ケヤキの話を続けてきたので、ケヤキと同じニレ科のエノキについて。
エノキの名の由来は、枝の多い木だから「枝の木」、鍬などの柄に使われたことから「柄の木」、よく燃える木であることから「モエキ」という説があるそうです。
でも、枝の多い木っていう定義が曖昧で、何を基準に枝の多い木って、言うんだろうと疑問に思います。
「柄の木」も、そもそも道具の柄なんて、エノキ以外の樹種でも使われていたし、ヨキ(斧)の柄はカシ類じゃないとダメだし、よく燃える木って、ナラ類やカシ類もよく燃えるけど?・・・と、色々と突っ込みを入れたくなります。
あと、漢字で書くと「榎」。
夏と何かの関わりがありそうに思えますが、「道端に茂って、夏に木陰をつくる」ことから、夏の木で”榎”となったそうです。
花も早春、実も秋。
夏に木陰を作るから「榎」って、他にも道端で木陰を作る木ってありそうに思えるんですが・・・・
と、ついつい、名前や漢字の由来にツッコミを入れたくなります。
そんなツッコミを入れたくなるエノキですが、古くから神の木として信仰の対象とされているとのこと。
植物学者の「前川文夫」の説では、神が降下するという長野県の諏訪明神の「タタイ木」は、元々エノキで、「タタイノキ→タタエノキ→エノキ」と変化したとされているそうです。
あと、江戸時代に、道標として、街道の「一里塚」として植えられたこともあり、これも神木であった名残りとされています。
エノキの材質は、やや堅いものの、強度はそれほど強くなく、狂いも生じやすい。
でも、ケヤキの材と風合いが似ているため、ケヤキ材の代用にされることもあるそうです。
樹皮は黒みを帯びた灰色で、老木になっても樹皮は裂けたり、剥がれたりしません。
葉は、縁の上半部に鋸歯があり、左右の基部が不揃いというところが特徴的です。
花は4月頃、開葉と同時に開花し、葉の基部に小さな花を付けます。雌雄同株です。
果実は10月頃、実は球形で直径5~6mm、橙褐色に熟します。
味は少し甘めで、食べることが出来ます。
国蝶の「オオムラサキ」の幼虫の食草がエノキです。
なので、幼虫のエサとなるエノキと成虫のエサとなる樹液を出す樹が行き来できる場所でないと、オオムラサキは生きることが出来ません。
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