22万500円程度

約1040万円~

25万2300円程度

約1160万円~

29万400円程度

約1410万円~

36万300円程度

約1650万円~

44万4300円程度

そして2026年8月からは、年収の区分をさらに細かくした上で、2026年と2027年の2段階で上限額を引き上げ、例えば▼年収650万円から770万円の場合は、最終的に13万8600円程度に、▼年収1650万円以上の場合は44万4300円程度にするとしています。

引き上げ見直しは一部修正

「高額療養費制度」の負担上限額を引き上げる方針について、政府は、一部を修正し、長期的に治療を続ける患者はいまの金額のまま据え置くことを決めました。

がん患者らの団体などは、制度全体の上限額の引き上げを凍結するよう求めていますが、政府は、一部の修正で、理解を得たいとして、丁寧に説明していく方針です。

「高額療養費制度」のひと月あたりの負担の上限額をことし8月から段階的に引き上げる方針をめぐり福岡厚生労働大臣は、2月14日、がん患者らの団体などの代表者と面会し、方針の一部を修正して長期的に治療を続ける患者については、いまの金額のまま据え置くことを伝えました。

「多数回該当」とは?

具体的には、がん患者らが直近の12か月の間に3回以上制度を利用すると4回目からは負担が軽減される「多数回該当」の上限額をいまのまま据え置くということで、福岡大臣は、「長期にわたって療養を続けている人たちの思いに、最大限、寄り添う必要があると判断した」と述べ、理解を求めました。

ただ、与党・公明党の斉藤代表は「妥当な修正だ」としながらも、「与党として努力が足りなかったと反省しなくてはいけない」と述べました。

一方、患者団体は、今回の修正を評価しつつも政府が長期的に治療を続ける患者以外の上限額を引き上げる方針に変わりはないとしていることから制度全体の上限額の引き上げを凍結するよう求めています。

政府としては、高齢化などで高額療養費の支給額は増えていて、制度の維持には引き上げが必要だとして、一部の修正で理解を得られるよう患者団体などに丁寧に説明していく方針です。

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