Ship of the Ryukyu
創作組踊
「五月九月(ぐんぐゎち くんぐゎち)」
2016年12月11日
テンブスホール
肝高の阿麻和利の翌日に行ったのは
現代版組踊ではなく、
創作組踊の「五月九月」
前々からこの演目は気になっていて、
だけどなかなかタイミングが合わなくて
まだ見れてなかったのですが、
今回は「趣味=舞台鑑賞」が復活したこともあり
当日券購入で見に行ってきました!
結論。
かなり、
笑わせてもらいました。
あらすじは、
五月(ぐんぐゎち)と九月(くんぐゎち)を間違えて
冊封使と薩摩役人たちの接待をWブッキング
してしまったことからのドタバタ劇。
踊奉行、楽童子、地謡、
登場するのは通常、琉舞やウチナー芝居、組踊などで見慣れている
衣装・メイクの演者たち。
いつもすました顔で踊って演じているあの人たちが、
あの扮装のままあくびをしたり、走ったり、驚いたり、叫んだり、
まぁ~、喜怒哀楽をむき出しにして
そのギャップがとにかく面白い。
表舞台の顔と、裏の顔、
その二つが見れてとにかく人間臭い(笑)
いつも高尚な存在感を醸し出して浮世離れしている踊り手たちを
すごく身近に感じることができました。
言葉は方言も入ってるんだけど、
割と聞き取れるレベルの方言で、
本土の人だったとしても
歌の2番では現代語歌詞になっていたり
とりあえず雰囲気はわかる、という感じでノープロブレム。
冊封使と薩摩からのVIP。
ごまかしごまかししながら
様々な演目を披露していくんだけど、
こうやって演出されると
とても楽しく見れますね!
踊っているものは伝統的な演目でも
決して退屈には感じない。
メリハリがあるからかな。
地謡の人たちも演技します!
組踊(護佐丸敵討=二童敵討)では
さらにはちゃめちゃで、
もともとの「正しい舞台」を知っている人にとっては
余計に楽しめたんではないでしょうか。
両方知ってると更に楽しめる、
相乗効果ですね☆
舞台セットもとってもシンプル。
赤と黒の両面のついたてを
うまく変化させながら、
冊封使用、薩摩用と使い分けていく。
それぞれがついたてを持ってどたばたと移動し、
ついたてをセットして姿を出すときはいつものすまし顔で、
そしてまたついたてを持ってどたばたする…
終盤のこのシーンは特に可笑しかったデス。
やっぱり現代版組踊とは違って
お客さんの年齢層はぐんとUP↑してました。
着物姿のご婦人方もたくさん。
でもこれなら若い人も子供たちも楽しめると思うな~!
楽しみながら伝統芸能に触れることができる。
むしろ若い人たちがいなくてもったいない!!
って思いました。
これ、学校とかの芸術鑑賞会でできたらいいのに。
まだ見たことのない方、
再演されるときは、ぜひ!!
おススメの舞台です!
私もきっとまた見に行くと思います。
+
ところで、
伝統組踊、創作組踊、そして現代版組踊。
肝高の阿麻和利が「現代版組踊」と名乗ってくれていたからこそ、
私は伝統組踊にも興味が出て、
そして今回の創作組踊も見ることにも繋がりました。
もし、肝高の阿麻和利が「現代版組踊」ではく、
「沖縄ミュージカル」なんて名乗りだったら、
きっと伝統組踊や創作組踊へとは続かなかったと思う。
「組踊」と名乗ってくれていたから、こそ。
平田さんもそのようなビジョンや効果を狙って
(伝統組踊への入り口、きっかけ作りとして)
現代版組踊と名付けたことでしょう。
改めて、感謝の気持ちでいっぱいです。