沈丁花の蕾みがほころび始めた。
秋の木犀と春の沈丁花。いずれも、季節が変わったこと、あるいは変わりつつあることを知らせる花だ。その二種類の花は、いずれも芳香を持つ。そう、季節は香りと共にやってくるのだ。
香りは、人間の記憶を呼び起こすトリガー。夕暮れ時に家々から匂ってくる夕食の香りは、小さい頃の記憶、あるいは、過去のさまざまな体験をいっぺんに思い起こさせてくれる。この記憶の中に、人は悲しみと喜び、幸福と不幸の両方の感情を思い、ノスタルジーを感じる。子供にはない大人だけの感情だ。
先週の平原綾香さんのインタビューの時の軽いショックが私の心の中で未だに尾を引いている。
何か、一人のアーティストをインタビューしただけのことではないもっと大きな感情にけっこう打ちのめされている自分がいる。
それは、家族とか、アーティストとか、男性とか女性とかいった人間の生き方に関わるほぼ理想的な解答をこの21才の若い女性が持っていることに対するショックなのかもしれない。
先週このブログを書いた時は、これから雑誌に書く事柄なので、あまり細かい内容について書くことをはばかっていたが、どのみち来月頭には雑誌も発行されてしまうので、その一部をここで公開してもさほど問題ではないだろうと思う。
私が彼女のことばで最も感心したのは、私が「理想の女性とは?理想の女性とは?」という問いに対する答えだ。
「理想の女性とは、自分の意志がはっきりしている人」。即座にこう答えてくれた。
そして、「理想の男性とは、例えば、カップルがラーメン屋さんに行って、女性が『このラーメンおいしいネ?』と言った時、相手の男性は『うん、おいしいネ。でも、他にもっとおいしいラーメン知ってるよ』と、女性のことばに挑戦的に切り返す人がけっこう多いですけど、私は、女性のことばに、ただ『うん、おいしいネ』とうなずいてくれる男性が理想です。つまり、優しい男性です」と続けてくれた。
自分の意志をはっきり持っている女性を優しく見守る男性。
う~ん。私の求めていた以上の完璧な解答だ。これほど見事な答えが返ってくるとは思わなかった。
そして、極め付けが次ぎの質問。
音楽家にとって、アーティストにとって最も大事なことは?
さすがに、この質問を投げつけた時には、ほんの1、2秒考える間があったが(その他の質問には即座に答えが返ってきていた)、これにも見事な解答を出してくれた。
「伝えたい人を持ち続けること」。
音楽はコミュニケーション。伝えたいことを伝えたい人に伝えていくこと。音楽にこれ以上大事なことがあるのだろうか?
一つ一つのことばを選びながら丁寧に優しく語る彼女のしゃべり口調は(しかも、彼女はどんな時も私の目をしっかり見据えたままだ)、彼女の母親が彼女に常日頃から諭しているという「音楽を奏でるようにことばをしゃべりなさい」ということばをそのまま実践しているようだった。
彼女の倍以上を軽く生きている私が、この21才の女性の物腰、ことばに完全に打ちのめされたような気がして、この日以来軽いショック状態が続いている。
やはり、偉大なのは母親の存在だろうし、女性という存在は軽く男性を越えているナと実感した。
人間が生きていくために必要なことば。そのことばをどうやったら上手に使い生きていかれるかを彼女の母親は適切に娘に伝えることができている。
ことばは人と人とのコミュニケーションのための大事な道具。しかし、この道具を人間が発明する以前からあった音楽を奏でるようにことばを使う。なんて深いことばなのだろうと思う。
これは、まだしばらくショックが続くかナ?(笑)
秋の木犀と春の沈丁花。いずれも、季節が変わったこと、あるいは変わりつつあることを知らせる花だ。その二種類の花は、いずれも芳香を持つ。そう、季節は香りと共にやってくるのだ。
香りは、人間の記憶を呼び起こすトリガー。夕暮れ時に家々から匂ってくる夕食の香りは、小さい頃の記憶、あるいは、過去のさまざまな体験をいっぺんに思い起こさせてくれる。この記憶の中に、人は悲しみと喜び、幸福と不幸の両方の感情を思い、ノスタルジーを感じる。子供にはない大人だけの感情だ。
先週の平原綾香さんのインタビューの時の軽いショックが私の心の中で未だに尾を引いている。
何か、一人のアーティストをインタビューしただけのことではないもっと大きな感情にけっこう打ちのめされている自分がいる。
それは、家族とか、アーティストとか、男性とか女性とかいった人間の生き方に関わるほぼ理想的な解答をこの21才の若い女性が持っていることに対するショックなのかもしれない。
先週このブログを書いた時は、これから雑誌に書く事柄なので、あまり細かい内容について書くことをはばかっていたが、どのみち来月頭には雑誌も発行されてしまうので、その一部をここで公開してもさほど問題ではないだろうと思う。
私が彼女のことばで最も感心したのは、私が「理想の女性とは?理想の女性とは?」という問いに対する答えだ。
「理想の女性とは、自分の意志がはっきりしている人」。即座にこう答えてくれた。
そして、「理想の男性とは、例えば、カップルがラーメン屋さんに行って、女性が『このラーメンおいしいネ?』と言った時、相手の男性は『うん、おいしいネ。でも、他にもっとおいしいラーメン知ってるよ』と、女性のことばに挑戦的に切り返す人がけっこう多いですけど、私は、女性のことばに、ただ『うん、おいしいネ』とうなずいてくれる男性が理想です。つまり、優しい男性です」と続けてくれた。
自分の意志をはっきり持っている女性を優しく見守る男性。
う~ん。私の求めていた以上の完璧な解答だ。これほど見事な答えが返ってくるとは思わなかった。
そして、極め付けが次ぎの質問。
音楽家にとって、アーティストにとって最も大事なことは?
さすがに、この質問を投げつけた時には、ほんの1、2秒考える間があったが(その他の質問には即座に答えが返ってきていた)、これにも見事な解答を出してくれた。
「伝えたい人を持ち続けること」。
音楽はコミュニケーション。伝えたいことを伝えたい人に伝えていくこと。音楽にこれ以上大事なことがあるのだろうか?
一つ一つのことばを選びながら丁寧に優しく語る彼女のしゃべり口調は(しかも、彼女はどんな時も私の目をしっかり見据えたままだ)、彼女の母親が彼女に常日頃から諭しているという「音楽を奏でるようにことばをしゃべりなさい」ということばをそのまま実践しているようだった。
彼女の倍以上を軽く生きている私が、この21才の女性の物腰、ことばに完全に打ちのめされたような気がして、この日以来軽いショック状態が続いている。
やはり、偉大なのは母親の存在だろうし、女性という存在は軽く男性を越えているナと実感した。
人間が生きていくために必要なことば。そのことばをどうやったら上手に使い生きていかれるかを彼女の母親は適切に娘に伝えることができている。
ことばは人と人とのコミュニケーションのための大事な道具。しかし、この道具を人間が発明する以前からあった音楽を奏でるようにことばを使う。なんて深いことばなのだろうと思う。
これは、まだしばらくショックが続くかナ?(笑)