JR9RVKの雑記的業務日誌

HF帯のモービル運用をメインに行うアマチュア無線局と、その免許人の備忘録。

“移動局”と“移動する局”

2019年07月13日 15時16分01秒 | 雑感や疑問など

日常的に…、と言ってもアマチュア無線関係者に限るが、“移動する局”と“移動しない局”の両方を開設していると思われる方の一部の発言として、“移動する局”のことを“移動局”と表現される場合が度々ある。また、全体的に振り返ると“移動運用中の局”のことを“移動局”と表現する方にも、アイボール時やワッチ中に時々遭遇したことがある。

これに対して私は、「まぁ百歩譲って国語的にはOKかもしれないけど、行政的には全く異なる意味が有るんだけどな…。」と思っていた。しかし具体的なことは勉強不足もあって把握できておらず、久々にFT-857Dを使用~翌日に修理依頼したことをきっかけに「結局、“移動局”って何?」となり、少しだけ調べてみた。

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その前に、個人的な経緯に触れておきたい。私が“移動局”という呼称の定義に「法的な根拠が有る!」と確信したのは、電波利用料の納付制度が始まって間もない1993年頃だ。きっかけは郵送された電波利用料の納入告知書だ。

当時、添付orミシン目で切り離すページのウラ面に、電波利用料の説明記事が書いてあり、その一部として色々な無線局の種別が列記されていた。その中に“アマチュア局”や“移動局”などが含まれており、漠然とだが「何の業務のためなのかは分らんけど、“移動局”という呼称の無線局が有るんやね~。」と思っていた。

その後、私もいわゆる50Wの局と100Wの局(→2004年に200Wに変更後、2013年に廃止。)の2局を開設した。これら2局に対してJARLが“移動する局”と“移動しない局”と表現していたものを見て、「JARLも“移動局”や“固定局”と呼ばれる無線局の存在を知っているから、こう表現しているんだな。」と感じ、とりあえず右倣いとした。

なので、それ以降に開設した当BLOGやQSOを含む会話の際は、一貫して“移動する局”や“移動しない局”と表現しており、これは現在進行形だ。(厳密にはアマチュア局の“アマチュア”を省略している格好だが、これは許容範囲だろう。当のJARLも使っている表現だし。)
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話を元に戻そう。詳細は本家本元を参照いただくとして、調べたものに我流の翻訳?を試みた。その結果は以下のとおりで、各数字は全て算用数字表記とさせていただいた。

■行政(総務省、他)が言う“移動局”とは?
船舶局、遭難自動通報局、船上通信局、航空機局、陸上移動局、携帯局などに対して移動業務を行う無線局をひっくるめた呼称、つまり総称的な種別ということか。【参照元:電波法施行規則第4条第1項第14号、同第3条第1項第5号】

そして移動業務と同項の別号に、4アマの国試問題にも登場するお馴染みのアマチュア業務の定義“金銭上の利益のためでなく~”が有る。【参照元:電波法施行規則第3条第1項第15号】

同じ項にそれぞれの定義が個別に明記されていることから、移動局の移動業務とアマチュア業務は、そもそも別物という概念であることが分かり、移動する局(移動しているアマチュア局を含む)は移動局ではない。従って、それを“移動局”と呼ぶor書くことは、既に異なる定義が有る別の無線局の呼称をアマチュア局に対して用いることになり、適切ではない。

一方で“移動する局”という文言を、直接定義付けしたものは今のところ発見できていないが、“移動する~”という表現は、関係法令中に度々登場している。その中でアマチュア無線家に最も身近なものは、“~ただし、移動するアマチュア局の無線設備は、空中線電力が50ワツト以下のものであること。”だと思う。【参照元:無線局(基幹放送局を除く。)の開設の根本的基準第6条の2第2項】

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ここで本記事の〆に行こうかと思ったが、「そう言えば“固定局”というものも有るなぁ~。」となる。話の流れ上と言うか、乗り掛かった舟と言うか、そちらも触れてから〆にしようと思う。毎度のことだが本記事のボリュームが大きくなってしまったので、とりあえず一旦区切りとさせていただく。


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