在イタリア、ソムリエワインノートとイタリア映画評論、他つれづれ appunti di degustazione

ソムリエ 20年、イタリアワインのテイスティングノートと、なぜか突然のイタリア映画評論、日本酒、日本茶、突然アートも

Pastificio Secondi di Roma e pasta alla genovese

2012-04-15 20:16:40 | もろもろの食べ物
Pastificio Seondi (ローマ)と ジェノヴェーゼのパスタ pasta alla genovese

その昔、イタリアに来たばかりのころ、町にパスタ屋があまりに多くてびっくりした。しかし、それがわかるまで、ちょっと時間を要した。というのは、パスタ屋は普通店構えが小さく地味で、店先にウィンドウがあるわけでもなく、ここはいったい何の店なんだろう、とのぞくと、奥になんだか機械があり、その手前にウィンドウがあり、作られたパスタがテキトウに並んでいる。飾り気もなく、近所の人がこれまたテキトウに入り、テキトウに買っていき・・・
そして、そんなお店が実はかなりの数があることに気がついた。
しかし時は遅し。イタリアにも慣れて、買い物が自由にできるようになったころには、町の懐かしいパスタ屋はバタバタと消えていった。食料品屋が品揃えを増やし、スーパーが台頭し、真空パック入りのパスタが普及してきて、保存のきく乾燥パスタを食べるようになって、代が変わるとともにやめていったのだと思う。


パスタはもちろん自分で作る人もいる。本当にこだわるなら自分で作ればよいのだが、そこまでする気にはなれない性格をしている。というのは、私の義母が月に1度か2度は作っていてとても美味しかったのだが、どうしてもコシに欠け、コシのあるパスタを自分で作るのは結構大変なのではないかと思っているからである。


さて、いつも行くエノテカは酒屋だが、その他、生ではない食料品、そしてお菓子類を豊富に置いている。そこのオーナー、アウグスト氏が見つけてきたPastificio(パスタ製造業者)Secindiのパスタは実に美味しかった。
試食を兼ねてスプマンテと共に試飲会をしたが、パスタが、それもどうも美味しそうなパスタが出る(タダで、そしてスプマンテつき)というので、試飲会は盛況だった。
そこでも何種類か食べたが、まあ美味しいこと。
懐かしい、コシのある、そして香りのあるパスタ。
これから毎週1回、お店に届くと言うので、これはクセになりそうである。
値段は高いが、これだけ美味しいものはどこでも手に入るわけでない。たまの贅沢としよう。


そして、パスタの隣に美味しそうなジェノヴェーゼが置いてあった。
去年、ジェノヴァで食べた、素晴らしく美味しいパスタ、おかわりまでしてしまったパスタがよみがえってくる。もちろん、パスタは違うし、あちらはレストランの手作りのはずだから(そのくらいの格だった)違うとはいえ、コシのあるパスタで香りあるジェノヴェーゼを食べてみたくなり、ご購入。
パスタの黄色とジャノヴェーゼの緑がきれいで、想像通りコシのある、大変美味しいパスタに満足したのでした。

Acqua Reale (Trento), Ribollanero (Friuli), Luigi Ghislier (Marche) -pasta e bollicine 3

2012-04-15 18:09:32 | Trentino Alto Adige アルト・アディジェ
Pasta e bollicine 3 - ultimi 3 spumanti

Ribollanoir -Primosic(Friuli)
Luigi Ghislieri Cuvee del Presidente- Colonnara (Marche)
Aquila Reale -Cesarini Sforza 2004 (Trentino)

こう見ると、スプマンテにもまあいろいろあるんだぁ、とわかっていても改めて感心。
イタリア人はスプマンテというとプロセッコ、甘ければアスティというイメージで、ちょっとワインをわかってくるとフランチャコルタ。しかし、全国各地、ヴァッレ・ダオスタからプーリアでも造っているよね~と。
(おっと、シチリアではどんなのがあったか、出てこない・・・)


Ribollanoir Primosic - Friuli
プリモジックがスプマンテを造っていたとは知らなかった。
リボッラは私の大好きな品種。数は多くはないが、リボッラでスプマンテを造っているところは他にもある。でも、概して、スプマンテではなくワインの方が好み。それも、できれば、かもしを10日とかしたタイプが。

品種は、リボッラ・ジャッラが中心のようだが、ピノ・ノワールも混じっている。
柑橘がかなり際立つ。グレープフルーツ、レモン、緑が混じってライム風、そして、フレッシュなパイナップル。酸味の好きな人には喜ばれるだろうと思うほど、さわやかな感じ。
そして、若干ほろ苦さが香りにも出ている。
シンプルなフレッシュさが心地良いが、若干ほろ苦い後味が続くのが気になる。(82点)


Luigi Ghislieri Cuvee del Presidente Colonnara - Marche
コロンナーラは一度訪れたことがある。結構大きなワイナリーだった。
品種はヴェルディッキオ。これもまた個人的に好きな品種である。
なお、タンクではなく、伝統的方式となっている。
花と柑橘、結構熟したフルーツに香草の香りがきれいで、パンの香り、ナッツの香りが香ばしい。
なかなか良いボディ、細かい泡がとても心地よく、トーストしたナッツのほろ苦さが残る。悪くない印象。(85点)

Aquila Reale Cesarini Sforza 2004 -Trentino
2004年、ミッレジマート(ヴィンテージもの)である。
品種はシャルドネ。当然、伝統的方式。
このスプマンテは飲んだことはあるだろうが、記憶にない。このエノテカで売っているのは見ていたが、絶対に手を出さないスプマンテだった。値段が結構高い(40ユーロ前後)のと、この値段なら他が、まあ贅沢は言わないけれどシャンペンも買えるかも、と思うことと、ラベルが苦手なのである。
ラベルで判断してはいけないとはいつも思うのだが、やはりラベルはワインの顔である。
クラシックかモダンかという違いではなく、やたら派手なラベルは苦手なのでした・・・

中身はちょっとびっくり。
エレガントであるが、そして強さがある。
色もしっかり、泡にも勢いがある。
甘いバニラの香りが漂い、よく熟したフルーツ、ナッツのトースト、バターなど。花も柑橘もあるのだろうが、隠れてしまっている。広がりがあり、魅力的な香り。
甘いパイナップルを思わせるインパクトで、心地よい味わい、泡は口の中ではじけ、しっかりしたボディがあり、個性、主張がある。トーストが長く持続し、満足感が大いにある。
ラベルのようにちょっと派手、華やかで、大変良いのであるが、個人的にはもう少ししっとりしたものが好みかと思った。しかし、よく出来ている。(90点)