
関東地方以西の本州~四国、九州の山地の木陰に生える多年草。葉は対生し、長楕円形~披針形で先は尖ります。縁には鋸歯があり、表面の脈上には細かい毛があります。
9~10月、葉腋から花茎をだし、白色の花を多数咲かせます。雄しべは花外に突き出て、下側の2個が少し長いです。
枯れ始めた茎の根元から、氷柱が立つのでこの名があるそうです。
今回は、高尾山周辺でこのシモバシラの氷柱を観察しに行ったのです。このように枯れた姿は見られるのですが、根元に肝心の氷柱がありません。
やはり暖冬で気温が高いためだと思われます。

いくつかのシモバシラの群生を確認して、ようやく小さな氷柱を見ることができました。
この場所では、下草刈りが行われていて地上部のほとんどは刈り取られていたのですが、残された根元付近にこのような氷柱ができていたのです。
私がシモバシラの氷柱を見たのは初めてです。本当に感激しました。

毛管現象によって吸い上げられた水が、枯れた茎の途中から染み出て外気に触れ、このように凍りつくのだそうです。
染み出て凍りついた様子がわかるでしょうか。
今回は、植物観察でお世話になっている方に連れて行ってもらいました。昔はもっと大きな氷柱も見られたそうですが、やはりシモバシラ自体も減っているとのことでした。
貴重な自然の造形美、この先も残していかないといけませんね。
1月上旬 八王子市内にて