在イタリア、ソムリエワインノートとイタリア映画評論、他つれづれ appunti di degustazione

ソムリエ 20年、イタリアワインのテイスティングノートと、なぜか突然のイタリア映画評論、日本酒、日本茶、突然アートも

”バルバレスコ・ヴィニェート・ブリク・ロンキ 2004” アルビーノ・ロッカ

2007-10-14 06:45:15 | Piemonte ピエモンテ
“Barbaresco Vigneto Brich Ronchi 2004” Albino Rocca –Piemonte
ロンキの畑は、バルバレスコ村の南東方向。ネイヴェとの境界線近く。
品種は、ネッビオーロ100%。
色は、やや透明感があるが、ネッビオーロにしては、濃い目。爪の先まで色がある。なお、爪の色はややガーネットがかる。つやがとてもきれい。
香りは、とても華やか。奥行きがある。熟したフルーツ(プルーンなど)、花(スミレ)がきれいに出ていて、ミネラルが隠れるくらい。甘いスパイス臭が心地よく、パイプタバコ、甘いリコリースなどが良く出ている。
味もインパクトが華やか。すぐにフルーツが広がる。ボディがあり、まろやかさがあり、酸味が抑えられている。タンニンがまだ若く、塩味が程よく出ている。味の強さ、持続性が良く、後味にリキュール漬けのサクランボが残る。
発酵は同じく回転式水平ステンレスタンクを使用。熟成は、バリックと大樽が半々で18ヶ月。
華やかで、若くしても心地よく飲める感じは、ロンキの方が良いが、しばらくすると(個人的に)やや飽きてくる感もある。最初のインパクトはロンキほどではないにしても、落ち着きのあるロレートの方が、食事の場では飽きないかも知れない。

”バルバレスコ・ヴィニェート・ロレート 2004” アルビーノ・ロッカ

2007-10-14 06:43:08 | Piemonte ピエモンテ
“Barbaresco Vigneto Loreto 2004” Albino Rocca –Piemonte
バルバレスコのロッカと言うと、羽の絵のラベルでお馴染みのブルーノ・ロッカが有名だが、それとは違うのでお間違えなく。
バルバレスコは、畑名のないものと、単一畑のもの(クリュ)を2つ、合計3つ造っている。
ちょうどこの前、バルバレスコの同じ畑のものを飲む機会があった。こうやって、かなり細かい畑のものを比べられるのは大変嬉しい。
品種は、言うまでもなく、ネッビオーロ100%。
ロレートの畑は、バルバレスコ村のすぐ北にあたる。
色は、やや濃い目という感じのきれいなルビー色。つやがとても良い。なお、少し澱が見える。
香りは、レッドベリーなどの森の木の実、サクランボ、花がとてもきれい。アルコールがやや立つ感じあり。フルーツと一緒に甘いスパイスが出る。他、革、バルサム臭balsamicoが少し。ロンキと比べると、ややシンプルで、香りの変化が若干少ないが、きれいで心地よい香り。
味は、フルーツの甘さが出て、小さな木の実の味がふわっと広がる。酸がきれい。アルコールがやや立つ感じがあり、後味に熱さが残る。また、心地よい渋みとフルーツも混じる。
発酵は、ピエモンテに多い(そして値段も高い!)回転式水平ステンレスタンクを使用ということで、4-6日と、かなり短い。熟成は大樽で18ヶ月。
回転式タンクから来るきれいなフルーツの香りと、大樽の伝統的な熟成がうまくマッチした感じ。

”バルバレスコ・ソリ・ロレート 2001” ヴァラルド

2007-10-13 00:19:39 | Piemonte ピエモンテ
“Barbaresco Sori’Loreto 2001” Varaldo –Piemonte
生産数はさほど多くない、マイナーなワイナリー。1993年創設というので、新しい方である。
伝統にモダンがやや混じったバルバレスコが面白かった。最近はそういうワインは多いのだが、これは、伝統は外さず、しかし若干のモダンが加わる感じだった。モダンのスパイスを振りかけたような感じか?
品種は、当たり前、ネッビオーロ100%。
色は、やや薄めでガーネット色。爪にややオレンジがかる感じが見える。このあたりは伝統的。
香りの奥は、バルサム臭balsamico、スパイス、アニマル臭、腐葉土、ミネラル臭、わずかにキノコなどで伝統的な感じなのに、前面に、フルーツの香りと花の香りが出てくる。ブルーベリーなどの小さな森の木の実、サクランボ、スミレなど。だから、インパクトがきれいで、かわいくて、親しみやすい感じで、ともするとある、近づきがたい感じが全くない。
味も、きれいで優しく、酸が際立つ。そして、かなり塩味がある。後味に、花、フルーツが残り、心地よい。持続性はまずまずで、最後にやや消える感じがある。全体にクラシカルな印象なのに、なんだか優しい感じ、ほのかなフルーツと花の香りと味がモダンの味付けをしている。
発酵に、ピエモンテでよく見られる水平回転式を使用。その為、発酵期間が6日と短い。熟成は大樽にて2年間。値段が手軽なのがとても嬉しい。

”バルバレスコ・リゼルヴァ・アズィーリ 2000” ブルーノ・ジャコーザ

2007-10-12 23:00:22 | Piemonte ピエモンテ
"Barbaresco Riserva Asili 2000" Bruno Giacosa -Piemonte
伝統的ワインとはどんなワインであるか、というより、伝統とは何であるか、を教えてくれるワイナリーの一つだと思う。
品種は、当然ネッビオーロ100%。
30ヶ月の大樽熟成。
色は、やや濃い目のガーネット色だが、だいぶ明るめ。
香りに広がり、奥行きがある。エレガント、デリケートな中にしっかりした強さを持ち、かなり魅力的な香り。森の木の実、ややドライのスミレ、ミネラル臭、燻製の香りaffumicato、タバコ、肉の臭い(アニマルというのともやや違う?)などにミント、白コショウでスパイスを効かせた感じ。複雑に交錯する。
味にも広がりがあり、ボディがある上にエレガントさも兼ね備える。タンニンの質が大変良い。ミネラルから来るのか、鉄分を含んだ感じferroso。味の持続性が良く、かなり長く、きれいに続く。
香りも味も変化が大きく、しばらくたったら、のり、海草、梅を感じさせる後味が出てきた。
10年、20年後に飲みたい。

”ピノ・ノワール 2006” ラ・クロッタ・ディ・ヴェニェロン

2007-10-12 22:04:29 | Lonbardia, Valle d'Aostaロンバルディア他
“Pinot Noir 2006” La Crotta di Vegneron –Valle d’Aosta
フランス語併記の州なので、ピノ・ネーロではなく、ピノ・ノワールとなる。
イタリアで非常に良いピノ・ネーロは残念ながら少ない。ヴァッレ・ダオスタでもまあまあ見られるが、全体にとうしても単調な味わいである。奥深い味わいのあるものは、期待できない。それでも、よく健闘していると思う。
色は薄めで、ピノ・ネーロらしい色。つやのある明るくきれいなルビー色である。
香りは、揮発酸volatileが上がるせいか、梅、シソの香りも感じるが(おにぎりが食べたくなる)、他、レッドベリーなどの小さな森の木の実、そして、米ぬか風の香りに、奥にはガソリンっぽい香りもあった。と言うと、これはいただけないと思うかもしれないが、決してそんなことはない。
味は、優しい。シンプルで、全体にこじんまりしている。タンニンはやや渋い感じがあり、味の持続性は決して長くないが、最後は適度に心地良い。

”シャンバーヴ・ミュスカ 2006” ラ・クロッタ・ディ・ヴェニェロン

2007-10-11 20:08:08 | Lonbardia, Valle d'Aostaロンバルディア他
“Chambave Muscat 2006” La Crotta di Vegneron –Valle d'Aosta
ヴァッレ・ダオスタは小さな州で、ワインの生産量も少なく、かなりマイナーだが、それなりに良いものを造っている。そして、個人的にはかなり好きな州である。
ラ・クロッタ・ディ・ヴェニェロンは、中でも生産量の多い、また、多くの種類を造っているワイナリーである。
ヴァッレ・ダオスタにはそれは多くの品種がある(ネッビオーロもある)。それらをほとんど単一品種で造るものだから、少し大きなワイナリーになると、当然造るワインの種類が多くなる。クロッタでは、約15種のワインをリリースしているが、白、赤、辛口、デザートワインと種類もバラエティに富んでいる。
なお、ヴァッレ・ダオスタではフランス語が併用されていて、ラベル標記はフランス語が先に来る。それで、MoscatoではなくMuscatとなる。
品種はモスカート100%。
モスカート100%と聞くと、自然と甘いデザートワインだと思うだろう。しかし、これは違う。ヴァッレ・ダオスタでは、モスカートで甘口も造るが辛口も造る。これは辛口。
色は、普通の麦わら色。つやが良い。
香りは、当然マスカットの香り。一瞬甘く、あれ?デザートワイン?も思わせるところある。しかし、漂うような甘い香りはないし、スパイス臭が出てくるしで、辛口だとわかる。他に花の香りもあり、全体にシンプルで、香りの変化はあまりないが、きれいに仕上がっている。
味は、当然辛口。マスカットの味が広がるのに辛口で、一瞬あれ?とくるかも知れない。酸がきれいで、塩味がかなりある。後味に、花、フルーツと共にほろ苦さが広がる。


”セッラ・デッラ・コンテッサ 2003” ベナンティ

2007-10-10 06:40:21 | Sicilia シチリア
“Serra della Contessa 2003” Benanti –Sicilia
品種は、ネレッロ・マスカレーゼとネレッロ・カプッチョ。
19世紀にワイン界の歴史を大きく動かした(それも悪い方向へ)のは、ブドウネアブラムシ、つまりフィロキセラである。イタリアにもフィロキセラはやってきたので、フランスほどではないにしても被害は大きかった。しかし、未だに、フィロキセラに侵されていないブドウの樹がわずかだか残っている。エトナ山も、その高度ゆえ、フィロキセラがやって来なかった場所の一つである。このワインは、エトナ山の、樹齢75年から100年の畑の、フィロキセラに侵されていないブドウの樹から採れるブドウで造っている。
色は濃い目のルビー色。色に深みがある。
香りは、森の木の実のコンフィ、ドライのスミレ、やや甘い感じがパイプタバコ、アニス、リコリースなど。そして、ミネラル臭が奥にある。なかなか良い奥行きを感じる。
味は、インパクトがある。甘いくらいで、まろやかさを感じる。Grassoと言う感じ。タンニンは若いが柔らかく、味の強さ良し、持続性も充分ある。シチリアのワインだしで、当然ボディがあり、後味が甘く心地良い。

”エトナ・ロッソ・ロヴィテッロ 2003” ベナンティ

2007-10-10 06:38:14 | Sicilia シチリア
“Etona Rosso Rovitello 2003” Benanti –Sicilia
ベナンティを初めて飲んだのは、シチリアだったと思う。もうかなり前のことになるが、シチリアのレストランで勧められた。ラベルが結構印象的だったので(樽にまたがった太っちょで、バッカスだと思う)記憶に残った。その頃は、安くてちょっと良いだけのワインを造っていたというイメージがあるが、ある頃からとても良いワインを造るようになったと思う。シチリアのその他大勢のワイナリーから、今では、シチリアの名ワイナリーの一つになっている。
品種は、セッラ・ディ・コンテッサと同じ。つまり、ネレッロ・マスカレーゼとネレッロ・カプッチョ。セッラはセレクションされたブドウで造られているが、こちらはそうではないノーマルタイプと言えるか。
色はやや透明感のあるルビー色。セッラより薄め。光沢は良い。
熟した赤い木の実、スミレ、バラ、スパイス、リコリースなど、セッラと似ているがややシンプルで、比べると奥行きが違うのがわかる。腐葉土、カカオなどが出始めている感じもある。
味は、ボディがあり、タンニンの質も申し分ない。酸がワインをきれいに支えている。味の持続性も良く、後味が心地良い。
セッラよりシンプルでmeno impagnativo。(飲みやすい、というような意味。)

”ローザ・ボスコ・ソーヴィニオン・ブラン 2006” ローザ・ボスコ

2007-10-09 21:46:21 | Friuli フリウリ
“Rosa Bosco Sauvignon Blanc 2006” Rosa Bosco –Friuli
創設が1998年だから、まだ新しいワイナリーである。
ワインがリリースされた時は、それは話題になった。こんなソーヴィニオンがあるなんて!?とファンになった人も多いはずだ。その頃は、まだタルタル(樽樽)ワインが人気があったし、タルタルなだけで、これ好き!と言っていた人も多かったと思う。しかし、ソーヴィニオンらしいソーヴィニオンが好きな人には、ちょっと異質なものに感じただろう。
そう、品種はソーヴィニオン100%である。
色は、濃い目の麦わら色で黄金色に近い。つやがかなり良い。
香りは、すぐに桃。そして、乳酸っぽい甘酸っぱい匂い。一緒になって、ピーチ味の乳酸飲料を思い出した。(そんなのなかった?)香りは強く、とにかく華やか。熟した桃がきれい。以前は、木の香りがどーんとあったと思ったが、今は、木はややフルーツに隠れる感じで、それほど気にならない。しかし、どう考えてもソーヴィニオンだとは思えない。
味は、木がすぐに出る。ボディがあり、柔らかさがある。カラメル、バターなどが後味にも残るが、すぐに出てきて最後まで留まっている感じ。味の強さあり、持続性もあるが、とにかくプリンのカラメル風味が舌に残る。味も、どう考えてもソーヴィニオンとは思えない。
国際的で、華やかで、樽の香りと味、インパクトのある個性的なワインが好きな人は好きなのだろうが、エレガントなワイン、ソーヴィニオンらしいソーヴィニオンが好きな私にはちょっと疲れる。

”グラナート 2004” フォラドーリ

2007-10-09 16:24:33 | Trentino Alto Adige アルト・アディジェ
“Granato 2004” Foradori –Trentino
少し前に2001、2002年を一緒に飲んだのでそれについて記載しだが、今回飲んだのは2004年ヴィンテージ。
品種はテロルデゴ100%。
色はかなり濃い。2002年は薄くてびっくりしたが、2004年は、逆にかなり濃くてびっくりした。しかし、ワインは天候に左右されるのが当たり前なので、これだけ違って当然と言えば当然なのだが。それを無理やり修正しようと試みるワイナリーでないのが嬉しい。
香りは、よく熟したフルーツの香り。アメリカンチェリー、森の木の実のベリー系の香りで、コンフィの香りも混じる。全体に甘く心地良い。しかし、奥には樹脂resina、やや緑の香りがあり、少し青っぽいくさみが気のせいかある。
味は、ご想像通りボディがあり、タンニンがまだ若いが、質はとても良い。インパクトがあり、華やかで、万人に受ける味と香り、確かに良くできている。後味にブラックチョコ、カカオ、カフェなどが感じられ、ほろ苦さがあるが、それも心地良い。
まぁ、やっぱり全体に良く出来ているワインである。

”ミルト 2006” フォラドーリ

2007-10-09 16:09:21 | Trentino Alto Adige アルト・アディジェ
“Myrto 2006” Foradori –Trentino
フォラドーリは赤のグラナート、品種で言えばテロルデゴで有名だが、白も造っている。
品種は、ソーヴィニオン60%、シャルドネ20%、ピノ・ビアンコ20%のブレンド。
色は割りと濃い目。黄金色に近い麦わら色。まだかなり若いので、やや緑がかる感じもあり。光沢はとても良い。
ワインの温度が低かったのもあるが、すっきりと柑橘系の匂いがきれいだった。そして、花の香り。ミルトmirtoギンバイカと、綴りがちょっと違うが、花と緑と茎の香りが一体となって、それらしき香りが漂う。そして、白コショウなどのスパイスが若干、ミネラルも混じり、数年後にゴム臭が出そうな予感。
味は、北のワインだしで、酸がきれい。そして、塩味がかなりある。(イタリアワインは、一般に結構塩辛い。)白にしてはボディがあり、花の香りがきれいで、後味も悪くない。しかし、最後にふっと消える感じあり。
バリック熟成(8ヶ月)だが、フルーツの香りが見事に樽をうまく隠している。ただし、15ユーロという値段がちょっと高いかな、という気もする。

ローマ在住の方に メガネ屋さんの紹介

2007-10-09 15:54:39 | もろもろ、つれづれ
 海外に住んでいると、いろいろなことで困ることがある。人に聞くのもどうかと思う些細なこと、突発的な出来事、言葉の問題などなど。。。解決していくのに、助けてくれる友人がいればいいが、友人も知らない分野だったりするとお手上げ状態の時もある。
さて、メガネ、コンタクトのことで困ったら、ぜひ、思い出して欲しい。
経営者のアントニオ氏は、コンタクトレンズに関してはかなりの権威を持ち、奥様の谷口祥子(しょうこ)さんと共にメガネ屋さんを営む。また、今は補習校に通っていたお嬢さんのゆうこさんも、すっかり大きくなってお店を手伝っている。
場所は、ローマ-ラクイラのPalmiro Togliatti出口(G.R.A.の手前)から本当にすぐだから、車があればそう遠くは感じないはず。
日本語でOKだし、値段は良心的だし、また、必要な視力検査などもその場で丁寧にやってくれる。イタリアでも自分に合うコンタクトが欲しい、メガネのレンズが合わなくなったので変えたいなどなど、多くの相談に丁寧にのってくれる。
祥子さんはいない時もあるので、事前に電話で確認を。
EUROCONTACT  Viale Sacco e Vanzetti 165 tel 064064319

”スフォルツァート・ディ・ヴァルテッリーナ・カヌア” セルトリ・サリス

2007-10-04 05:25:13 | Lonbardia, Valle d'Aostaロンバルディア他
“Sforzato di Valtellina Canua” Sertoli Salis -Lombardia
セルトリ・サリスの試飲会があった。ローマでこういう試飲会を行うのは初めてとのこと。ヴァルテッリーナ・スーペリオーレ2種に、スフォルツァート・カヌアのヴェルティカーレverticale(縦型試飲)、4ヴィンテージが紹介された。
ヴァルテッリーナのワインは、ローマからだと距離的な問題があり、まだあまり多くのワイナリーが紹介されていない。しかし、サリスはとても良いワイナリーの一つである。
17世紀から続く名家ということだが、かなり立派な宮殿を持っている。ワイン造りの歴史も実に古い。シャルドネとネッビオーロ(キアヴェンナスカ)で造ったスプマンテ、ネッビオーロの白ワインも含めて、バラエティに富んだワイン造りをしているが、看板ワインがカヌア。スフォルツァート、つまり、力を加えた、手をかけたという意味の陰干しワインで造った辛口赤ワインである。ワイナリーからスイスまで3キロの距離とのことだが(つまり歩いて45分??)、イタリアで最北の一つに位置し、標高も高い訳で、ボディのあるワインを造ろうと思うと、ぶどうを陰干しすることになる。(醸造のコンセプトはアマローネに似ている。)
品種は、地元名でキアヴェンナスカ、つまり、ネッビオーロ。ネッビオーロの歴史は、このあたりの方がピエモンテより古いのだそうだ。
まず、2003年。
色はガーネット色に変化中。やや透明感のある赤。
香りは、フルーツがきれい。そして、花。リコリースがはっきり感じられる。他に、チョコ、ギンバイカmirtoなどの緑の香り。
味は、インパクトがほの甘いくらい。まろやかさがあり、また、タンニンがまだ若くはっきりしている。酸がきれい。フルーツの後味が心地良い。
2002年。他はともかく、ヴァルテッリーナでは非常に良いヴィンテージ。
色が濃い目で、ガーネット色。
香りは、フルーツがコンフィになっている。森の木の実、プルーン、ベリー系、赤リンゴなど、フルーツコンポのよう。他、スパイス、タバコ、リコリース、バルサム臭balsamico、チョコ、トースト臭、カフェ、栗など、奥行きが実にきれい。
味は、柔らかく、甘く感じるくらいで、ボディがある。タンニンがしっかりしていて、味の強さ良く、持続性も申し分ない。凝縮感があり、ワインの肉厚さpolpaを感じる。
2001年。
再び薄め、透明感のある色。ガーネットで、爪がオレンジがかるくらい。
香りは、キナ、ベルガモットなどで、ほろ苦さを感じる。他にサクランボのコンフィ、バルサム臭などのスパイス、ミネラルなど。全体にかなりエレガント。
味もエレガントさが勝る。酸がとてもきれいで、タンニンがあるが、隠れるくらい。結構塩味有りで、味の持続性がとても良い。やや細めだが長い。
1997年。
ガーネット色。かなり濃い目。年により、こうも色が変わるとは。
やや緑がかった香りあり。最初はやや閉じているが、しばらくして、スパイス、チョコ、タバコ、腐葉土、ミント、アメリカンチェリー、トースト臭など、いろいろ出てくる。
味は、タンニンがだいぶ柔らかくなっている。酸がきれい。エレガントで、カカオとフルーツの混じった後味がとてもきれい。きれいに熟しているが10年経っているとは思えない。また、2001年と4年の差とは思えないくらい、まだ若さが端々に残る感じ。

”サン・ジョルジョ 2001” ルンガロッティ

2007-10-03 04:12:05 | Marche, Umbriaマルケ、ウンブリア
“San Giorgio 2001” Lungarotti -Umbria
ルンガロッティの看板ワイン。カベルネ・ソーヴィニオン%、サンジョヴェーゼ40%、カナイオーロ10%。
カベルネも入っているし、色がかなり濃い。グラスを回すと、壁面にぺたっとルビー色が張り付く感じ。こういうのをmacchia bicchieriと言うが、そんな感じ。
香りが強い。看板ワインだし、インターナショナルを目指すワインだし、こうでなくちゃ。プルーン、ブルーベリー、桑の実のコンフィ、ドライになったスミレとバラ、スパイス臭は赤コショウ、タバコ、バルサム臭balsamico、リコリース、キーナ、バニラなどなど。インターナショナルはこうでなくちゃ。
味は、インパクトがどどーん、の上にボディがある。まろやかさがきれいで、甘く感じるくらい。アルコールは申し分なく、タンニンの質にも充分な注意が払われ、後味も甘くきれいで、フルーツのコンフィが残る感じ。インターナショナルは、やっぱりこうよね!(あー、疲れた。。。)

”ルベスコ・リゼルヴァ 2000” ルンガロッティ

2007-10-03 04:10:19 | Marche, Umbriaマルケ、ウンブリア
“Rubesco Riserva 2000” Lungarotti -Umbria
昔は良く飲んだ。。懐かしい~。
品種はサンジョヴェーゼとカナイオーロのブレンド。
色はやや濃い目のルビー色。細かい澱が最後にグラスに残る。
香りは、アニマル臭があり、毛皮風。なめし革、インク、そして、パイプタバコなどのスパイス臭、腐葉土などに、フルーツ臭は、桑の実moraが混じる。
味は、ボディがどーんと感じられる。アルコールも強い。タンニンは、ちょっとしびれる感じで、やや苦味がある。味の強さは良く、最後にカフェ風のほろ苦さが残る。