ちょっとタモリの番組のようなな話になるが、長年親しんできた町から、別の環境に触れてみて、改めて実感したことがある。それは、徒歩(と鉄道など公共交通機関の利用)を中心とした街と、自動車を中心とした街との、街の「スケール感」の違いだ。
自動車を中心に考えられた街を歩くと、なんだか飽きてくるし、いくら歩いても変化が少なくて、歩くことが苦痛に思えてくる。徒歩を前提とした街というと、駅前の商店街とか、昔からの街ということになるが、ここを車で移動するのもまた楽なことではない。それぞれ、移動手段に適応した街づくりになっているのだ。
それと、人が良く歩いていると、細かいところに目が行くので、街がよりきれいに整備されている感じがする。大きな街道の歩道などは、どうしても埃っぽくて掃除が行き届かない感じになりがちだ。車で通っている分には特に目立たないのだが、ゆっくり歩くと嫌でも目につくのだ。徒歩の街だと、街の人たちがこまめに手入れをして、美観を保ちたいという気になりやすいのだろう。建物などもそうだが、庭や公園などの施設などもきれいに保たれやすい。街全体がちいさくて、整備しやすいのだ。
とはいえ、街がちいさければ店などの品ぞろえも十分ではないし、観光地でなければ人もたくさんは集まらない。車中心の街なら、多くの集客が望めるし、店舗の規模も大きくしやすい。都心の中心部の住宅が、必ずしも買い物などの生活環境に恵まれているとは限らず、むしろ郊外の町に住む人のほうが近くに安くてなんでもそろう店に恵まれている、ということは、なんとなく想像がつく。
どちらが良いのか、という質問に答えられるだけの見識はないが、とりあえず僕は歩くのが好きなので、歩いて楽しい町のほうが良いとは思う。
今回生活環境が変わるにあたり、改めて今まで住んできた街が、コンパクトできれいにまとまった街であることに気づかされた。それが当たり前のように思い、なんとも思っていなかった町の風景だが、そうだったのだね。
というわけで、小さき良き町から、あたらしいまちにうつることになりました。
郷に入れば郷に従え。じぶんの車、買おうかしら。