うさぎくん

小鳥の話、読書、カメラ、音楽、まち歩きなどが中心のブログです。

わかってきた

2018年10月27日 | 音楽

今月の日経新聞『私の履歴書』はヴァイオリニストの前橋汀子さんだ。世界的に活躍する日本人奏者は今でもたくさんいるが、彼女の時代はまだ日本も貧しかっただろうし、教育環境も整っていなかっただろうから、大変な苦労があったのだろう。ただ、彼女が今の人たちよりも決定的に恵まれていたことがあって、それは往年の名巨匠たちが活躍中で、共演したり師事したりすることができたことだ。連日、クレーメル、シゲティ、ストコフスキー、ケンペと、名だたる名人との交流話が次から次へと出てくる。

彼らの名前が出てくるたびに、ついアマゾンや山野楽器でCDを買おうと探したりしている。。

ただ、ムラヴィンスキーなんて、銀座山野ではあまり置いていないですね。山野ではロストロポーヴィチのチェロ協奏曲を買ったが、まだ聞いていない。

ロストロポーヴィチは、来日時に前橋さんが通訳を務めたそうだが、家には彼がそのキャリアの後半になって初めて録音したバッハの「無伴奏チェロ組曲」がある。


1992年の録音、95年の発売。当時、巨匠の全曲録音ということで雑誌などではかなり話題になった。もうだいぶ忘れたが、どこかの雑誌で2か月にわたりインタビュー記事を載せていたような記憶がある(うそかもしれない)。

だが、国内盤がリリースされてしばらくすると、その演奏の評価が人により分かれるものであることが次第にわかってきた。要は期待したほどの名演ではないのではないか、ということだ。

僕がこのCDを手にしたのは、リリース後間もないころだ。国内盤が出るか出ないかのころ、大型店で輸入盤が売られていた。価格は国内盤の2/3ぐらいだったように思う。。

演奏について賛否が分かれることを知る前だったが、たしかに聴いていてどうもあっさりしすぎているというか、なんだか気が抜けているような感じがして物足りない印象は持った。

数年後だったと思うが、ピエール・フルニエの古い録音を手に入れ、以後無伴奏を聞きたいと思ったときはこちらを手にすることが多くなった。


先日部屋を片付けて、CDも作曲家順に並べ替えた。偶々ロストロポーヴィチのCDが前に出てきた。久しぶりにプレーヤーにかけて聴いてみる。

今聞いても印象は確かにあっさりしているのだが、それゆえに音楽が純水のように(ああ通ぶったような表現・・)心に直接伝わってくる。

なるほど。

今やネットであれやこれやの批評はいくらでも読むことができるが、昔でも演奏批評は雑誌などにたくさん載っていたし、またそれが気になって色々読み比べるようなこともよくやっていた。無益という訳ではないだろうが、単なる受け売りで良し悪しをきめつけていたものも多かったと思う。まあ、好きなものについてあれこれ語るのは趣味の常道ですけどね。音楽はあれだが、昔は車の評論とか、本当に楽しかった。。

 

話がそれたが、そんな流れで、前橋さんが師事したというシゲティの有名な無伴奏ソナタ/パルティータも入手して、今聞くところ。

これも聞き手の感性を試すような演奏らしいので、楽しみです。

 

書きながら、家に前橋さんのCDはなかったよな、と考えていたが、思い出した。

前橋さんのMDを持っていたのだ。

自分で録音したんじゃなくて、MDソフトとして売られていたものだ。

これを見ていると今の新宿3丁目の丸井あたりにあったCDショップ、ヴァージンメガストアを思い出すな。。

 

 

コメント (2)
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