在イタリア、ソムリエワインノートとイタリア映画評論、他つれづれ appunti di degustazione

ソムリエ 20年、イタリアワインのテイスティングノートと、なぜか突然のイタリア映画評論、日本酒、日本茶、突然アートも

”サッサイア 2006” アンジョリーノ・マウレ

2007-12-21 22:47:41 | Veneto, Emilia Romagnaヴェネト、エミリア
“Sassaia 2006” Angiolino Maule –Veneto
Angiolino Mauleは、La Biancaraというワイナリー名でも知られている。
ヴェネト州、ガンベッラーラにあるバリバリのビオ系ワイナリーである。
裏のラベルには、「亜硫酸を添加していないが、亜硫酸を含む」との、ごく正しい注意書きが書いてある。普通、亜硫酸を添加しなければ、それだけを記すが、確かに、添加しなくても、醸造の段階でおのずから生成されてしまう亜硫酸が、わずかだが存在している。それをご丁寧に語ったのである。まあ、わざわざ、言う(書く)必要はないよね、っていうのが大勢の意見だと思うが。。。(でも、この律儀さがマウレ氏なのだろう。)
他、裏ラベルにはノンフィルターとも記されている。(でも、これはたいして珍しくない。)
興味深いのは、火山性土質、と書いてあることである。ヴェネト州で火山性???と思うのだが、ヴェネト州でもガンベッラーラだけは、火山性土質なのだそうだ。

品種は、ソアーヴェの主力品種で知られるガルガネガが80%にトレッビアーノが20%。
色は黄金色。やや曇っているvelato。ビオでノンフィルターだから、それもあり。
香りは、色からも想像するに、少し古いワインだと思った。そうしたら、何と2006年ヴィンテージ。やっぱり、ビオは正攻法では太刀打ちできないところがあると実感。ややくさみあり。また、揮発酸volatileを感じる。蜂蜜、石膏風の香り、茹でた肉、白木、花などで、完全に澄んだ香りとは言い難い。(でも、悪くないので誤解のないように。)
味は、辛い。塩辛い。火山性、って記すはずだ、と思ったりして。でないと、どうしてこんなに辛いの??との疑問が解決できない。そして、白だが、皮の漬け込みmacerazioneをしているのでタンニンを感じる。ワインの果肉polpa、厚さなどがきれい。かなりの持続性があり、塩味と蜂蜜のまじった甘辛が余韻に残る。
これで12ユーロは悪くない。しかし、売っている数少ないエノテカ(酒屋)でも、すでにに品切れのところがあり、じゃあ直でと思っても、ワイナリーでも品切れだそうである。