先日から二本も続けてテレビで興味深い特集が行われた。
一つは夜中の1時55分まで放映された「団菊祭」の『白波五人男』
この日は家族四人が途中まで観ていたので、夜中とはいえ 賑やかなことこの上なし。
ご近所の皆様、申し訳ございません。
ただ、窓は閉め切っていたのと、テレビの音量は控えていたので、聞こえてはいなかったとは思うけれど・・・。
言い訳は続く ><;;
台詞にあわせて、こどもが
「しらざぁ いって きかせやしょう・・・。・・・・・・・・・。」
とはじめたから たまらない。
テレビはみたいは家族は気になるはといった感じだったが、これもまた我が家の持ち味かと思えば あきらめもつく。
キセルの
『KON !』
が 二回たたかれたからたまらない。
間延びした
『KO~N ! KO~N !』
に対して、こども二人が口々に、
「二回ね・・・。」
「二回は ダメだな。」
「二回はしまりが無いよね。」
から始まり、
「菊父さんはダメだろ。弁天は若くなくちゃ。」
「ウン、うまいのは分かるが・・・。弁天はねぇ、あくまでも中性的でなくっちゃ。菊五郎父さんは今や、きついかもね。」
「息子がいいよ。」
「菊ちゃん(菊之助丈)は、ぴったりだね。」
「『弁天小僧 菊之助とは、おれのこったい!』は、菊ちゃんに言わせたいね。」
・・・・・・二十歳そこそこの二人の会話は よる夜中、長時間続く。
追記しておきますが、私は一切いっていませんよ。
こどもたちですから・・・悪しからず、お許しのほどを・・・って事にしておきましょう。
菊五郎丈も好きな役者さんですから。
二本目は 出石の永樂館の杮落とし。
これは私一人で静かに観ることができた。
夕方の特集番組で、出石の人々の努力に加えて、こけら落としの様子もそこそこ詳しく放映。
おねりの様子は、華々しい。
秀太郎丈のプロ根性に徹した男前で満面の笑み。
両手を振っての応対は好感が持てる。
愛之助丈の人力車には、ご贔屓の女性お二方の花吹雪持ってもお出迎え。
愛之助丈も汗を流しながら、笑顔で接しておられた。
こけら落としの演目は『奴道成寺』と『操り三番叟』。
『奴道成寺』は愛之助丈なら、結構格好いいだろうなと想像がつく。
こけら落としには、どこ之劇場でも必ずと言っていいほど演じられる 三番叟。
こちらの演目は、どうだろうか・・・。
三番叟はざっと考えても、かなりの数の演目が思い浮かぶ。
単純そうに見えて、奥深いのが三番叟だ。
リズムや足、表情など、結構難しい。
加えて 『操り三番叟』は人形にならねばならない。
また、『操り三番叟』は 故 実川延若丈の印象が強いだけに、かえって興味深い。
三番叟の意味合いは以前二何度か このブログでも取り上げたことがあるが、民俗学的に考えても、興味深い。
役者がどこまでこういった内容をふまえて消化し、演じきるかが 見所の一つだろう。
それにしてもこの三番叟、衣装もいいが音楽もよい。
以前は三番叟はとても好きで、小芝居、素人芝居も含めての写真を集めていたが、最近はそういった事まではしなくなったな。
でも、正月など、一人でリズムをスイングしていることは今でもあるんだ。
なんだかんだと一人放送を観ながら 物思いにふけり、出石のおおかぶきのこけらおとし特集を、漠然と眺めていた。
こういった余白の時間は、私は好きだな。
余談だが、今年の七月歌舞伎では、昼の部の会場前に 鈴木アナウンサーを見かけた。
初めは松竹座横の本屋。
その後 松竹座正面で、歌舞伎舞台のカメラマンと挨拶を交わされていた。
夜の部の会場待ちの時間では、キャップをかぶられ、男前の付き人にガードされた 我當丈を見かけた。
ちなみに我當丈は楽屋出入り口からは入られる、やはり上出の本屋前から地下食堂街の端の松竹座出入り口に入っていかれた。
見事な早足早業楽屋入りで、他の客は誰も気づいておられない。
お見事!
素顔の我當丈・・・とっても男前だったよ。
ちなみに、家族の場合は褒めてもいやがらない役者といやがる役者がいるようだが、我當丈は、かなり好きな役者の一人らしい。
安心して褒めることができる。
よかった よかった これで安心・・・