本当に断片的な記憶だ。
小学校6年生のとき、町会かなにかのあつまりで、夏休み中の子供たちが集められた。
何をするのかわすれたが、大人たちも集まっていて、こども会(という名前だったかどうかもはっきりしない)の役員をきめるという。
僕と、同級生の女の子が指名された。大人だったらそんなことは聞いていないぞ、と言いたくなるところだが、本当に突然だったのでびっくりした。
ふたり、前に出てなにかあいさつなさい、という。
その頃すでにひねくれた悪がきになっていたはずだが、人前にでて話すなんてのは苦手だった。ので、これは困ったことになったと思った。
人前といっても、子供が10人だか何人だかわすれたが、たいしたことはないのだが。
とにかく緊張しながら前にでて、一声発したら・・、一緒に前に出た子も、僕と同時に話し始めていた。
しまった、話が重なっちゃった。。
ほんとうなら、ここでいったん話を打ち切って、彼女とどっちが先に話すか、話し合うべきだったろう。
しかし、僕はなんとなく意地を張ってしまい、彼女の声が聞こえないふりをして話しつづけてしまった。
彼女は二言三言はなしかけたが、すぐにはにかんだように笑い、黙ってしまった。
僕の話が終わると、彼女が照れたような調子で話し始めた。それを聞いている間、なんとなく間の悪い思いをしていた。
自分でもわかっていたはずだ。意地張って話し続けるなんて、しちゃいけなかっのに、と。
そういう、融通のきかない悪い癖は・・このときにきちんと反省して、直しておかなければいけなかった、はずなのだが・。