はぐくみ幸房@山いこら♪

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歩道

2020年12月26日 | 森林管理・森林空間・森林整備のお話

 山の中を歩くとき、歩道があると、とても歩きやすいですよね。

 これは、登山だけでなく、林業という労働でも同じ事が言えます。

 

 皆さんなら、次の作業をするとき、「歩道がある」と「歩道がない」、どちらの環境がいいですか?

 

 植栽の時に、苗を背負って運ぶ。

 植栽作業の現地までの通勤。

 防護柵の資材を運ぶ。

 下刈り作業の現地までの通勤。

 保育間伐の作業現地までの通勤。

 林内の巡視。

 立木の調査(踏査)。

 検査の立ち会い。

 現地の案内。

 

 歩道の存在は、あらゆる作業に影響を与えるため、コスト縮減の効果も十分に期待できます。

 歩道新設の当初に費用を投資する必要はありますが、歩道もインフラ整備の1つです。

 長期的に使用し、関わる全ての作業の安全性と効率性が向上することで、コスト縮減と言う形で、投資した費用が回収できると考えられます。

 

 僕が林業に関わり始めた頃、作業に従事する方達は、歩道をとても大切にしていました。

 補強や修繕が必要な箇所があれば、仕事の合間に行っていました。

 保育間伐の時、伐倒木が歩道を塞がないようにしました。

 時には、伐倒木を利用して、歩道際の補強に活用していました。

 

 そういう作業を見てきたので、こういう現場に出会うと、悲しい気持ちになります。

 伐倒木の下をくぐらないと歩けない歩道。

 チェーンソーや資材を持っていると、とても歩きにくいです。

 

 伐倒木によって塞がれた歩道。

 迂回しないと歩けない歩道。

 もしくは、枝条の中を突っ切らないと歩けない歩道。

 もはや、歩道としての機能は無いに等しいですね。

 

 自分がケガをしたとき、歩道があると、どうですか?

 同僚がケガをしたとき、歩道があると、どうですか?

 

 この現場で、次に主伐するとなったら、このような伐倒木は、踏査や作業の手間というか邪魔じゃないですか?

 ちょっとした手間の積み重ねが、コストと安全に影響を与えると思いませんか?

 この現場に、二度と来ないつもりで作業をすると、いずれ、仕事が回ってこない、仕事を頼まれないと言うことに繋がるんですけどね・・・・。

 

 歩道の幅員は0.4~0.6m程度。

 林内にある伐倒木や立木を利用して歩道を作設します。

 林業は50年、60年と長い年月、森林と付き合う産業です。

 当年コストだけでなく、管理という長期的なコストも視野に入れて、歩道整備や歩道新設という作業を取り入れることは、非常に重要なことではないでしょうか。

 


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