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がじゅまるの樹の下で。

*琉球歴女による、琉球の歴史文化を楽しむブログ*

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斧型矢じり

2019年03月10日 | ・琉球史散策/第一尚氏

 

琉球の「弓キャラ」と言えば、
その人物エピソードから

尚徳と
奄美の糠中城。

 

『琉球戦国列伝』(↑)
『琉球歴女の琉球戦国キャラクター図鑑』(↓)でも、
もちろん弓と一緒に描いています。

 

琉球の弓は大型で、
地面に立てて安定させて射ていたということと、

また、その矢(矢じり)は斧型が多かった、

というのは知っており、
特に斧型矢じりは特にこだわりを持って描いていました。

(※『琉球戦国列伝』では掲載サイズのバランス上、
弓はやむなく小さくしてあります)

 

斧型矢じりは、普通に尖がった矢じりよりも威力があり、
刺さると抜きにくく(抜いたら更に傷口が広がる)
殺傷能力が高い武器。

 

 

以前、韓国の歴史映画『神弓』を見ました。

 

映画『神弓-KAMIYUMI-』予告編

 

1636年、丙子の乱を描いた
清VS朝鮮の物語。

タイトルにもあるように、
主人公は弓の使い手。

弓のシーンが多く出てきます。

 

 

斧型矢じりだ!!

 

 

…って、

あれっ!?

 

 

……はい、

ワタシ、なんとなく

斧型矢じりは横になるように

構えるもんだと思い込んでいました…。

根拠はなく、ホントになんとなく。

 

でも
尚徳イラストでは矢じりが縦になるように描いてますね。

そのほうが矢の形がはっきり見えるから、と、
これまた単純に何の考えもなく描いてただけです…
(かつての自分の意識のなさに喝!!)

矢の構造をなーんにも考えてなかったという証拠に
矢を弦にひっかける部分〈矢筈〉の向きが
おかしなことに…。
尚徳の弓矢単独データ↓)

 

 

この矢筈で弦にひっかけたら、
矢じりは横になるのに
矢じりは縦になっているという作画矛盾…。
(本来なら矢筈は横に倒して描かれているべき)

 

実際のイラストは
尚徳の手に隠れて矢筈は完全に見えなくなってるので

「ばれないか!☆」

と一瞬思いましたが、

ばっちりキラキラ糠中城の持ってる矢でも
全く同じことをしちゃってるので…


ここに白状してお詫び申し上げます

 

 

ところで映画「神弓」での斧型矢じりは
だいぶ大きく見えました。

ワタシの糠中城では割と華奢というか、
細長めに描いていますが、
それは私が実際にグスクから発掘された
斧型矢じりを見た時の印象に基づいています。
(尚徳を描いた時はまだ実物は見てない)

琉球では、もしくは時代によって
多少の変化はあったのかも?