『琉球のユウナ②』(響ワタル著/白泉社)
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遅ればせながら拝読しました。
(表紙の彼は真加戸(尚真王)とユウナの花)
連載されていた雑誌では一切見ていなかったので
全てが初見でした。
もともとは読み切り企画だったものが
「連載」になったこともあって
1巻に比べてぐっと内容も踏み込んだものに。
1巻はどちらかというと恋愛描写の印象が強かったのですが
2巻では琉球感やファンタジー感もぐっと増し、濃くなって
とても面白かったです!
(以下、ネタバレ注意)
まじないの数々(『沖縄のまじない』からの引用たくさんで私にとっては実にタイムリー!)、
音智殿茂金(=月清、尚真の妹)や神女組織確立、ヲナリ神信仰、
(尚真の神託も幼い月清が行ったという設定)
那覇港や市の様子から、倭寇、奴隷売買、かたつむり食、ザン(ジュゴン)に
キジムナー(≒ユウナ)のタコ嫌い、
万国津梁の鐘の銘文や、もちろんオモロも。
とにかく琉球ネタ満載
えっ、そしてまさかの白澤…の擬人化!??
(前髪かき上げたら3つ目があるのか!?)
音智殿茂金はなかなかいいお嬢様キャラで
個人的にはとても新鮮に感じました。
ビジュアルも、
ザバネに玉ハベルに神扇、クバの団扇、
浮島・那覇の遠景(長虹提がうっすらでも描かれていればよりツボだった…!)、
それらのものに加えて
「世あすたべ」や「おおやくもい」なる単語が
が全国版の少女漫画に出てくる日がくるとは…
うーむ…感慨深いものがあります……
(池上永一さん著作の全国紙での少女漫画化はあったけど、
あれは基本、現代が舞台だからねー)
原作(案)者もなく、本土の方でありながら、
これだけこだわって
"琉球ロマンティックファンタジー少女漫画"
を作ってくれた作者に敬意を表します
※沖縄人だから本土の人だからと区別・差別しているのではなく、
本土の方で本土在住だと、環境的にアイディア出しや資料集めなど
沖縄人や沖縄在住の人よりも苦労が多いであろう…ということです。
ほんと…スゴイ!!
そして対立する側の謎の一派。
まさか…第一尚氏の生き残りか!?
で
3巻へ to be continued.
さーて、千代金丸を手にし「祖父」を語る黒髪の彼は
千代金丸を獲得した尚巴志の孫・尚徳本人か(生き延びていた説もあるし)、
それとも大世主を神号にもつ尚泰久の孫(尚徳の子)か!?
(今改めて読み返したらクーデターシーンで
兄弟で会話してるシーンがあるからこりゃ尚徳の子だな?)
これはドラマ『テンペスト』でのワンシーン。
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琉球史を踏まえた物語の予想や、
ちりばめられた琉球小ネタを探すのも楽しい
『琉球のユウナ』
3巻も見逃せませんね!
(今回同様、私は雑誌では見ずにコミックスでの初見を楽しみに待ちたいと思います♡)
+ + +
巻末の参考文献には
『琉球戦国列伝』の記載も。
琉球戦国列伝はアイテム等、資料に基づいて描いているので
ビジュアル等の参考になっているのなら嬉しいです
また、
新刊『琉球歴女の琉球戦国キャラクター図鑑』も、
琉球のユウナ2巻と一緒に宣伝されることもありまして。
(ジュンク堂那覇店ではコミックコーナー・ユウナ特設の同棚同列に…)
真加戸(尚真王)、めっちゃキラキラしてるもんね!
琉球のユウナ経由で若い女の子たちが琉球史に興味を持ったり
もっと自由な琉球史エンタメが受容されるようになっていったら
キラキラ本を出した私としても本望です
≪追記≫
琉球のユウナ3巻レビュー → ★