先っぽが尖ったファーストトマトが店頭に並ぶと
「春がもうそこまで来ている!」という気分になります。
ファーストトマトは、昭和10年頃に愛知県豊橋市で栽培が始まり、
「あいちの伝統野菜」にも指定されています。
ファーストという名前の由来には諸説あります。
・生産量が日本一だから
・育成に携わった人が野球好きで「ファースト」を守っていたから
私にとって、ファーストは「初めて」を意味します。
野菜ソムリエになるための授業で、
初めて行った食べ比べが、トマトのファーストと桃太郎 でした。
「どちらの味が好きですか?」という先生の質問に対して、
私のグループは意見が真っ二つに分かれました。
40代以上の受講生は、全員がファースト派!
懐かしい思い出です。
私が生まれて初めて食育の講演を行ったのは愛知県豊川市。
その中で「あいちの伝統野菜」についても触れました。
苦労して集めた伝統野菜の中には
もちろんファーストトマトも入っていました。
今思えば、穴を掘ってでも入りたくなるような稚拙な講演でしたが、
担当者様から
「先生がこの講演のために、
骨身を惜しまず準備して下さったことが伝わってきました。」
とお礼を言われ、大変感激しました。
ファーストトマトのあの尖った頭を見ると、
春のうきうき気分と同時に
「初心を忘れてはいけない!」と気持ちが引き締まるのでした。