農業や家庭菜園をなさっているブロガーさんの多くが、
今の時期、玉ねぎの収穫を終え、
長期保存に向けて、玉ねぎを吊るして干していらっしゃいます。
【画像お借りしました】
我が家の家庭菜園は、とても小さいものなので、
玉ねぎを200個も300個も作った経験はなく、
干して保存する間もなく、使い終えている状態です。
そんな私ですが、ブロガーさんたちが玉ねぎを干している様子を拝見して、
色々な疑問が次々に沸いてきました。
野菜栽培の経験も乏しく、実践を伴わない中で理屈ばかりこね回している
と、御不快に思われる方もいらっしゃるかと思いますが、
玉ねぎの長期保存に関する疑問から、考えたこと、調べたことをまとめてみます。
※お読みになりたくない方は、どうぞスルーしてください。
●どうして、中生・晩生品種が長期保存に向くの?
長期保存に向く品種というと、中生・晩生品種が必ず挙げられています。
素人考えでは、それらの品種は
・もともと水分量が少ないのか?
・糖度が低いのか?
・辛みが強いのか?
など共通する特徴があるのではないかと推測しました。
そこで、中生・晩生品種の特徴を調べてみると、全品種に共通することは
病気に強い ということでした。
病気に強い → 保存中の腐敗病にも強い と考えられます。
●中生・晩生品種を栽培すれば貯蔵はうまくいくのか?
栽培の仕方(施肥のタイミング)が貯蔵性を左右します。
収穫末期になって、肥料分が残っていると、貯蔵が劣り、腐敗が進みます。
大きく立派にできた玉ねぎほど腐敗しやすく、硬く皮の薄い玉ねぎは長期保存ができます。
遅い時期の施肥は避けることが大切。
●乾燥方法 なぜ根は切り落とし、葉は15cmくらい残すの?
・玉ねぎを収穫するタイミングは、葉が倒れてから1週間後が目安。
葉が倒れるのは、「光合成した栄養がすべて実に溜まりましたよ!」
という合図です。
・収穫した玉ねぎは、そのまま畝に横たわらせて2~3日天日に当てて乾燥させます。
・葉を15cmほど残して余分な部分を切り落とし、根っこもすべて切り落とし、
さらに吊るして乾燥させます。(これがブログで最近よく拝見する景色ですね。)
では、なぜ葉を15cmほど残して切るのか?
これは、萌芽葉(玉ねぎの新しい芽)が出にくくなるためです。
【萌芽葉の出ている様子がわかる画像をお借りしました】
萌芽葉ができると、これらに養分が移り、成長すると玉ねぎが萎んでしまいます。
では、根を切り落とすのはなぜ?
空気中の水分を吸収できなくなるので、乾燥が早く進み、傷みにくくなります。
●干しているのは、皮? それとも実(球)?
玉ねぎを干すことにより、水分が飛び、貯蔵性が高まる・・・
これは、どこを見ても書かれていることです。
しかし、貯蔵物の玉ねぎを切ってみても、かすかすに乾燥しているわけではなく、
新玉ねぎほどではないにしても、みずみずしさはあります。
私は、干し野菜もやっており、これはカットした玉ねぎを半日ほど干したものです。
結構、乾いています。
極端な例かもしれませんが、貯蔵物の玉ねぎはここまで水分は飛んでいません。
ここからは、私の推測になりますが、玉ねぎを干して乾燥させているのは
実(球)もさることながら外皮を乾燥させるのが目的なのでは?
●外皮に含まれるケルセチン
玉ねぎの外皮には抗酸化作用のあるケルセチンが含まれており、
玉ねぎの内部を紫外線から守ってくれる働きがあります。
「皮付きの玉ねぎを1週間天日干しにすると、ケルセチンの量が4倍になる。」
という報告もあります。
以上のことから玉ねぎを干して乾燥させているのは、皮のケルセチン効果も
狙っているのではないでしょうか?
このようなことを、ここ数日考えておりました。
実践の伴わない野菜オタクをお許しください。
この記事を書くにあたって、
毎日、読み応えのある農業記事をアップしてくださっているkazmelonさん、
干したあとの玉ねぎの保管方法について教えてくださったgengengengeさん、
そして、私のしつこい質問にも丁寧に答えてくださったお野菜の先生、
心から感謝申し上げます。
また、ここまでお付き合いくださった皆様、本当にありがとうございました。