在イタリア、ソムリエワインノートとイタリア映画評論、他つれづれ appunti di degustazione

ソムリエ 20年、イタリアワインのテイスティングノートと、なぜか突然のイタリア映画評論、日本酒、日本茶、突然アートも

Ornellaia -Tenuta dell'Ornellaia 2005

2012-04-18 09:23:41 | Toscana トスカーナ
”オルネッライア"テヌータ・デッロルネッライア 2005 トスカーナ州

オルネッライアは訪問して大変印象の良かったワイナリーである。
ワイナリーは実際に行ってみると、ちょっとがっかりとか、これだけ?とか、意外と汚かったり、または、あまりにテクノロジーが過ぎて付いていけなかったり、逆にとても丁寧だったり、非常に清潔だったり、すごく印象が良かったり、いろいろである。
オルネッライアは非常に印象の良かったワイナリーである。大きいとか、素晴らしいとかではなく、ある意味訪問者が世界からやってくるので機械的にならざるをないところ、時間をかなりオーバーしてまでも話し込むのに付き合っていただけたからだと思う。

少し前の試飲会でMassetoが出るはずだった。しかし、ほとんど当日になって変更になったようで、Massetoは??との質問がずいぶん出たが、そういえば、Massetoにはなかなかお目にかかれなくなった。昔は、頻繁にではないか、時々試飲会でお目にかかれたものだが、厳しい世の中になったものだ・・・

きれいな明るいルビー~ガーネット色。ブラックチェリー、桑の実などのコンフィが非常に魅力的に出ていている。リコリース、ミネラル、スパイス、奥にミントの香りが全体を引き締める感じで、広がりが素晴らしい。いつも思うが、優雅で凛としていて、優等性的というか、文句の付け所がないようなワインだと思う。(人の好みはそれぞれだが)
ただし、味は、今回、するっと入った。もう少し強いインパクトを知らずのうちに期待していたからかもしれない。(個人的に、どーんと入ってくるワインが好きなわけではないのでそれ以上気にならないが)タンニンは繊細(まあ当たり前だよね・・・)そして、余韻がエレガントに続く。上品で、控えめで優雅、ひけらかすことがない。(92点)


Paleo 2008 e Bolgheri 2010 -Le Macchiole

2012-04-18 07:40:06 | Toscana トスカーナ
Paleo 2008 Bolgheri Rosso2010 –Le Macchiole

“パレオ2008”“ボルゲリ・ロッソ2010”レ・マッキオーレ -トスカーナ州

レ・マッキオーレのワインを飲むのも久しぶりである。


Bolgheri Rosso 2010
品種はmerlot50%, caberbet 30%, syrah 20%
森の木の実のなど、熟したフルーツの香りがなかなかふくよかで、スパイスが加わる。パイプタバコ、リコリース、レッドペッパー、酸味のきいたヴィッショレ(酸味のあるサクランボ)など。しかし、香りの変化はやや少なめ。
程よいボディがあり、酸味がおしゃれ、最後にややアルコールが残る。(86点)

Paleo 2008
品種はカベルネ・フラン100%。
イタリアでカベルネ・フラン100%は珍しい。造っているワイナリーはあるが多くはない。トレンティーノのEugenio Rosi氏の造っているカベルネ・フラン100%を樽から飲んだ時は感動した。あの、青臭い、ピーマン臭がなく、とてもエレガントだった。やればこれだけのものが出来るじゃない、と強く思ったものだ。また、プーリアのワイナリー、ロンゴ氏のところでもカベルネ・フラン100%でワインをリリースしている。

色は深みのあるルビー色。香りが立つようで、パフォーマンスが良い。ヴァニラ、やや生木っぽい感じもある。全体に落ち着いた香りでカカオ、バルサム臭、黒タバコなど。インパクトがはっきりしていて、タンニンと酸のバランスが良く取れている。スパイスなどが残る余韻は長く続く。当然、まだかなり若い。こういうワインを今飲むのはもったいない、とつい思ってしまう。(90点)