失敗したな
お見舞いに行くと、義兄はよくそう言った。
義兄が車を買い換えたのは同居している孫が「車に乗りたい」と言ったから、らしい。
それまで義兄が乗っていたのはマニュアルのセダン。孫も一緒に使えるようにと、車の入れ替えを検討した。孫が「オートマでなければ乗れない、大きな車には乗れない」と言ったので、義兄が選んだのはヴィッツ。けれども義兄がヴィッツに乗ったのは僅か数ヶ月だった。
その車に乗るはずだった孫は今度は「軽じゃなきゃいやだ」と言いだしたらしい。義兄が入院後、ヴィッツは車庫に入ったままとなった。
義兄が亡くなってその車は売却される事になった。それに先立って名義変更など車に関する諸手続きを夫は頼まれた。
手続きを済ませ、車を買い取ってもらうために義姉と共に何社か回ったようだ。安く買い取って高く売るのが商売だから仕方が無いのだけれど、買い取り金額は安い
兄貴のヴィッツ、買う気あるか
業者が提示した金額に上乗せして、義兄の車を買い取る事を夫が提案してきたのはそれから間もなくだった。
ご主人いろいろお世話 動いてくれているんですね
業者に売却はもったいないですね
いづれにしても双方良かったとなればいいですね
車は置いておくだけで価値が下がるので、私も早く結論を出さなければなりません。
来年は夫も完全リタイア。二台の車を持つ必要があるのか、迷います。