Basilisco 2009
6 campioni vasca 2015
(ステンレスタンクからのサンプル 畑違い 6種)
友人ルカが主催する試飲会は面白いものが多い。変わっていると言ってもいいかもしれない。とにかく真面目、ひたすら真面目、また勉強熱心派なので、ひたすらメモを取り、人の意見も聞き、それを色々な角度から統計にしてしまう。
ワインはただの飲み物だい!と思っている人には理解しがたいくらい、とにかくひたすら、いろいろな角度からワインに向き合う。
彼が1年かけたというプロジェクトの試飲会が今回の試飲会。
畑ごとの違いを徹底研究。
ちなみに南のワインが好きなので(私と反対。笑)研究の対象は南イタリアのワインになることが多い。今回対象となったのはバジリカータのアリアニコで、バジリスコの造っている「バジリスコ」。
ワイナリーの協力のもと、6つの畑(ただし後述)の、まだ木の樽での熟成まで達していないワイン見本を持ってきていただき、ブラインドとブラインドではないものも含めて試飲。
ワイナリーのあるヴルトゥレは多くが火山性土質を持っているのであるが、黒い土、黄色い土と色に大きな違いがあり、畑ごとにできるワインに大きな違いが生まれる。幸い品種はアリアニコのみ、樹齢もそう違わないし、標高は違うといえば違うのだが、ものすごく大きく違いではなく、また、畑も数キロ程その距離、つまり、条件的に似ているのに、できるワインにこれだけ大きな違いが生まれるということは、わかっていても結構驚きだった。
さて、資料には4つの畑の詳細。なお、試飲するワインは全て2015年のもの。
A1 ワイン1
A2 ワイン2
B1 ワイン3
B2 ワイン4
ワイン1
黒土。標高が一番低く、収量が一番多く、収穫時期が9月の終わりと、一番早い。
いかにもワインらしい。フルーツ、花の香り、あずきのような香り、やや灰のような香りや、この時点ですでにスパイス風の香りも混じっている。若干重たい感じが味にもあり、太さのあるタイプ。タンニンがやや残る感じがある。+++
ワイン2
同じく黒土。収穫時期は10月初め。
同じ黒土なのにがらっと変わって、メタル、血、鉄などの香り、やや緑の香り、小さな守りの木の実となる。酸味があり、ミネラルを感じ、タンニンは細いのだがややほろ苦さが残る感じがある。+++(+)
ワイン3
黄色の土。ただし、この畑は、畑の中で黒土と黄色い土が斜めに線を描くように混じっていて、黄色い土、黒土、そのミックスと3種が同じ畑にある。それを別々に醸造するのだそうだが、今回のサンプルは黄色い土のもの。収穫量は一番少ない。
すでに沈殿物がかなりある。色が一番濃く、どろっとした厚みがある感じ。熟したフルーツに、アニマルではないが若干の臭みが混じる。酸味より塩味の方があり、アルコールを感じ、ボディがある。タンニンも存在感あり。++(+)
ワイン4
黄色い土。標高が一番高く、また北向きの畑のせいもあると思うが、収穫が一番遅く11月に入ってから。
ミネラルを感じ、紅茶、これも若干アニマルを思わせるような臭み、タタミのような乾いた干し草風の香りも混じる。酸味があり、タンニンが繊細、全体に細胃感じを受け、特にワイン3と対照的。++++
さて、次にワイン5と6が登場。
この2つは順番をその場で決めたもの。一つは黒土のものでもう一つが黄色い土のものとのこと。
ワイン5
正解は黒土のものだった。畑は違うが(C1)A1の畑のワインに似ている。
フルーツ、花の香りがきれいで、口に含んだ時に柔らかさがあり、ある程度のボディもあり、大変心地良い。++++
ワイン6
正解は黄色い土、C2の畑のものとしたのだが、実はB2の畑のものだった。つまり、6つのワインの中に同じ畑のものが2つあったということになる。
確かに、ミネラルを感じ、酸味がきれいで、似ていると思った。++++
これは騙したわけではなく、畑 A1A2B1C1 は火山性の土質の畑なのだが、B2は珍しく火山性の土地ではない畑で、火山性ではない畑はここだけなので、同じ畑から2種持ってくることになったという事。
つまり6つのワインで黒土と黄色い土の比較、火山性の土質と非火山性の土質の比較+同じ畑のワインを当てられるか、をしたことになる。
ただ、同じ色の中でもこれだけ大きな違いがあり、 土の色が違うだけが原因ではないということが明確になり、火山性の土地のワインはいいね~などという人もいるが、確かに火山性の土地のワインのタンニンはややほろ苦さを持つので、意外と非火山性のものをよりおいしく感じたり。
最後に、2009年のバジリスコの試飲。
バジリカータの印象を変えた、ある意味歴史的ワインである。
個人的には、重たく、土地っぽさがあり正直あまり好きなワインではなかったのだが、久々に飲んでみるととてもいい。しばらくたっていることもあるし、細さのある年ということもあるだろうが、最初にやや臭みを感じた以外、スパイスがきれいで、フルーツ、花の香りもまだある。木の香りはあるが決して強くはない。タンニンも繊細、フルーツが心地よく、持続性もあり、ボディはあるが重たさはない。++++(+)
6 campioni vasca 2015
(ステンレスタンクからのサンプル 畑違い 6種)
友人ルカが主催する試飲会は面白いものが多い。変わっていると言ってもいいかもしれない。とにかく真面目、ひたすら真面目、また勉強熱心派なので、ひたすらメモを取り、人の意見も聞き、それを色々な角度から統計にしてしまう。
ワインはただの飲み物だい!と思っている人には理解しがたいくらい、とにかくひたすら、いろいろな角度からワインに向き合う。
彼が1年かけたというプロジェクトの試飲会が今回の試飲会。
畑ごとの違いを徹底研究。
ちなみに南のワインが好きなので(私と反対。笑)研究の対象は南イタリアのワインになることが多い。今回対象となったのはバジリカータのアリアニコで、バジリスコの造っている「バジリスコ」。
ワイナリーの協力のもと、6つの畑(ただし後述)の、まだ木の樽での熟成まで達していないワイン見本を持ってきていただき、ブラインドとブラインドではないものも含めて試飲。
ワイナリーのあるヴルトゥレは多くが火山性土質を持っているのであるが、黒い土、黄色い土と色に大きな違いがあり、畑ごとにできるワインに大きな違いが生まれる。幸い品種はアリアニコのみ、樹齢もそう違わないし、標高は違うといえば違うのだが、ものすごく大きく違いではなく、また、畑も数キロ程その距離、つまり、条件的に似ているのに、できるワインにこれだけ大きな違いが生まれるということは、わかっていても結構驚きだった。
さて、資料には4つの畑の詳細。なお、試飲するワインは全て2015年のもの。
A1 ワイン1
A2 ワイン2
B1 ワイン3
B2 ワイン4
ワイン1
黒土。標高が一番低く、収量が一番多く、収穫時期が9月の終わりと、一番早い。
いかにもワインらしい。フルーツ、花の香り、あずきのような香り、やや灰のような香りや、この時点ですでにスパイス風の香りも混じっている。若干重たい感じが味にもあり、太さのあるタイプ。タンニンがやや残る感じがある。+++
ワイン2
同じく黒土。収穫時期は10月初め。
同じ黒土なのにがらっと変わって、メタル、血、鉄などの香り、やや緑の香り、小さな守りの木の実となる。酸味があり、ミネラルを感じ、タンニンは細いのだがややほろ苦さが残る感じがある。+++(+)
ワイン3
黄色の土。ただし、この畑は、畑の中で黒土と黄色い土が斜めに線を描くように混じっていて、黄色い土、黒土、そのミックスと3種が同じ畑にある。それを別々に醸造するのだそうだが、今回のサンプルは黄色い土のもの。収穫量は一番少ない。
すでに沈殿物がかなりある。色が一番濃く、どろっとした厚みがある感じ。熟したフルーツに、アニマルではないが若干の臭みが混じる。酸味より塩味の方があり、アルコールを感じ、ボディがある。タンニンも存在感あり。++(+)
ワイン4
黄色い土。標高が一番高く、また北向きの畑のせいもあると思うが、収穫が一番遅く11月に入ってから。
ミネラルを感じ、紅茶、これも若干アニマルを思わせるような臭み、タタミのような乾いた干し草風の香りも混じる。酸味があり、タンニンが繊細、全体に細胃感じを受け、特にワイン3と対照的。++++
さて、次にワイン5と6が登場。
この2つは順番をその場で決めたもの。一つは黒土のものでもう一つが黄色い土のものとのこと。
ワイン5
正解は黒土のものだった。畑は違うが(C1)A1の畑のワインに似ている。
フルーツ、花の香りがきれいで、口に含んだ時に柔らかさがあり、ある程度のボディもあり、大変心地良い。++++
ワイン6
正解は黄色い土、C2の畑のものとしたのだが、実はB2の畑のものだった。つまり、6つのワインの中に同じ畑のものが2つあったということになる。
確かに、ミネラルを感じ、酸味がきれいで、似ていると思った。++++
これは騙したわけではなく、畑 A1A2B1C1 は火山性の土質の畑なのだが、B2は珍しく火山性の土地ではない畑で、火山性ではない畑はここだけなので、同じ畑から2種持ってくることになったという事。
つまり6つのワインで黒土と黄色い土の比較、火山性の土質と非火山性の土質の比較+同じ畑のワインを当てられるか、をしたことになる。
ただ、同じ色の中でもこれだけ大きな違いがあり、 土の色が違うだけが原因ではないということが明確になり、火山性の土地のワインはいいね~などという人もいるが、確かに火山性の土地のワインのタンニンはややほろ苦さを持つので、意外と非火山性のものをよりおいしく感じたり。
最後に、2009年のバジリスコの試飲。
バジリカータの印象を変えた、ある意味歴史的ワインである。
個人的には、重たく、土地っぽさがあり正直あまり好きなワインではなかったのだが、久々に飲んでみるととてもいい。しばらくたっていることもあるし、細さのある年ということもあるだろうが、最初にやや臭みを感じた以外、スパイスがきれいで、フルーツ、花の香りもまだある。木の香りはあるが決して強くはない。タンニンも繊細、フルーツが心地よく、持続性もあり、ボディはあるが重たさはない。++++(+)