がじゅまるの樹の下で。

*琉球歴女による、琉球の歴史文化を楽しむブログ*

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鬼鷲in宜野湾

2016年02月12日 | ・現代版組踊レポ

 

鬼鷲ー琉球王尚巴志伝ー

2016年2月11日(祝)

宜野湾市民会館大ホール

 

 

夜の部に行ってきました!

去年の3月の公演以来、1年ぶりの鬼鷲。

初演からたぶん毎年・毎回見てる鬼鷲(翔べ!尚巴志)ですが、
毎回毎回、物語が濃く・深くなっている気がします。

成熟した肝高の阿麻和利とは違って、
まだまだ成長途中の鬼鷲、というところでしょうか。

今回も楽しませてもらいました!

 

 

*宮沢さんのナレーションで一歩踏み込んだ歴史エッセンス*

シークレットゲストの宮沢和史さんは
ナレーションで冒頭から登場!

生?と思ったら録音だったんですね(^^;)そりゃそうか?

で、今回はこのナレーションを活かして
歴史エッセンスが結構入ってた印象。

散在している第一尚氏の墓(→
伊波按司と尚家との関係、
尚泰久と石川伊波の乳母(→
アカインコと尚真の接触、
尚真の治世についてなどなど。

歴史の空白や謎を想像(フィクション)する、
その想像の材料となるのが
歴史書に書かれていること、
今現在残っているもの、
伝わっている話。
それらが丁寧に解説されてる感じでした。

まったくのフィクションじゃなくて、
歴史的資料に裏打ちされたフィクション、というか。
リアルなフィクション、というか。

パンフレットで平田さんも書いてたけど、
(1505年の設定でオギヤカが死んで尚真が自立した年っていう裏設定にも唸った~!)
制作の側にそういうのがしっかりあって、
また、それを観客にも伝えるってのが
今回顕著だったと思う!

 

うんうん。

やっぱりこういうのはあったほうがいいよ!
(阿麻和利もそういう一歩踏み込んだエッセンス復活させないかな?)

そうやって、劇を観た人が歴史を知り、
一歩踏み込んで歴史を学ぶきっかけになってくれたらいい。

 

あ、でも尚真が刀をすべて取り上げてってのは
これで琉球は武器を持たない平和な国になった…
ということではないので誤解なさらぬよう。

按司たちを首里に集めて武装解除はさせたけど、
国としての軍事組織はバリバリありましたので。

 

また、ナレーションでつなぐので、
場面転換やクライマックスでのじっくり暗転も
間延びせずいい感じでした。

 

 

*シンさん*

前回よりもよりはっきりとした尚真としてのシーン。
(おとちとのもいがねは出番無し)

物語としての根幹の1つと言ってもいいほど
重要なキャラクターとして立ってきましたね!

国造り、という点での共通点。

これからの琉球を、という視点で
原点を見つめる、というか。

しかし、クルチのシーンは…(苦笑)

ひそかに「くるちの杜」のアピール入れてきましたね(笑)

ちなみに。

気さくでほがらかで、
オモロ君とのコンビネーションもばっちりなシンさんでしたが、
裏設定通りなら、あの時、尚真、40歳です(笑)

 

 

*攀安知と本部の死後*

攀安知君、白熱の演技(拍手)!

酒のシーンもうまくキャラ表現に使ってましたね。

死に際の狂い方も素晴らしい。

そしてその後の、あのシーン。

ゆったりとした古典に合わせた静かなシーン。
亡霊になった攀安知、死にゆく本部、
避けられない戦に苦悩する尚巴志。

うーーーん………

意味深……

ここはあと数回見て咀嚼したいシーンです。

でもあれがあることで
独立して強い印象だった攀安知VS本部が
またちゃんと尚巴志への意識に戻ってきた
という感じはありますね。

 

きよらが神歌を歌うなど、
神女としての立ち位置がもっとあってもいいのかなーと思ったけど、
(昔はこのあたりにちょこっとあったよね?)
霊を弔うとか…
はてさて…。

 

 

*役者チーム*

パンフレットには役名記載がなかったので
詳しくはどれが誰だかわからなかったけど、
わぁ、尚巴志まさかの女の子キャスト!?
アスカさん以来だ…。
(でもあれはある意味特別枠公演だったしなぁ)

でも女の子とは思わせない力強さとカッコよさでしたね!
見ていて女の子が演じている、という違和感は感じませんでした。

主演女優(男優!?)賞!


オモロ君はノリというか演技が
初代オモロ君(→カイト君)そっくりでびっくりしました。
攀安知はリキ君を彷彿させました。


ちょっと懐かしかったよ。

あの時代がワタシにとっては一番濃くて印象強いせいかな。

 

でも鬼鷲チームは全県から募ってるだけあって
全体のレベルがいつも高いよね。

半数以上が初参加とは信じられない。

素晴らしいですね!

 

 

*衣装リニューアル*

天も海も地も衣装全面リニューアル。

え、なんで??

もともと鬼鷲の衣装はショー要素が強くて
すごく華やかで独特で好きでした。

その分、これまでに比べればやや地味になりましたが、
地の衣装がなんか辛子色のガウチョパンツとか、
普段着にできそうで気に入りました(笑)

 一から縫製したお母さん方、
お疲れさまでした!

 サメのシーンの入りも音楽変わってて
(神秘的な海の中という導入がカットですぐに鮫!)
かっこよかったな!

 

 

*宮沢さんと平田さんのW生歌でのシンカヌチャー*

アンコール?では宮沢さんが登場しての
生歌生演奏でのシンカヌチャー!
もちろん平田さんも加わって。

やー、久しぶりに見る!

さすがの迫力!かっこいい!

やっぱりパフォーマーとしての平田さんが
1番かっこいい
(ひとり舞台、また観たいなぁ)

 

 +

 

チーム鬼鷲のみなさん、スタッフさん、
お疲れさまでした!

素敵な舞台をありがとうございました。

 


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