乱鳥の書きなぐり

遅寝短眠、起床遊喰、趣味没頭、興味津々、一進二退、千鳥前進、見聞散歩、読書妄想、美術芝居、満員御礼、感謝合掌、誤字御免、

東海道中膝栗毛 三巻 7 十丁裏 十一丁表  十返舎一九 通油町(東都) : 栄邑堂, 享和2-文化11

2020-08-25 | 十返舎一九

 

 東海道中膝栗毛 三巻 7 十丁裏 十一丁表  十返舎一九 通油町(東都) : 栄邑堂, 享和2-文化11

 

 

 

 東海道中膝栗毛 三巻

 発端,初,後,3-8編 / 十返舎一九 著

 十返舎一九 1765-1831

 通油町(東都) : 栄邑堂, 享和2-文化11[1802-1814]序

 18冊 ; 19cm

 滑稽本
 書名は発端の巻頭による その他の巻頭書名:浮世道中膝栗毛,東海道中膝栗毛 序題:膝栗毛 題簽書名:浪華見物滑稽膝栗毛 見返し題:東海道中滑稽記膝栗毛,洛中滑稽之記膝栗毛 扉題:中ッ腹五十三次売ッ尻道中之記
 序:芍薬亭主人ほか
 共同刊行:河内屋太助(大阪心斎橋唐物町)ほか

 和装
 印記:拾翠艸堂児戯之記

 読んでいるのは、早稲田大学 ヘ13 03123 3巻目

 

 

十丁裏

斯(かく)て山中といへる建場(たてば)に似たる、爰ハ両側に、茶

屋軒をならべて、「おやすみなさいまァし、くだり

諸白(もろはく)もおざりやァす、もち(餅)よヲ、あがりやァし、いつ

せんめしヲあがりやァし、お休みなさいやァし/\

弥二「きた八、ちつと休んでいかふ、 ト ちゃ屋へ入る、此内のにハにつきたてたる、へつついのまへへ

おもてのかたより、たけのきせるをくはへて、一人のくもすけ、ずつと入り、「おへねへひやうたゝれどもだ、

ある熊や、どぶ八目が、峠まで長持ちでゆつたァな、

 

十一丁表

ひとりのくもすけ「ゑいは、そんざいあびてが、あんどんにげんこ(五十)ハ

ふんだくるべい、この長もちといふハ、六百の事、あびごといふハ、さりての事也、今一人「コレそりやァ

ゑいが、コノやろうが、しやらくを見ろべ、しつかりもん

つきをきァがつた、酒ごもきている雲すけ、「きんによう(昨日)、小田原

の甲州屋で、やらやつと壱まいもらつてきたが、あん

まり裾が長くて、お医者様のよふだとけつかる

丸はだかのくも、「やろうめらァ、工面がゑいから、すきなものをき

やがる、こんぢう(此中)内から、はだかでゐりやァ、がら

 

建場(たてば)

  江戸時代、宿場と宿場の間の街道などで、人足、駕籠かきなどの休息した所。

  明治以後は人力車や馬車などの発着所をいう。

 2 人の多く集まる所。たまり場。

 3 位置。たちば。

  業者がその日に集めた廃品を買い取る問屋。

諸白(もろはく)

 諸白(もろはく) とは日本酒の醸造において、麹米と掛け米(蒸米)の両方に精白米を用いる製法の名。

 または、その製法で造られた透明度の高い酒、今日でいう清酒とほぼ等しい酒のこと。

 一方、麹米は玄米のままで、掛け米(蒸米)だけに精白米を用いる製法、またはその製法で造られた酒のことを片白(かたはく)という。

 麹米、掛け米ともに精白しなければ並酒(なみざけ)と呼ばれた。

諸白(もろはく)もおざりやァす、

 → 諸白(もろはく)もございます

げんこ(五十)

 ① 固く握った手。

 ② 〔近世、馬子、駕籠(かご)かきなどが用いた隠語〕 五・五〇・五〇〇などの金額。片手

甲州屋

 実家の宿屋か、酒屋。(日本古典文学全集 頭注)

やらやつと

 やっとの事で。(日本古典文学全集 頭注)

裾が長くて

 医者の着る気長い合羽に見立てて(日本古典文学全集 頭注)

 

 

 

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