日曜日、何となくつけたNHKを、そのまま最後まで見てしまった。
鬱病の話だ。
人類は進化の過程で、外敵から身を守るために恐怖感を感じる脳の機能(扁桃体)が発達、言葉による伝達がこれを補強した。狩猟生活をしていた時代は、全員が協力し合い、獲物は平等に分け与えられた。しかし、農耕により食物が蓄積されるようになると、人々に格差が生まれるようになる。公平感、連帯感が失われたことで、それまで制御されていた扁桃体の活動が崩れ、孤独感、不公平感から鬱につながることが増えてきた、というようなおはなし(僕の理解では)。
要は社会の変化により、脳が機能不全を起こして病気になる。実際、病気の人は脳の萎縮が見られるのだという。
不平等、格差が病気を生む、と言うところが面白い。すぐに思うことは、中世の封建社会は今よりも平等ではなかったと思うけど、身分制の撤廃は鬱とは無関係のようだ。昔はそれでも人々のつながりが密にあり、また固定した社会がもたらす安定は、人々を不安から救っていたのだろう。
つながりの密度の質も違うのだろう。世界中の交流と言うことで言えば、今の方がよっぽどつながりが強いわけだし、SNS、各種のメディアなど、その気になれば色々な方法で「交際」する事ができるはずだ。それなのに多くの人が孤立を感じるというのは、不思議な話だ。
テレビでは、病に苦しむ人たちが、社会との関係を持つことで病を克服していく様子を追っている。この辺りはちょっと前半の話とつながってないかな・・。不公平や不公正がストレスを作る。弁護士など専門職の人たちは、営業職、工場労働者などよりもそういうストレスは少ないらしい。上意下達の会社組織が病の原因なのだろうか。これからの企業は、それぞれがおのれのプロフェッションを生かした、ルパン三世みたいな組織を目指すべき、なのかな?その辺、突っ込んでみて欲しかったな。