今日は私の誕生日。
けっこう年を食ってしまったような気もするけど、まあそれだけ生き延びられたんだから、とりあえずはデメタシ、デメタシ。
私たち夫婦の間では、結婚する前からお互いの誕生日にはかなり入れこんでお祝いしあってきた。
私は学生結婚だったので、最初はそうたいしたこともできなかったけど、いつの頃からか、彼女に毎年年の数だけバラを送るようになった。
彼女はとりわけバラが好きだからというのがその理由だが、私がケーキを焼いて「誕生日ケーキ!」といって渡す時もあった。
彼女は、私にセーターを編んでくれたり、いろいろなモノを買ってきてはプレゼントしてもらった。
しかし、彼女が病気になってからはそれもママならない。
身体が動かないということに加えて、彼女自身仕事ができなくなり、結果として無収入になってしまったからだ。
彼女にはそれが悔しくてたまらない。
それでも、私の誕生日というビッグイベントに「何か」をせずにはいられない彼女の気持がある。
昨年もそうだったが、時たま彼女が作ったクラフトなどが売れたりして入る臨時の収入(本当に微々たる収入なのだが)を自分のサイフに溜めている中から私に「何も買ってあげられないから、これで何か買いな」と言って少しばかりの現金を私にくれる。
今年も彼女は私に誕生日プレゼントとしてわずかばかりの現金をくれた。
本当はもったいなくて使えないし、私が本当に望む誕生日プレゼントは彼女の明るい笑顔と健康しかないのだが、彼女としてはそれでは気持がおさまらない。
なので私が「じゃあ、このお金でケーキの材料買ってきて、自分で誕生日ケーキ焼くわ」というと途端に彼女の顔がほころぶ。
小さい頃からパティシエ少年だったワザが役に立つ。
「何作るの?」
「サバラン!」と即答。
私は、スイーツは全て好きだが、このラム酒に浸ったお菓子が小さい頃から大好きだ(特に、お酒にたくさん浸ってビチャビチャになったのが大好物)。
でも、スイーツというのは時代によってかなり流行りすたりがあって、ここ最近このサバランというスイーツをお菓子屋さんで見かけることはめっきり減った(代わりにロールケーキなどがのさばっているが)。
きっと「サバラン?それ何?」という人もいるのかもしれない。
お店で買えないのなら自分で作るしかない。
というわけで、今回の誕生日プレゼントは、自分で作ったサバラン!
彼女もひとくち食べるなり「あ、サバランだ!」(それぐらい滅多に食べないスイーツになってしまった)。
完璧の出来映え。
美味しい誕生日でした。