先日のブログ記事に書いた通り、
放送技術2016年12月号の特集は「東名阪のFM補完局設備」
そこで、記事から興味のあった部分を書いていきます。
中京広域圏の補完中継局。
これは三国山に設置されている。
局舎・鉄塔はCBCラジオ・東海ラジオの共同建設。
送信アンテナは各社4面で、3面は1段、1面は3段。
上がCBCラジオ、下が東海ラジオである
もちろん3段設置されている方角(240°)が
名古屋市街地の向きになり、こちらがメインの
ビームということになるようです。
アンテナの送信パターンは名古屋市街地以外の方角で
若干各社で違いがあるようです。
大阪圏の補完中継局。
局舎はMBSとOBCで共同整備。MBSのアナログテレビ局舎を建て替え利用。
一方ABCは自社鉄塔に。3社共同建設案もあったようだが、
メンテのことを考えた場合、単独が有利としている。
(つまり、他社の編成都合に左右されない)
送信アンテナはMBS・OBC組もABCも2双ループ1段3面。(北・南・西の3方向)。
プログラムの伝送ルートはMBS・OBCそれぞれ独自のようです。
OBCは有線2回線と最悪の場合にはAM放送波中継のようです。
ただ、AM放送波中継はAMチューナーが送信所内雑音により音質が耐えうるか課題のようです。
MBSはSTL(現用・予備)と有線のようです。
演奏所から生駒山までのSTLはAM・FM共用、生駒からは京都中継局・高石送信所へSTL/TTL中継。
ABCはSTLと有線。STLは大阪市内高層ビルにより直接回線が通らないため
2段中継としています。
東京圏の補完中継局。
送信アンテナは2双ループ4段9面。上部2段、下部2段単独でフルパワー7kw送信が可能だそうだ。
2015年10月5日2時に総合的な試験電波を発射、3局同時に110W、1.4kW、4kW、7kWと段階的に
増力し既存放送局設備に影響がないか確認したということだ。
なお、本放送開始が2015年冬にずれ込んだ理由として、
送信機~送信アンテナ間の電線敷設ルート決定に時間を要した、冬の工事では降雪時期の養生ネットによる
複雑化を避けたこと、ゲイン塔の仮設足場の設置の見直しなど だそうです。
今号では第2特集で4K・8Kの試験放送設備ということで
NHK渋谷放送センターのアップリンク設備も取り上げていました。