N党立花氏「胸ポケットから四つ折り文書」 維新県議は否定 兵庫情報漏洩疑惑、面会の謎
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文書提供疑惑を巡り主張が食い違う岸口実兵庫県議(左)とN党の立花孝志党首
斎藤元彦・兵庫県知事の告発文書問題に絡み、情報漏洩(ろうえい)が疑われる新たな騒動が持ち上がった。
昨年11月の知事選に出馬した政治団体「NHKから国民を守る党」党首、立花孝志氏が日本維新の会の岸口実県議を名指しして、選挙期間中に告発者の私的情報などを記した文書を受け取ったと発言した。
一方の岸口氏はこれを否定しつつも、立花氏との面会の経緯について詳しい説明を避け、物議を醸している。 【表でみる】告発文書問題に絡む情報漏洩疑惑の構図 立花氏が文書入手後、交流サイト(SNS)や街頭演説を通じて発信したその内容は、斎藤氏のパワハラ疑惑などを文書で告発した元県民局長の男性=昨年7月に死亡、当時(60)=の私的情報のほか、斎藤氏と対立する県議らがマスコミを通じ、斎藤氏に不利な印象操作を行っている-といったもの。
立花氏は昨年の知事選で、自身の当選を目指さず斎藤氏の側面支援を行うことを明言。選挙戦では、告発文書問題を調べる県議会調査特別委員会(百条委員会)の委員(県議)らが、斎藤氏の疑惑をでっち上げたと主張していた。
■知事選告示直後 神戸市内のホテルで 立花氏の説明によれば知事選告示日の昨年10月31日、斎藤氏の側近だった片山安孝元副知事が「立花氏に会いたがっている」と仲介者から伝えられた。11月1日に指定された神戸市内のホテルに行くと片山元副知事の姿はなく、部屋にいた別の男性が「これを預かってきた」と胸ポケットから四つ折りにした当該文書を取り出し、立花氏に提供したという。 男性は最後まで名乗らなかったが「顔を見てもらったら分かる」と語り、立花氏は県議会関連の報道などから岸口氏と判断した。
その場に居合わせたのは立花、岸口の両氏とN党所属の県外の市議で、面会時間は40分ほどだった。
立花氏は産経新聞の取材に「岸口さんは『(文書の)中身自体は、私は知りません』と何度も言っていた」と話した。文書作成者の確認はしなかったという。
■第三者が関与?
立花氏の〝暴露〟により釈明に追われる形になった岸口氏は10日、県庁で報道陣の取材に応じ、立花氏との面会は認めつつ「(文書は)私から提供したものではない」「私が作ったものじゃない」と否定し、文書の内容も「私の知らない情報、知り得ない情報だ」と述べた。その上で、その場に同席していたという民間の第三者の関与を示唆しながら「迷惑がかかるといけない」と、それ以上の詳細な説明をしなかった。
知事選で岸口氏は、維新を離党して無所属で出馬した清水貴之元参院議員を支援しており、立花氏と面会した目的は他候補の動向を探る趣旨だった、としている。片山元副知事の名前が挙がっていることについては「まったく分からない」と語った。
片山元副知事は代理人を通じ「立花氏と面談したこと、話をしたことは一切ない」とこの面会への関与を否定している。
■百条委に調査申し入れ
問題の文書には斎藤氏を擁護する立場からの憶測も書かれ、その中で「黒幕」と表現された県議の竹内英明氏はSNS上の誹謗中傷に悩み、知事選で斎藤氏が再選した後に
県議を辞職。今年1月に死亡しているのが見つかった。自殺とみられる。
岸口氏は百条委の副委員長を務めており、立花氏との面会の詳細な経緯や、文書についての認識の程度によっては、調査の客観性・中立性に疑問を持たれかねない。共産党県議団は14日、今回の文書提供疑惑について事実を解明するよう百条委に申し入れた。
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