「今日の小さなお気に入り」 - My favourite little things

古今の書物から、心に適う言葉、文章を読み拾い、手帳代わりに、このページに書き写す。出る本は多いが、再読したいものは少い。

2019・04・19

2019-04-19 05:05:00 | Weblog


( ノートルダム )


    


   今日の「お気に入り」。


   「 私は『才能』は天賦のものだと思っている。それなら千人に一人でオリンピックの選

    手を見れば分る。たいてい十代の青少年で、ハタチそこそこでなん百年という過去を自

    分のものにしてなお新しい記録を出している。十代で体力が絶頂なら、知力もまたそう

    である。才能は天賦だというと絶望するものがあるから、才能は根気だとか努力だとか

    いって慰めるのである。 」

     ( 山本夏彦著 「世はいかさま」新潮社刊 所収 )


          
              〈 ノートルダム大聖堂 〉


            
   「 昔は学問は哲学のなかに全部含まれ、ほかになかったのに、そのなかから算術と科学

    が出ていって以来哲学は振わなくなった。けれども本当は今でも哲学は『学問のなかの

    学問』なのである。人は何のために生きるかという根本的な問いに医学はうるさがって

    答えない。
してみれば哲学の領域はまだ無限なのである。」

      ( 山本夏彦著 「最後のひと」 文春文庫 所収 )  


    





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