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”農”と言える!?

元・食推おばさんのソムリエ日記

牛を見た日

2010-03-14 12:35:09 | “農”

同じ町内に牧場があるなんて、全く知らなかった。

一緒に自治会役員をやらせていただいているご縁で、

大橋牧場にお邪魔し、大橋あさ子さんにお話しを伺った。

大橋牧場には、42頭の現役の乳牛と20頭ほどの子牛、

そして出産を終えたばかりの2頭の牛がいる。

Cimg2239

子牛と言っても、生後1ヶ月のものと1年半のものとでは

大きさが全く違う。

生後2年経たなければ、乳牛として活躍できないのである。

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毎朝、フクロイ乳業の2tのタンクローリーが

4件分の牛乳を集めに来る。

毎日、サンプルを提出し、その場で簡単な検査が行われる。

さらに、本社で精密な検査を行い、何段階にも分けて

安全性が厳しくチェックされる。

もし、そこで異常が見つかった場合は、

そのタンクローリーの4件分の牛乳はすべて廃棄され、

異常のある牛乳を出荷した農家が全額を負担することになる。

だから、牛に与えるエサや薬にも気を使う。

以前は、牛が病気になれば、すぐにペニシリンを投与して

一晩で回復させたが、今は強い薬は使えないので、

病気の回復にも時間がかかるという。

また、飼料用の米やとうもろこしは、空いている田んぼを借りて作り、

その他は外国産のものを使用。

4月には飼料用作物の種をまき、

6~8月はその栽培と収穫にも追われる。

大橋さんのお宅は、(大変失礼な言い方であるが)

悪路とも言えるような山道を登ったところにある。

それでもあさ子さんは、

「うちは恵まれた環境でよかった。」とおっしゃる。

周囲に住宅地ができてしまうと、住民から市役所に

「悪臭がする。」とか

「牛小屋用の扇風機のモーター音がうるさい。」

などの苦情が来るそうである。

その人たちも、牛乳や乳製品は使っているというのに・・・。

製品になったものにしか目が行かず、

どうやって生み出されているのかということに

考えが及ばないのだろう。

あさ子さんは、こう続けた。

「牛は経済動物だから、動かなくなったらそれで終わり。

 でも、400kgもある動物は、私たちの力じゃ運べない。

 だから、専門の業者が来て、場に連れていくんだよ。

 機械じゃないからね、どんなに重くても

 ばらして運んでいくわけにはいかないから・・・」

牛は生き物。

私たちは、命あるものをいただいて生かされているということを

決して忘れてはいけない。

コメント
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