利根輪太郎は、競輪場で知り合った4人の生活保護者たちのことが気になっていた。
暮れの生活、そして、正月はどのように過ごせたのか?と。
だが、実際は1月5日の支給ではなくて、12月28日に支給されていたのだ。
「血を吐き、8日も病院に入っていたんだ」と保護観察身の栃さんが言うのだ。
「入院費は、どうしたの?」思わず利根輪太郎は当然問う。
「国が面倒みてくれたんだ」と悪びれない栃さん。
彼は、取手駅の路上で倒れて、救急車で病院に搬送されたのは、昨年の9月だったのだ。
生活保護者たちの身を、利根輪太郎が心配するに及ばない。
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