在イタリア、ソムリエワインノートとイタリア映画評論、他つれづれ appunti di degustazione

ソムリエ 20年、イタリアワインのテイスティングノートと、なぜか突然のイタリア映画評論、日本酒、日本茶、突然アートも

”トッレ・ディ・ジャーノ・ヴィーニャ・イル・ピーノ 2005” ルンガロッティ

2007-10-02 17:15:37 | Marche, Umbriaマルケ、ウンブリア
“Torre di Giano Vigna Il Pino 2005” Lungarotti -Umbria
ウンブリアは海に面していない。そして、イタリアのちょうど真ん中に位置している。それが、「イタリアの心臓」と呼ぶ由縁の一つである。
海に面していないので、料理は当然肉料理。だから赤ワインが多いし、赤ワインが料理に良く合う。しかし、夏の暑い時、軽めの食事、おつまみから始める時には白ワインも欲しくなる。ウンブリアは白ワインはやや苦手だが(いくつかを除いて、特筆できるワインがない)まあまあのものはたくさんある。値段が比較的安いのは嬉しい。
「トッレ・ディ・ジャーノ」は畑名のないベースの白もある。これは畑名入り。
品種は、どちらもトレッビアーノとグレケットのブレンド(こちらは70%、30%の比率)。ベースのはステンレスタンクのみだが、こちらはバリック熟成3ヶ月。
かなりつやがある。最近はノンフィルターも多いし、自然派ワインを飲むことが多いので、これだけの輝きはちょっと久しぶりな感じ。
色はやや濃い目の麦わら色で、やや緑がかる。
香りは、スプマンテにも共通のフルーティがここにもある。華やかで、最初、ふわっ、次に、どーん、と来る。そして、木の香り。イタリアも最近はタルタル(ソースではない。樽・樽)は敬遠されがちなので、どーんとは来ないが、じわっと出て、そのまま留まってる感じ。香りは甘く、バニラ風が漂い、ミネラルがあり、ニワトコsambucoなどの緑の感じがほのかに感じる。
味は、フルーツより木が勝る。柔らかく、ボディがあり、主張が強い。塩気もあり、後味は、程よく続く。最後は、ミネラルを含んだナッツ系の感じか。
Vino ben costruito.(一応、ほめ言葉です。)

”ルンガロッティ・スプマンテ・ブリュット2003” ルンガロッティ

2007-10-02 16:25:16 | Marche, Umbriaマルケ、ウンブリア
“Lungarotti Brut 2003” Lungarotti -Umbria
ルンガロッティの試飲会があった。ウンブリアのワインの歴史を造ったワイナリーである。
ウンブリアはローマから近いので、ドライブがてらワイナリーも見に行ったし、併設のワイン、オリーブ&オイル博物館も見に行ったし、ワインもよく飲んだものだ。しかし、ワインの世界はあまりに広く、だんだんとメジャーなワインから離れて行き、本当に久しぶりに飲んだという感じ。
10種のワインの中から印象にいくつかをご紹介。
まずは、スプマンテ。ルンガロッティのスプマンテなんて、と言わず、とにかくご紹介。
シャルドネとピノ・ネーロのブレンド。メトド・クラシコである。つまり、シャンペンと同じ瓶内2次発酵方式。期間は36ヶ月。
色は、心持濃い目くらいの麦わら色。泡はかなり細かいが、数は少ない。正確に言うと、しばらくしたら、ほとんど消えてしまう、ほのかに立つだけ、という感じ。光沢は非常に良い。
香りは、ひたすらフルーティ。イタリアによくあるスプマンテのように、とにかくフルーティ。ただし、メトド・クラシコなので、プロセッコとは違うフルーティさ。フルーティさに加えて、奥行き、厚みがある。赤リンゴstarkに、ブリオシュ(コルネットcornetto)、リンゴパイstrudelのような甘さが続く。これは、メトド・クラシコの特徴である酵母の香りとフルーツが一緒になって甘いパンになったという感じである。また、ミネラル系の香りも、隠れて存在している。
味は、やはりイタリアによくあるスプマンテのように、とにかく、どーんとしている。泡が舌にまとわり付く感じがやさしくてきれいで、どーんとしたボディを少しでも和らげている。味の強さ、あり、というかあり過ぎ。長さは良いが、最後に、割りときれいにほろ苦さが残る。
イタリア人好みのスプマンテだと思う。スプマンテに上品さを求めるのではなく、華やかな香りと味を求める。地元のレストランで、スプマンテで始めよう、という時にはぴったりである。

”キャンティ・クラシコ 2003” サン・ジュースト・ア・レンテンナーノ

2007-10-02 05:30:02 | Toscana トスカーナ
"Chianti Classico 2003" S.Giusto a Rentennano -Toscana
ペルカルロ(サンジョヴェーゼ100%)とリコルマ(メルロー100%)で有名な、レンテンナーノ。キャンティにあるので、当然キャンティも造ってる訳だが、なんとなくキャンティの印象が薄いような。。もちろん、ヴィンサント(かなり美味しい)も造っている。
品種は、サンジョヴェーゼに、伝統的なカナイオーロを5%程度混ぜている。
色はやや暗めのルビー色。爪がややガーネットがかる感じ。色調の濃さは程よい。
香りは、フルーツのコンフィがきれい。サクランボ、森の木の実(ブルーベリー、、桑の実など)、ややドライになったスミレ、リコリースなどのスパイスなどに加えて、チョコ、カカオが出始めた感じ。アニマル臭、腐葉土などがもうじき出そうな予感。
味は、まろやかで、結構インパクトがある。酸とタンニンのバランスがうまく取れている。ボディがあり、アルコールも感じる。味の凝縮があり、肉厚carnosoな感じ。強さあり、後味も程よく長い。最後、心地よい渋みが残る。後味は、フルーツのブラックチョコがけ風。
最近はキャンティも随分高くなったが、これは、品質と値段のバランスが大変良い。