在イタリア、ソムリエワインノートとイタリア映画評論、他つれづれ appunti di degustazione

ソムリエ 20年、イタリアワインのテイスティングノートと、なぜか突然のイタリア映画評論、日本酒、日本茶、突然アートも

マリリアーノのパネットーネ

2007-12-22 19:01:34 | もろもろの食べ物
Panettone di Pasquale Marigliano -Campania
パネットーネがこんなに美味しいものだったとは。びっくり、びっくり、いや~、本当にびっくり!
パネットーネとは、ミラノ発祥のイタリアを代表するクリスマスのお菓子である。大きなスポンジケーキみたいなもので、ころっと丸い形がかわいい。
でも、たいていのパネットーネは、お世辞にも美味しいとは言えない。
同じようなクリスマスのケーキに星の形の釣り鐘型のパンドーロがあるが、こちらは、結構ファンが多い。だんぜんこちらの方が人気がある。
パンドーロは卵をたっぷり使って、中は何も入っていないシンプルスポンジケーキ。粉砂糖をかけて食べる。
パネットーネは普通、ドライフルーツ、または、干しレーズンが入っている。ただでさえ、パサパサして、そこに、おいしくもないドライフルーツを細かく切ったものが入っていて、ひと切れ以上は勘弁して欲しい、と個人的に思っている。(それでも、たまにはなかなか美味しいものに出会うこともある。我が家の近くに、チョコチップ入りパネットーネを造っている有名なお菓子屋さんがあるが、これは美味しいので毎年買う。)
しかし、マリリアーノのパネットーネを食べた時、これはまるまるひとつ食べられる(かなり巨大だが)と思った。それくらい、美味しかったのである。
色がきれいな黄色。着色ではない。卵をふんだんに使っているのがわかる。穴あきチーズみたいに、ぼこぼこ穴が空いている。甘い香りがたち、食べるとふわふわとやわらかくて、ドライフルーツもやわらかく、味がある。上に乗っているアーモンドスライスにも香りがある。
こんなに美味しいパネットーネが世の中に存在していたとは!
作ってるのはどうせミラノあたり?と思ったら、なんと、ナポリだった。(ナポリの人、怒らないでください)も、それもヴェスヴィオのふもとの無名の場所。そして、造っている職人はまだ34歳。数々の賞を取っている。いや~、本当にびっくり。

”アユート 2005” トリンケロ

2007-12-22 02:46:13 | Piemonte ピエモンテ
“A-iuto! 2005” Trinchero -Piemonte
面白いワインである。
ピエモンテのアスティで、こんなワインを造っていることも、不思議である。
と言うか、トリンケロがこんなワインを造っていたなんて。(トリンケロはバルベーラが得意です。)
品種は、マルヴァジア、シャルドネ、アルネイス。品種も面白い。
色は、濃い目のコハク色で、かなりのつやがある。一瞬、ピノ・グリジョのロゼ版の変形?と思うが、香りが違う。
香りは、ドライの花、花は黄色い菊のような。フルーツは柑橘で、オレンジのシロップ漬けなど。甘い香りがあるが、マルヴァジアから来るのだと思われる。揮発性volatileの香り、ちょっと刺激的pungenteな香りもある。他に、ミネラル、除光液の香りなど。
味は、香りとよく同調している。かなりの辛口で、ボディがある。酸がきれいだが、柔らかさもある。そして、塩味が結構あり。白だが皮の漬け込みをしているので、そこからくるのか、タンニンの渋みを感じるくらい。
色も、香りも味も、どれもがsorpresa(びっくり)。実に面白いワインである。
ネーミングは、そのまま読めば、aiuto、つまり「助けて!」。でも、別に困っているわけではない。ヒサトさま、ご無沙汰してますが、お元気ですか?