林内でひっそりと、ユーレイのように咲く植物「ギンリョウソウ」。
ギンリョウソウは、ツツジ科ギンリョウソウ属の多年植物で、葉緑体を持たないという面白い植物です。
葉緑体を持たないということは、葉緑素を持たないってことなので、ご覧の様に植物体は緑色でなく全体が真っ白です。
ギンリョウソウは光合成を行わない代わりに、根に形成された菌根菌を通じて、宿主樹木の光合成産物を利用して成長するという、ちょっと、変わった植物です。
ギンリョウソウの様な植物を「腐生植物(菌従属栄養植物とも)」と言います。
ギンリョウソウは、他の樹木が生産した光合成産物を利用していますが、寄生関係ではなく共生関係にあります。
菌根菌は、土壌中にある植物の根では吸収できない養分や水分を吸収する能力があります。
ギンリョウソウの根が形成した菌根菌は、宿主樹木から光合成産物をいただく代わりに、宿主樹木の根では吸収できない養分や水分を吸収する手伝いをしています。
つまり、「養分や水分をもっと細かく集める代わりに、光合成産物を分けてね。」ということです。
ギンリョウソウは、山地のやや湿り気のあるところに生え、日本全土に生育しています。
茎の先端に下向きの花をつける姿がユーレイに見えるので、ユウレイタケという別の名も(^_^;)。
花期は5~8月と長期間にわたって開花します。
湿り気のある山の中で開花する植物なので、よく目につく植物というわけではありません。
だけど、珍しいのかと聞かれたら、それほど珍しいとは言えない。咲くところにはいっぱい咲くし。
でも、山の中限定の植物なので、山へ足を運ぶ頻度が少ないと、珍しいと感じると思います。
全身真っ白♪
素敵な植物ですよね(^_^)。