『年中行事絵巻』日本絵巻大成 8-10 【巻一 院御所(法住寺殿)、窠文(かもん)他】三十四〜四十紙 中央公論社 小松茂実編
【巻一 院御所(法住寺殿)】三十四〜四十紙
院御所(法住寺殿)の寝殿の南面。
窠文(かもん)を表した縄張り。
寝殿は南廂(みなみびさし)から周縁(まわりえん)の簀子(すのこ)
院司で主上到着を法皇に奉上して戻るところ。
院御所(法住寺殿)
1 上皇の居所。仙洞 (せんとう) 。藐姑射 (はこや) の山。
2 上皇の呼称。
法住寺
法住寺(ほうじゅうじ)は、京都市東山区にある天台宗の寺院。後白河法皇ゆかりの寺である。
窠(カ)
巣。鳥や獣の巣。地中にある巣。
穴。くぼんだ穴。
部屋。家。
窠文(かもん)
元来動物の穴巣を意味している。
転じて円形の区画を穴巣に見立てて、そのなかに唐花(からはな)が入っている文様を窠文(かもん)という。
またその形が瓜(うり)を輪切りにしたときの断面に似ているので、木瓜文(もこうもん)とよぶ場合もある。
元来中国の唐代、朝服に用いられた文様の一つであったが、奈良時代に日本に伝わり、のちに公家(くげ)の有職(ゆうそく)文様となる。
この文様は、単独に使用される場合と、霰(あられ)の地文と結び付いて、窠に霰文様となる場合がある。
後者は中世以後の表袴(うえのはかま)や裳(も)に多く使用される。[吉村元雄]
南廂(みなみびさし) (大辞林)
清涼殿の南庇みなみびさしにある、殿上人の詰め所。院の御所にもあった。殿上。
南廂(みなみびさし) (日本大百科辞典)
清涼殿の南廂(みなみひさし)をいう。
殿上人はここに控え、上の戸から東廂の御前に参進した。
常には蔵人が詰めており、また、公卿の僉議(せんぎ)も行なわれた。
清涼殿の控室・事務室・会議室を兼ねた所で、台盤(だいはん)、出御の際の椅子(いし)、殿上の簡(ふだ)、鳥口(とりぐち)の文杖(ふづえ)などがおかれている。
殿上。
※侍中群要(1071か)五「候二殿上之間一大臣被二参来一者、起座レ隠去」
主上
天皇を敬っていう語。 おかみ。 至尊。
法皇
現在の天皇を指す意味で、今上天皇(きんじょうてんのう)と呼ぶこともあります。
上皇とは太上天皇の略で、天皇の位を後継者に譲った天皇の称号です。
太上天皇のことを「院」と呼ぶこともあり、平安・鎌倉時代にあった「院政」とは、この呼名からきています。
法皇とは太上法皇の略で、出家した太上天皇に送られる称号です。
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