単純に儲からないから
割りに合わないから、閉店するんだよね。
こういう話を単なる美談にしてはいけない。
本質的な問題が見えなくなる。
今年1月に、引き継いで1年持たずに閉店なんだから、そういうこと。
お父さん世代は、年金を貰って店を回していたから何とかなったけど、今51歳で年金がアテにならない世代からすれば、当然の判断だと思う。
いつもこういう話って長年続いた名店がついに閉店。
残念がる地元民や常連客みたいな記事が多いけど、みんな儲かっていれば閉店しなくても良いんだよ。
現金な話だけど儲からないから後継者が来ない。
それが答え。
安すぎる賃金でも働くことや
勤労のために自己を犠牲にすることを美談にしてきた報いだと思う。
群馬県南牧村で唯一のうどん店「井上うどん店」(同村大日向)が30日に閉店し、約100年の歴史に幕を下ろす。創業から一貫して手打ちにこだわり、住民や観光客から長年愛されてきた。4代目の井上倍夫(ますお)さん(51)が過労で膝を痛めたことなどから、閉店を決めた。「長い間、本当にお世話になり感謝している」と話している。
うどん店の創業は1920年ごろ。それ以前は井上商店として酒や雑貨、菓子などを扱ってきたが、井上さんの曽祖母、すてさんが店を始めた。「おすてうどん」の愛称で評判を呼んだという。
現在は15種類ほどのメニューがあり、一番人気は地元産のネギやこんにゃくをはじめ、天ぷら、豚肉、卵などが入った具だくさんの「ナベやきうどん」。味が染み込みやすいように麺は軟らかめで、適度なこしを残すのが特徴だ。
常連客で同村出身の男性(81)=富岡市=は「子どもの頃から食べてきた。麺もつゆの味もちょうど良く、値段も手頃。(閉店は)もったいない」と惜しむ。
井上さんは都内で会社員として勤務後、24歳でUターンし家業を手伝い始めた。今年1月、3代目の文夫さん(79)から経営を引き継ぎ、現在は文夫さん、妻の久美子さん(52)と3人で切り盛りする。店舗での営業のほか、出前や宴会、仕出し料理など幅広く対応してきた。
これまで業者から機械の導入を勧められたこともあったが、伝統の手打ち一筋でやってきた。店は午前11時半~午後7時まで通しで営業し、閉店後は翌日の仕込みの準備に追われる。立ち仕事は一日12時間以上。繁忙期には徹夜で麺を打つこともあった。
多忙による過労から井上さんは昨年、膝が曲がらなくなり、今もリハビリのために通院している。健康面などを考え、閉店を決めた。今月初めから店の扉に紙を貼って閉店を知らせると、「さみしくなるね」「やめないでほしかった」などと声を掛けられ、涙を流す人もいたという。
井上さんは「力及ばず閉店となったが、やり切ったという思いがある。(前向きに)新たな生活を楽しみにしたい」と穏やかに話している。
閉店までは23日のみ休みとなる。