(写真はテヘランの南のバザール。2007年9月)
記録だけ
2008年度 70冊目
明治大学公開文化講座 Ⅲ 『文化・空間』
発行 明治大学人文科学研究所
風間書房
昭和10年10月5日 第1版発行
310ページ 700円+税
図書館には無かったため、こどもに、明治大学公開文化講座 Ⅲ 『文化・空間』を頼む。
明治大学公開文化講座シリーズは『悪』に続いて二冊目。
今回も興味深い話が多き、一気に読了。
この本は、文化・空間に関する 八人の公開講座をまとめ上げたもの。
印象的な内容だけ、記録しておこう。
三、三味線音楽の受容と学問
大久間 喜一郎
「六法」「六法者」「六法伊達男」
「六法」の六は「ム」→「無法者」
助六→京都『河東節(かとう)』「万屋助六」
→江戸「花川戸助六」
五、現代文明になかでの演劇の位置
鈴木 忠志
ギリシャ劇①(伝統演劇)
「ああ、神も照覧あれ」
「頼りにならない神々とお恨み申してはみるものの不幸にあえば、やはり神々を呼ばずにはおれぬもの」
能② 松をたてる(現在、能舞台の課上板に松を映す)
歌舞伎③ 櫓
①②③ →クラッシックな演技
②③の地団駄→(宮田登のいう地鎮祭)
リアリズム時代
イプセン、チェーホフ
六、負の空間のボディー・イメージ
ー主として都市としてー
栗本 慎一郎
川を境にした文化、境界
正倉院
若狭につながる井戸→若狭井→お水取り
東大寺
若狭→ペルシャ
神社 == 大道芸 == 村
(川)いかがわしい見せ物も含む(川)
(神中・墓)
七、文学における建築空間
原 広司
この項目には学生の記した鉛筆の後が多かった。
・・・能の間をとる。そういうときに「冷える。」つまり「体温が下がる」という象徴性・・・という部分にもラインや囲みがある。
この印を付けた学生も、本当はタブーとはいえ、かわいらしいくて、好感が持てるな。
とにかく興味深く、読んで楽しい書物の一つ。
再度読みた苦なり、手元に置きたくなる秀作。