少し間が空いてしまいましたね。1週間空けたのは初めてかな。
週末の朝、9時半ごろ。都心に向かう電車の中。
今朝は昨日より少し冷え込んだが、外から明るい朝日の入り込む車内は適度に温かい。
向かいの席には若い女の子の二人連れが座っている。
よそいきの服装だが、比較的地味目で、アクセサリーもあまりつけていない。
向かって左側の子は髪をきっちりとまとめている。白いブラウス姿で、上着は脇にまとめてある。目のくりくりとした、利発そうな子だ。
隣の子に向かって、ほとんど横座りのような状態で座っている。電車は空いており、周りの障害になるようなこともなさそうだ。
右側の子はすこし唇のぽっちゃりとした子。髪の色はやや明るい栗色だ。髪型に問題があるのか、隣の子から盛んに助言を求めていた。
隣の子はその子の髪を整えながら、スマホで写真を撮って見せてくれたりしている。
左側の子はお祝い袋を取り出して書き始めた。手には筆ペンを持っている。揺れる電車の中で、器用なことだ。
内側の袋の、住所などは既に書いてあるふうなので、隣の子と打ち合わせて、何かを書き足そうとしていたのかもしれない。
やがて二人は、大きな紙を取り出して眺めはじめる。座席表らしい。左肩のところに、「鳳凰の間」と書かれていることが、こちらからも確認できる。
二人はしばらくそれを眺めていた。二人で受付を頼まれている、ということなのかもしれない。
彼女たちのそばに、親子連れが立っていた。男の子ばかり3人、上の子たちは少し離れて、兄弟でなにか話している。お父さんは一番下の子を相手に話をしたり、抱き上げたりしている。2歳ぐらいだろうか。
下の子は落ち着かない様子でその辺を歩き回り始めた。
ふと、隣の子と話していた、目のくりくりしたほうの女の子と目があった。
女の子は反射的に、一瞬にこっとすると、すぐまた隣の子との会話に戻った。
ヨコハマ買い出し紀行第4巻 第25話「遠い夏休み」より